「絶滅の明確な意図認められず」 ドイツ、アムネスティ報告書を否定
【AFP=時事】ドイツ政府は6日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区でパレスチナ人に対する「ジェノサイド(集団殺害)を行っている」とする国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによる報告書を否定した。 【写真】イスラエルがガザで「ジェノサイド」 アムネスティが報告 ドイツ外務省のセバスティアン・フィッシャー報道官は記者団に報告書について問われると、「ジェノサイドの問題は、特定の民族集団を絶滅させる明確な意図を前提としている。そのような意図があるとは認められないため、報告書の結論には賛同できない」と述べ、「われわれは報告書の告発を非常に真剣に受け止め、現在分析している」と付け加えた。 さらに、「イスラエル政府に対しては、(パレスチナ自治区)ガザ地区での軍事作戦を調整し、民間人を保護する義務をより忠実に果たすよう再三要請している」とした上で、「しかし、テロ攻撃によってこの紛争を引き起こした(イスラム組織)ハマスに対して、イスラエルは防衛行動を取っているにすぎないというのが現時点でのわが国の見解だ」と主張した。 英ロンドンを拠点とするアムネスティは5日、イスラエルのガザでの軍事作戦に関する報告書を公表。300ページにわたる報告書について、「イスラエル政府と軍の関係者による非人間的でジェノサイド的な発言」や、破壊を記録した衛星画像、現地調査や現地住民からの報告に基づいていると説明した。 これに対しイスラエルは、「完全な虚偽だ」と反論した。 イスラエルの公式発表に基づくAFPの集計によれば、2023年10月7日のハマスによる前例のない越境攻撃で、民間人を中心に1208人が死亡した。一方、ハマスが実効支配するガザの保健当局によると、これに対するイスラエルの報復攻撃で、これまでに4万4580人以上が死亡。こちらも大多数は民間人だった。国連は、信頼できる統計としている。【翻訳編集】 AFPBB News