「生活保護の受給要件をみたしているのに…」相談者の7割近くが申請断念 行政の“水際作戦”「実態と背景」とは【行政書士解説】
一人で悩み苦しまないで
ここまで、生活保護制度の歴史や、法的な少し難しい話を書いてきましたが、要するに、福祉事務所は本来、相談者や生活保護を受けている人の個別の事情に配慮して、臨機応変に、独自の判断を行う権限が法令等によって与えられているということなのです。 ざっくりとでいいので、「法令」「通達」「裁量」の持つそれぞれの意味合いや役割、その歴史的背景は知っておきましょう。 そうすれば、生活保護を受けている福祉事務所やケースワーカーから言われた一言で傷ついたり、不本意にあきらめたりしなくても、困っていることが解決につながるように、詳しい事情を説明して相談にのってもらうなど、冷静な対応をしやすくなるでしょう。 繰り返しますが、すべての法律、条令や通達の最上位にあるのは「日本国憲法」です。 その憲法25条において、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保障されています。 自分の「生存権」が脅かされていると思うほど困っているときは、一人で悩み苦しまないことです。 血の通った温かい生活保護行政をする、その役割を担っている福祉事務所、ケースワーカーに相談することができるはずだということを、忘れないでほしいのです。
三木 ひとみ
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