ハイツ友の会さんの解散に伴い、芸人やお笑いファンの間で“顔ファン論争”が巻き起こっている。
解散理由の一つに顔ファンの存在があったのでは、と推察されている。

ここからは完全に私の推測。
私が思うに、ハイツ友の会の二人を苦しめたのは、そこまでかわいくないのに、かわいいと言われたからではないか。
正直言ってハイツ友の会の二人の見た目は、一般社会においてはめちゃくちゃ「かわいい」と言われる見た目ではないと思う。
もちろん、二人とも可愛らしいお顔立ちだけど、世間一般に放り込まれたら、むしろ「普通」な見た目だと思う。

私は過去にNSCに通っていて、そこで芸人をやめる女の子をたくさん見てきた。
女の子が芸人をやめる理由で「こんなにブスと言われると思ってなかった」というのがあった。
確かに一般社会において、他人に対してそこまで「ブス」なんて言わない。
芸人になって初めて「ブス」呼ばわりされるようになって、戸惑ってしまう人もいるのだ。
ハイツさんの場合は、それの逆バージョンなんだと思う。
今まで一般社会でそこまで「かわいい」と言われなかったのに、芸人になって「かわいい」と言われるようになって、精神的な齟齬が生まれたのではないか。

もちろんネタがおもしろくなければ顔ファンなんてつかない。
ハイツ友の会が「かわいい」と言われた要素の中には彼女たちのお笑いのセンス、芸人としての立ち居振る舞いなども含まれている。
私も尊敬する憧れの男芸人が大爆笑をかっさらっている様を見て、「かっこいい！」と思うことはある。
それは芸人としてのセンス、立ち居振る舞いなどがそう思わせている。

女で芸人やってる人間でみんながみんなハイツ友の会さんのような人ではない。
中には、自分のことを「かわいく見せる」ことを優先的にやっているような人もいる。
そんな不埒なお笑いの向き合い方をしているやつより、よっぽどハイツ友の会さんはカッコいい。

逆に見た目の良さを逆手にとって笑いに変える人もいる。
チュートリアルの徳井さんはM-1以前の漫才でマイクの前に到着するなり「男前やろ？」と言い放ち、福田さんが「自分で言うな」とツッコむ、というのをつかみでやっていた。
ビジュアルの良さを逆手に取って笑いに変える素晴らしいテクニックだ。
こいつ見た目はいいけど自分で自分のこと男前とか言っちゃうやばいやつなんだ、と1発でお客さんにアピールできる。
それより前には徳井さんが福田さんに向かって「お前顔テカテカやないか！」というつかみもあった。
その時期、ネタ前に福田さんはベビーオイルを顔に塗ったりしていたらしい。
とにかくみんなキャラをつけるために必死なのだ。
まぁそんなチュートさんの涙がちょちょぎれる苦労話は置いといて。

私は個人的には(度を超えたキモい接し方をしてくるファンはどうかと思うが)
顔ファンは別にいいと思っている。
自分のことを嫌いと思ってるやつより応援してくれる気持ちがあるだけ全然いい。
その芸人のネタがおもしろいと思ってたりすると、見た目も魅力的に見えてきたりするものだし。
(ただ正直言うと、ピン芸人時代にショムニの江角マキコみたいな格好してネタをやったことがあって、その時にネタの感想は一切言われず、衣装の感想だけしか言ってこなかった人がいて、それには流石に辟易としてしまった)

私個人としては、顔ファンは全然いいけど、女芸人のことをエロい目で見てくる男芸人はキモいと思ってしまう。
天体という芸人に、「もっとエロい格好してネタしろ」と言われたのは引いた。
先輩の芸人が「エロい格好して漫才しろ」は立派なセクハラだと思う。
お笑いがちゃんと好きな人は「エロい格好してネタしろ」なんて言わない。
ゆりやんレトリィバァのアメリカの国旗の水着の衣装はゆりやんが着るから笑いになるのだ。
本来エロい格好のはずなのにエロくないから成立するのだ。
あれを私とPONちゃんが着ても笑いにはならない。
天体のパブロフ平野という芸人が新道竜巳さんが主催する『女芸人フェス』というライブの手伝いをしてた時に、まつなみさんという芸人がショムニのような格好をして(男の人ってショムニ好きなんだね！)脚立にのぼる件りがあるのだけど、それを引き合いに出して「そっちの方がエロい」と言っててキモかった。
芸人のネタを芸人がそんな目で見るな。
エロいの見たかったらAV見ろ。
そんなやつ女芸人のライブの手伝いすんな。

わてらエロいと思われたくてやってんのとちゃうんや。
エロいこと言ってんのに全然エロくないと思われたら正解なんや。
女芸人はエロいと思われたらしまいや。
うちはへこたれへん！
連続テレビ小説『セフレ』！
主演・上白石萌音！
次週「漫才のまんはま〇このまんや！」
お楽しみに！