アステラス製薬社員の初公判が開かれる 「国家安全」を理由に非公開

北京=畑宗太郎
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 スパイ容疑で中国当局に拘束されたアステラス製薬の男性社員の初公判が11月下旬に北京市内の裁判所で開かれていたことがわかった。日中外交筋が明らかにした。

 男性は昨年3月に任期を終えて帰国する直前に拘束され、「居住監視」などを経て検察当局が今年8月中旬に起訴した。外交筋によると、公判は北京市第二中級人民法院(地裁に相当)で開かれたが、国家安全に関わる内容として非公開だった。起訴内容も明らかにされていない。

 外交筋によると、初公判後の今月5日に金杉憲治・駐中国大使が男性と領事面会した。「健康状態に特段の問題はない」という。

 日本政府は、石破茂首相が11月の習近平(シーチンピン)国家主席との日中首脳会談でも拘束されている邦人の釈放について提起するなど、早期釈放を求めている。

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この記事を書いた人
畑宗太郎
中国総局
専門・関心分野
中国の外交、安全保障、社会、東南アジア情勢
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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2024年12月9日19時5分 投稿
    【視点】

     中国としては、本件の審理を加速し、できるだけ早く一審で有罪判決を言い渡した上で、被告人を国外追放(実態としては日本への帰国を認めること)にして、本件にケリをつけようとしているのではないでしょうか? 中国当局がこういう形で石破茂首相の障害と

    …続きを読む