筋肉だけでなく関節や腱も鍛えよう、恩恵と適切なエクササイズは

筋肉を伸ばす「エキセントリック運動」、姿勢保持の「アイソメトリック運動」

2024.12.02
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足首周りの腱や靱帯を鍛えるかかとエクササイズを実演する理学療法の学生。こうしたエクササイズは、関節の安定性を高め、結合組織全般の健康の促進によい。(Photograph by Izaiah Johnson, The New York Times/Redux)
足首周りの腱や靱帯を鍛えるかかとエクササイズを実演する理学療法の学生。こうしたエクササイズは、関節の安定性を高め、結合組織全般の健康の促進によい。(Photograph by Izaiah Johnson, The New York Times/Redux)
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 体を鍛えるというと、筋肉だけに注目しがちだ。だが、力強い動きの裏には、靱帯や腱、関節など、体の動きを支える結合組織というあまり目立たない存在がある。

「バーベルを持ち上げるとき、ランニングをするとき、ゆっくりとヨガのポーズをとるとき。すべての動きには、そうした裏方が不可欠です」と、スポーツ理学療法士でパーソナルトレーナーのジェシカ・ウルキ氏は言う。氏は、米アカデミー・メドテック・ベンチャーズ社の臨床実装マネージャーも務める。

「靱帯や腱は結合組織の一種で、人体のさまざまな構造を支え、固定し、つなぎ合わせる重要な役割を担います」と、米ネバダ大学ラスベガス校の統合健康科学准教授のカイ・ユー・ホー氏は説明する。これらの結合組織が安定しないと、腱の炎症、腱や靱帯の断裂、関節の問題が生じるリスクがある。

「関節などの結合組織の健康に気を遣わなければならないのは、アスリートに限らず、万人に言えることです」と、ウルキ氏は言う。年齢を重ねるにつれ、腱の損傷や靱帯を傷める捻挫、慢性的な関節疾患のリスクは大幅に高まる。2023年10月に学術誌「International Journal of Molecular Sciences」に発表された研究によれば、成人の25%近くにそうした疾患があるという。

 これらの結合組織がどう働き、かかるストレスにどう適応するのかを理解することは、結合組織の健康や強さを保つ鍵だ。以下で説明していこう。(参考記事:「経口避妊薬で女性の運動中のけがが減る、筋肉と腱で8割減、研究」

筋肉とはどう違うのか

 靱帯は、関節の骨と骨をつなぐ帯状の線維性組織だ。例えば、前十字靱帯(ACL)は、太ももの大腿骨(だいたいこつ)とすねの脛骨(けいこつ)を膝関節でつないでいる。「靱帯には関節の安定性を保ち、関節が過剰に動くのを防ぐ役目があります」と、ホー氏は説明する。

 一方、「動きを実際に生み出しているのは腱です」と、米パームビーチ整形外科診療所の整形外科であるジョン・ヒンソン氏は語る。筋肉を骨に結びつけているのが腱だ。例えば、アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨を結びつけている。筋肉の収縮で生じた力を腱が骨に伝えて、動きが可能になる。(参考記事:「体が柔らか過ぎる「二重関節」は慢性疾患のリスクが高い、なぜ?」

 筋肉と結合組織の大きな違いは、ストレスへの反応と回復力にある。「一般に、結合組織は、筋肉を鍛えるようには鍛えられません。時間をかけて密度や強さが高まり、ストレスに適応します」とホー氏は説明する。

 例えば、腱はかかった力に応じて強化され、より大きな力に対応できるようになる。器具や自分の体重が生み出す抵抗を利用する「レジスタンストレーニング」は、コラーゲン量を増やして細胞組織を改善することができ、痛みを和らげ、腱を強くする。(参考記事:「心身にいい「レジスタンス運動」、手軽で驚くほど多くの健康効果」

 だが、こうした適応プロセスは時間を要する。「血液が豊富に供給されて比較的早く回復・成長する筋肉とは違い、靱帯や腱には血管が少なく、回復に時間がかかります」と、ウルキ氏は説明する。

 トレーニングの負荷を急激に増やしたり、ランニングのような反復運動をしたり、短期間に無理な運動をすると、靱帯や腱に負担をかけすぎてしまい、繰り返すけがにつながるリスクが大きい。(参考記事:「運動の強さは「会話ができる程度」でいい、脂肪が燃えやすく」

次ページ:どんなエクササイズがいい?

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