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百田尚樹氏の講演中止 ウラに何があったのか 一橋大の大学祭実行委の男子学生が圧力を語った

 舌鋒(ぜっぽう)鋭い百田氏の社会的なイメージについても、「マスコミを通して過度に誇張され、独り歩きしている部分があるのではないかと感じた。講演会を通して、自分の見たもの聞いたものをもとに人物像を判断することが一橋大生ならできると思った」と語り、質疑応答の時間も予定した。

 副学長をトップとする学内組織に企画を説明、承認されたが、時期を同じくして反対意見が寄せられるようになった。

 反対の動きは、主に3つの方向から起きたという。一橋大の大学院に在籍する学生が代表を務める、研究者やNGOらでつくる団体「反レイシズム情報センター(ARIC)」は、百田氏が在日外国人に対して差別的な発言を繰り返してきたとして、差別は許さないとする署名約1万人分提出。大学院生が中心の「講演会中止を求める一橋生有志の会」は開催反対の署名とともに、反差別規定をつくるべきだと求めた。教員からも反対の声は上がり、実行委には「一橋大の品格をおとしめる」「中止しろ」などのメールが届くようになったという。

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