久し振りのFacebook

半年ぶりくらいでFacebookにログインしてみました。普段は非公開アカウントにしています。
お世話になっていた方の入院が重なり、過去に掲載していた古い写真を拾いに行く目的でした。
幾度も綴ってきましたが、SNSの中で私はFacebookが苦手でして。仕事とプライベートは分けて考えたく、あのサイトはその辺がごちゃ混ぜで。
誰しも「知られたくない側面」はあるのだと思います。

半年ぶりのFacebookでは幾つもの訃報が待っていました。
下町暮らしだった頃にお世話になっていた小料理屋の女将さんは一昨年亡くなられていました。全く知りませんでした。
今年の春にお呼ばれして伺った地域の祭りではそんな話聴いていませんでしたし。
再会出来た皆さんとは大喜びで肩を叩き合えました。
「皆さん元気にされてますか?」には「みんな元気よ」な返事ばかりだったのに。
ただ、地域の皆さんにとって二年前など大昔の話なのかも知れません。日々話題に事欠かない地域でしたから。

私が暮らしていた頃もあの地域で町会の打ち合わせに参加される多くは高齢者でした。
下の世代は多くがサラリーマンで、町会のお手伝いは難しく。平日の朝から横断歩道で旗を持たされたり、夕刻からイベントが始まったり。
自営業かリタイア組くらいしかそんなのは手伝いたくても手伝えず。
あの当時も無職期間が幾度かあった私は、そんな場面で重宝されたものですが、サラリーマンに戻ると難しかったです。
ともかく、老若男女と仲良くなれた町でしたし、いつも気の利いた冗談が面白く。

今年のお祭りでは「きゃー!」と駆け寄ってきた若い女の子にも驚きました。誰なのか最初解らなかったのですが、当時まだ幼かったお嬢ちゃん達でした。
「こんな色っぽくなっちゃって、何処のアイドルかとびっくりしたよ」と笑いあえたり。
あの頃から世の中おかしくなっていた感です。子供達は見知らぬ大人に挨拶するなと教えられていて。実際、あの界隈では妙な事件が多発していましたから。
ただ、地域活動で撮影を任されていた私は子供達のイベントの参加依頼も少なくなく。PTA会長からは「このオジサンは大丈夫だからネ」と子供達に紹介されたり。
何だか滑稽でもありました。

そして本日知ったのは、新卒で入った会社の同期の訃報でした。
同じ部署ではなかったので話す機会がほとんどなく。
ただ、彼は入社初日から貫禄がありました。
既に結婚しているどころか、赤ん坊まで居ました。入社当初から「パパ」と呼ばれていました。

同期は三百人以上居たのですが、彼は最初から妙な目立ち方で「こんな人生もあるんだなぁ」と。妙といっても、とても健全な生き方で。
離職率の高い会社でもあり、親しかった同期のほとんどは既に退職しています。長く続けても報われない環境でもありましたから。
そんな中で彼はまだ会社に残っていたそうです。
プライベートでは海が好きで「海の家」を経営したりサーフィンもずっと趣味だった様です。
彼のアカウントを確認したところ、亡くなる直前まで海のイベントの案内をしていました。
同期の一人が本日のお別れ会の写真を掲載していました。
喪主をつとめた長男はまだ三十代だったそうで、お父さんも長男も経験が早過ぎで。
早送りの人生。

話が逸れます。
昨夜は久し振りにテレビ放映の映画を観ました。
途中からだったのですが、見応えある面白い作品でした。
映画「トップガン」の続編、一作目が伝説級ですと二作目はそれを超えられないケースが多いのですが、今回は二作目の方が面白かったです。
近年の映画でアクション場面が含まれると、瞬きも許されないほど詰め込み過ぎな展開で。
そんなことも無かった作品でした。ちゃんと、脳みそで解釈できる範囲でした。
スクリプトもよく考えられていました。
これぞアメリカンな作品でした。

どうにも、期待していない作品ほど面白かったりです。この十年で最も酷かった続編は「ブレードランナー」でした。
映画に限らず、何も期待しない方が先は明るかったりするのだか。

更に話が逸れます。
若かりし頃の私は無謀だったとも思います。「そんなの無理に決まってるじゃん」と言われると「やってみなければ判らないだろう」と思ったものでした。
学業にしても仕事にしても、岐路はいつもそんな場面が待ち構えていました。これが案外上手く行ってしまい。
「クソッタレ精神」とでもいうか。
いつからこんなに臆病になってしまったのだか。

トップガンの続編も、それに近いスクリプトでした。私の失ってしまった部分でもありました。
諦めないこと、チームメイトを大切にすること、チームメイトを信頼すること、時として犠牲心を優先すること。ハズレくじと判っていても喜んで引くこと。
選んだからには全力で挑むこと。マニュアルに沿うのではなく、経験を活かしきること。

ハリウッド映画で私が好きな場面もちゃんと盛り込まれていました。
バーのポンコツピアノを伴奏に、皆が知る曲を一緒に熱唱する場面です。
カラオケなんかよりも全然楽しいですし、私も半生で二度ほどそんな場面がありました。
一昨年の葬儀で久し振りに再会した身内とも音楽の話題になりました。最近どんなの演ってるの?と。
身内も鍵盤楽器が昔からの趣味の一つで。身内の方が昔から私よりはるかに演奏が上手く。
「バンドとか打ち込みみたいなのはもう全然演ってなくて。部屋の楽器もほとんどオブジェで練習もしていなくて。でも、映画のワンシーンみたいに伴奏して皆で唄えるのはずっと憧れてるんだ」と。
何故だか身内も同じスタンスでした。お互いに聴いてきたジャンルもずっと似ていました。

数十年ぶりの再会でしたし、方向転換した興味の対象まで似ていて、ちょっと面白く。
身内は介護系の仕事に携わっていて、施設の高齢者向けにスタッフと手を組んで演奏のお披露目会があるそうです。
本業とは関係ないのですが、そのスタッフもかなりの腕の演奏家。
音楽で喰っていくのは大変なことだと思います。プロのミュージシャンを志した人を何人も横目で観てきました。私は幸い才能の無さに気付けたのが早く。
そのほとんどは挫折し、別方面の仕事が天職だったりでした。全ての楽器を手放したのも居たり。
演奏はこれくらいが丁度良いのかと思えたりでした。

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