日鉄がUSスチール従業員へ声明「懸念全て解消すべく努力してきた」 米労組幹部に反論

日本製鉄のロゴ=東京都内(ロイター=共同)
日本製鉄のロゴ=東京都内(ロイター=共同)

日本製鉄は9日、米鉄鋼大手USスチール買収に関し、同社の従業員に宛てた声明文を公表した。全米鉄鋼労働組合(USW)幹部の主張に反論するもので「USWの懸念は全て解消すべく懸命に努力してきた」と理解を求めた。

日鉄によると、森高弘副会長がUSW執行部と会談し、買収計画を説明。USW側の要望も聞き取ったという。その際に提示された懸念点に回答する書面を2日に送付したにもかかわらず、幹部はその後、計画を非難する映像を公開した。

USW側は既存の高炉設備から、電炉の製鉄所に日鉄が生産を移管すると主張。それに対して日鉄は「生産移管を防ぐ唯一の方法は買収を完了させることだ」と訴え、工場を閉鎖しないという従来の約束を強調した。将来的な高炉の投資計画の詳細も明らかにしたほか、USW本部やUSスチール本社のあるペンシルベニア州とも定期的に面談する計画も示した。 対米外国投資委員会(CFIUS)の審査期限が今月下旬に迫っており、日鉄は誠実な対応を示すために書面の公表に踏み切った。

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