1年前の今ごろ、週刊文春に今回の解散報道の先駆けとなる「ジャニーズ分裂後継者争い メリー喜多川恫喝」という記事が載った。実を言うと、僕はその記事に大きくかかわっていて、発売の1週間前に六本木ヒルズの事務所で週刊文春記者と打ち合わせをして、翌週発売という形に持っていった。僕はジャニーズに派閥が存在するのか、SMAPの担当マネジャーである飯島三智さんが退社するという話は本当なのか、直接ジャニーズ事務所に質問をぶつけた。すると、予期せぬ事態が起きた。(iRONNA)
なんと、メリー喜多川(ジャニーズ副社長)さん本人が現れて、「そんな事実はない。もし派閥なんてあったとしたら、それはすべて私の責任です。部下の社員が勝手なことをやってるんだ。それを証明しましょう。飯島、こっちへ来なさい!」という感じで飯島さんを呼び出したんです。その時に文春記者のいる前でメリーさんが飯島さんを恫喝し、「お前が派閥つくってんのか」って怒鳴りちらしたんです。
飯島さんにすれば寝耳に水なわけです。そんな根も葉もない噂が流れていたのは、どうやら飯島さん本人も知っていたようですが、「SMAPを連れてジャニーズ事務所に喧嘩を売る」みたいな大それた事実は全くなかったんです。でも、その一件がそのまま記事になり、結果としてジャニーズ事務所が全国に恥をさらすことになってしまった。
メリーさんにしてみれば、ジャニーズを継ぐのは自分の娘、藤島ジュリー景子(ジャニーズ副社長)だということをこの機会に公言したかったのでしょう。飯島さんのように創業一族でもなく、外から入ってきた人が何年勤めていようが絶対に社長になることはない。後継者は決まっている、派閥もお家騒動もないと、自身の口から直に言い切りたかったんでしょうね。メリーさんの思惑で迷惑を被ったのが飯島さんだったというのが、確執の真相だったのだと思います。
僕は飯島さんのことを事務所のお茶くみだったころから知っていますが、34年間ジャニーズに勤めた彼女は、なんだかよく分からない弟と、とにかく口うるさい姉のトップ2人によく従ってきたと思います。ジャニーズは、タレントはもちろんスタッフの出入りもとにかく激しい。昔はジャニーズだって、いわゆる求人情報誌に「マネジャー募集」の広告を出していた時期があった。当時の広告をみると、「365日、24時間拘束、うち何時間労働」。それでいて「給料16万円」ぐらいですから(笑)。それでも憧れのジャニーズ事務所ですから、入ってくる人間もやめてく人間も多かった。幹部以外で事務所に残ってるのは飯島さんくらいで、彼女は本当に身を粉にして事務所に貢献してきたと思います。
ジャニーさんがSMAPをつくった
でもね、飯島さんがSMAPを育てたというのは、僕はちょっと語弊があると思う。SMAPのマネジャーではあるけれど、育てたのは紛れもなくジャニーさんです。SMAPをつくったのも育てたのもジャニーさんです。飯島さんはSMAP担当というだけで、メンバーをバラエティー路線に変えたのも実はジャニーさんなんです。