徐々に近づく炎と高橋病院=1995年1月17日、神戸市長田区

 1995年1月。神戸市長田区の高橋病院院長、高橋玲比古(あきひこ)は自家用車ががれきに阻まれて出せず、39年の人生で初めてヒッチハイクをし、4歳下の妻で内科医の由加利とともに病院に向かった。直線にすると2キロ程度の距離だったが、焦っていた。