ハリス敗北は「ガラスの天井」って…じゃあ、高市さんは? マスコミのダブルスタンダード

「正論」1月号 覆面座談会「メディア裏通信簿」

米大統領選での敗北を表明するハリス副大統領=6日、ワシントン(共同)
米大統領選での敗北を表明するハリス副大統領=6日、ワシントン(共同)

女史 第二次石破茂内閣はヤバイよねー。このあいだの総選挙で自民党は派手に負けて、二〇一二年の政権奪還以降、ずっと単独で衆院過半数の議席を占めていたのに、今回は公明党と合わせても過半数割れ。野党がまとまって内閣不信任決議案を出したらいつでも可決されちゃうじゃない。

先生 しかし、本来なら大喜びのはずの朝日新聞が嬉しそうじゃないなと思っていたら、十一月三日の「天声人語」を読んで、その理由がやっとわかった。「野党の最大の存在意義は政権監視にある」とか書いてるんだが、要するに自民党に近づく国民民主党が気にくわない。共産党立憲民主党みたいなのが本当の野党であって、与党と協力して「手取りを増やす」を実現しようとしている国民民主党は、野党の風下にも置けないというわけだ。

女史 やっぱり朝日、どこかピントのずれた主張ね。

先生 今回の選挙で示された民意は、自公はダメだけれど立民もダメ、そこで保守的で政策をきちんと示している政党は…ということで国民民主が議席を四倍に伸ばしたわけだろ。それを朝日を筆頭とするリベラル左翼系メディアは認めたがらない。

教授 それででしょうか。十一月二日の朝日社説は、「国民民主の掲げる減税策は弊害があまりに大きく、妥当性や財源を厳しく吟味しなければならない」「ガソリン税の『トリガー条項』発動も問題が多い」などと、徹底的に批判しています。もう完全に国民民主は与党扱い。そして「朝日新聞の最大の存在意義は政権監視にある」とばかりに筆誅を加えているのです。

総選挙翌日、十月二十八日の朝日社説は「自公過半数割れの審判 国民から首相への不信任だ」と他紙に先がけて石破茂首相の辞職を迫っていました。しかし石破氏は続投し、政権交代が起こることもなく、国民民主がいろいろと自己主張はしながらも結果としては自公政権を助ける側に回っています。朝日はそれが嫌だから大批判している、とみるべきでしょう。

だからですかね、十一月五日には村上誠一郎総務相が、国民民主党が掲げる減税案で地方税の減収が四兆円にのぼると発言したことを、朝日新聞は嬉々として報じていました。

女史 「財源が心配」とか言い出すなんて、何かと財務省批判したがる朝日新聞が急に財務省寄りになった気がするけど。

先生 他の野党も同じようなことを言っていて、朝日、財務省も束になって国民民主を批判するという不思議な光景だ。

女史 ところで国民民主党の玉木雄一郎代表の不倫が、特別国会召集日の十一月十一日に「SmartFLASH」で報じられてた。あまりのタイミングに「財務省の陰謀説」が出回ったね。

先生 ニッポン放送の番組で経済評論家の森永卓郎が「財務省に逆らうと、必ずこういう目に遭うんですよ…税務調査が入ったり、スキャンダルを公にされたり、必ずやってくるんですよ」と言ってたが、茶飲み話じゃないんだから、根拠はあるのかね。まだ税務調査はわからんでもないが、政治家のスキャンダルをつかむ力までは財務省は持ってないと思うがな。

教授 森永発言に対しては立民の米山隆一衆院議員がX(旧ツイッター)に「幾ら何でも財務省を過大評価しすぎだと思います。財務省に本当にそんな力があるなら、皆さんもっと別の人生を歩んでいますよ」と書き込んでいました。私も、単に玉木も女好きで、脇が甘かったというだけの話だと思います。

テレビ局は朝日好き

教授 総選挙での各党の比例得票をみてみると、立憲民主党は数万票しか増えていません。もともと自民党に入れていた人の票がおおよそ国民民主党、参政党日本保守党に流れただけなんですね。

先生 小選挙区での得票は、立民は前回より減ってるくらいだ。

教授 そして共産党は比例票が激減、議席も減らしました。その票がそっくり、れいわ新選組に回っている形です。立民も含めリベラル政党全体では、決して今回衆院選で勝ったとは言えません。

女史 結局、リベラル左翼勢力はホンネのところ、国民の生活に関わるようなことには全然、関心がなくて、LGBTとか夫婦別姓みたいな理念的なものにしか興味がないのが、有権者にバレちゃったんじゃないかしら。

教授 いわゆるアイデンティティ・ポリティクスを打ち出して、労働者や庶民の要望を放置しているのは、米国の民主党とも似ていたような気がします。総選挙では「政治とカネ」の問題が朝日新聞や立民によってクローズアップされましたけれど、一般国民としては、だからといって、彼らにノせられるのはイヤなんでしょう。

先生 十月二十三日の朝日新聞に「裏金 言い換える首相 『不記載』繰り返す 野党『問題の矮小化』」という記事があったが、新聞もきれいに朝日と毎日新聞東京新聞が「裏金(議員)」、読売新聞産経新聞日本経済新聞が「不記載」と分かれていたな。

そこまではいいとして、許しがたいのはテレビ各局だ。民放各局は衆院選の開票速報番組で軒並み自民の該当候補を「裏金議員」扱いしていた。自民議員のところで「チャリーン」と〝裏金〟を想起させるような効果音を入れていた局もあったぞ。新聞はまだ、自社の主義主張に基づいて表現を決めていいが、テレビ局は放送法で公平中立が定められていて「これをやれば数字(視聴率)が取れる」というのはマズい。投票が終わった午後八時以降は公選法も関係なく何をやってもいい―というノリは許されないんだ。

女史 先月も話に出たけど、テレビ局の人たちは基本的に朝日新聞を読んでるから、それに引きずられてるってのもあるんでしょ。

教授 正確にいえば、ほぼ朝日新聞しか読んでいないのでは? 最近、TBSの「ひるおび」という番組を時々眺めているのですが、司会者の恵俊彰氏は朝日に出ていたようなことばかり話しています。日本テレビのニュース番組すら論調は読売的でなく朝日的です。朝日新聞さえ読んでいればテレビを観る必要などない、といっても過言ではありません。

先生 今回の事件について朝日が編み出した「裏金」って言葉は、テレビ的には使い勝手のいい表現なんだ。一文字で「マル裏」マークを貼って自民議員だけを悪者にできる。例えば新潟五区では、自民の高鳥修一は裏金議員扱いの一方、立民で選挙区内の有権者に日本酒を配ったとして党員資格停止一カ月の処分をくらった梅谷守はノーマークだ。不公平にもほどがあるぞ。

教授 いわゆる「裏金報道」で、朝日新聞は新聞協会賞を取りました。一番先に報じたのはしんぶん赤旗ではないか、という話もありますが赤旗は当初、裏金とは言っていませんでしたね。朝日は「裏金」の言葉で受賞したようなものじゃないですか(笑)。立民の野田佳彦代表は選挙中「裏、裏、裏」と連呼していましたし。

女史 共産党も街頭演説で「ウラだ、ウラだ」って連呼してたよ。山本リンダの「狙いうち」の歌詞じゃあるまいし。

編集者 「ウララ、ウララ♪」ですか? 懐かしいですね(笑)。

弱い石破政権に喜ぶ左翼

教授 野党の側は今回、自民党が大敗して、なおかつ石破首相が続投していることを歓迎しているフシがありますね。私は文化放送の番組で東京科学大学の中島岳志教授が「非常にいい状況だ」と話しているのを聞いたのですが、中島氏いわく、石破首相に従来通り、夫婦別姓推進のような主張をさせておけ、それに野党が乗って実現させればいいじゃないか―というわけです。似たようなことをTBSの「Nスタ」で、元朝日新聞の星浩氏も言っていました。野党の主張が通りやすくなっている、と彼らはみているのです。

先生 星浩はどうしても政策決定に立民を関わらせたいようだが、それは今回の選挙で示された民意じゃないだろ。選挙後の各種世論調査でも、石破の続投を認める声が多数派を占めているし。案外、石破政権は低空飛行でも墜落せず長続きするかもしれないぞ。

教授 今後は自民党がどれだけマトモな保守政党なのかが問われることになると思いますよ。国民民主党や日本維新の会が選択的夫婦別姓の導入に賛成するかもしれませんが、一緒になって賛成するようなら、終わりですね。

女史 公明党なんかは夫婦別姓をやる気満々だけど。

教授 そもそもは自民党総裁選で石破氏や小泉進次郎氏が選択的夫婦別姓のように、立憲民主党に近い左派的発言を繰り返したのがケチのつき始めですね。そしてその石破氏がまさかの首相になってしまったことで、自民党の岩盤支持層が国民民主党などに逃げてしまった、というのが今回の総選挙でした。仮にも今後早々に夫婦別姓導入に踏み切るようなことがあれば、夏の参院選で自民が大敗するのは必至です。

先生 自民幹事長の森山裕あたりはそのへんを読んでいるはずだ。夫婦別姓の議論は棚上げしようとするだろうけど、左巻きメディアが攻勢をかけてきたときに石破が耐えられるかどうか…。

トランプ嫌いの海野とデーブ

教授 今回の米大統領選に関する日本のテレビ報道をみていると、トランプ嫌いの出演者の地金が露呈しましたね。民放各局の開票速報番組をみていたら、トランプ当選確実というあたりで完全にスタジオが「お通夜状態」でした。

先生 明治大学教授の海野素央に至っては日本テレビ系の番組で「民主主義が終わるんだぞ」と絶叫していて、番組司会者の宮根誠司にも白い目で見られていたぞ。

教授 海野氏はあたかも米国政治に詳しいかのような顔をしてテレビに出演していますが、彼の専門は「異文化間コミュニケーション論・異文化ビジネス論」で、学位は「心理学博士」ですよ。やはりテレビ局はきちんと専門家を出演させるべきではないですか。

共和党の集まりで話すトランプ氏=13日、ワシントン(AP=共同)
共和党の集まりで話すトランプ氏=13日、ワシントン(AP=共同)

女史 あとは米国人だからってことで、お笑い芸人なんかも出演させてたよね。

先生 パックンことパトリック・ハーランにしてもデーブ・スペクターにしても、みんなトランプ嫌いだろ。米国の選挙だから日本の公職選挙法も放送法も関係ない、とばかりに好き放題に報道するのはどうかと思うぞ。

女史 左巻きの人たちの米大統領選分析ってメチャクチャだった。朝日新聞はじめ各メディアが、ハリス氏の敗因は女性だったため見えない差別的な「ガラスの天井」に阻まれたことも一因だって報じてた。内田樹センセイなんかはAERAで「今日の米国市民たちに建国の原点に立ち還って国民再統合の知恵を求めるのは難しそうである」とか書いてた。米国市民もずいぶんバカにされたものね。

映画評論家の町山智浩さんはXで「残酷な事実:アメリカの赤い州(共和党が強い州)は州民の大卒率が全米平均の大卒率43・1%より低く、平均より大卒者が多い州は青い州(民主党が強い)になる」なんて書き込んでたけど、これってどうなのよ。

先生 そもそもCNNなど米国のメディアがそういう報じ方をしてるよな。日本でも共同通信が「性別、学歴で投票分かれる 男性54%がトランプ氏(に投票)」と流していた。まあ左の連中は、バカな男がトランプに投票した、と言いたいんだろう。

教授 月刊「正論」十二月号で福井義高氏が書いていましたが、それほどハリス氏は若いころ成績優秀ではなく、むしろトランプ氏が成績優秀だったそうです。左傾メディアの報じ方は、ずいぶん偏った議論ではないですかね。

女史 総選挙で当選した島田洋一先生が書いてたけど、ハリスさんはむしろ「ガラスの下駄」を履かせてもらってたのよね。まるで話が逆になってる。

編集者 シンデレラみたいっすね。

女史 全然、面白くない…。

そもそも、ハリスさん落選を「ガラスの天井に阻まれた」とか言ってるメディアは、先の自民党総裁選で高市早苗さんが負けたときには、そんなこと言ってない。見事なまでのダブルスタンダードでしょ。

教授 ハリス候補はヒスパニック系の票などを固めきれませんでしたが、これは米民主党が「マイノリティーのため」と言いながら、国民が求める具体的問題を軽視して、人種やLGBT問題など左翼的正義ばかりを追い求める「アイデンティティ・ポリティクス」の政党になってしまっているからだといえます。歌手のビヨンセさんらセレブを集めた選挙集会は中間層の有権者の心に響かなかった、との分析もありました。

先生 これは日本で立憲民主党が支持を伸ばせない理由と同じだ。

教授 そうなんです。十一月七日の朝日新聞「交論」欄で井上弘貴神戸大学教授が、トランプ圧勝の理由について「トランプ氏を支持しているのは、いわば文化保守です。彼らは、多様性や平等をめぐる社会的正義を重視する人たちを『ウォーク(woke)』と呼んで敵視し、米国社会から自由を奪い、伝統的な価値観を破壊する存在だと考えています。経済重視に加え、従来の文化を守ることを求めて、トランプ氏に投票した人が多かったのでしょう」と分析しています。立民が振るわず、国民民主が支持を集めた理由がみえてきますでしょう。

ちなみに今回の米大統領選では日本のメディアはほとんど報じていませんが、トランスジェンダーが争点の一つだったようです。何しろこれまでバイデン政権はかなり急進的なトランスジェンダー政策を推し進めてきました。例えばバイデン氏は二〇二一年の大統領就任早々、トランスジェンダーの人たちの米軍入隊をOKとする大統領令に署名しています。

先生 その米民主党による急進的な路線がこんどは全部、否定されるわけだ。LGBT理解増進法の制定をゴリ押ししたエマニュエル駐日大使も離任するし、日本への影響も大きそうだが、今の自民党は左傾化しているからなあ。

教授 日本は外圧に弱いですから新しい米共和党系の大使が着任して「LGBT理解増進法なんて廃止しろ」と言ったら、石破政権は案外あっさり廃止するかもしれませんよ(笑)。

編集者 それはそれで、情けないですが。

教授 それはともかく、多くの有権者は性的少数者の問題などはそこまで重要視していない、これは日米共通しています。今回の総選挙の結果にも、それが表れたのだとみるべきでしょう。

「島耕作」で謝罪…

女史 今回の選挙でつつがなく落選したけれど、れいわ新選組の伊勢崎賢治さんが「中国は過去四十年、他国を一度も侵略したことがない」とか主張してた。これはTBSの「news23」なんかでも昔から言われていた話だけれど、ウイグル弾圧とか南シナ海への海洋侵出とか無視なんだよね。それをいうなら「北朝鮮は過去四十年、侵略したことがない」とも言えちゃうでしょ。悪質な印象操作が白昼堂々と行われていてビックリだった。日本では左巻き勢力がマスコミを支配しているから、こういう発言は問題視されないんだよね。

教授 週刊漫画誌「モーニング」十月三十一日号に掲載されていた「社外取締役 島耕作」で、作中の人物が沖縄・辺野古沖での米軍飛行場移設工事をめぐって「抗議する側もアルバイトでやっている人がたくさんいますよ 私も一日いくらの日当で雇われたことがありました」と発言しているのを、琉球新報などが問題視して、騒ぎになりました。

女史 作者の弘兼憲史さんと発行元の講談社は早々に謝罪しちゃった。でも「この漫画はフィクションです。実在の人物、団体名等とは関係ありません」と明記されてる上に、謝罪文によれば「本作執筆にあたり作者・担当編集者が沖縄へ赴き…『新基地建設反対派のアルバイトがある』という話を複数の県民の方から聞き作品に反映させました」って話でしょ。それを、抗議されたからって謝罪する必要があるのかなあ。

編集者 敏感な問題を伝聞情報で描いたのがマズかったのでしょう。

先生 しかし、漫画誌の編集部もすぐ謝罪するなんて。作者を守らないのか。

女史 どちらにしても、もっと検証すべきよね。辺野古での工事をめぐっては六月に、抗議活動をしていた女性を制止した警備員が死亡する事故があったけど、その証拠映像を玉城デニー知事や沖縄県議会与党が闇に葬り去ろうとしてる。明らかに権力による言論への介入・弾圧なんだけど、「オール沖縄」に連なる左側メディアは問題視しない。メディアの自殺行為だと思うんだけどな。

先生 だけど大変なのは沖縄だけじゃないぞ。衆院予算委員長は、あの立民の安住淳になったし。

女史 予算委員会はちゃんと機能するのかなあ。あと、衆院憲法審査会長は枝野幸男さんでしょ。

教授 これで憲法改正の動きは当面、ストップでしょうね。こんな時代がどれくらい続くのか…。

左翼は何だかんだいって改憲反対、護憲で凝り固まっていますからね。十一月四日の朝日「天声人語」が変なことを書いています。選択的夫婦別姓制度が導入できないのは「自民党議員らの強い反対があるためだ。理由は、『伝統的家族観』や『家族の一体感』が損なわれるからだという」「まるで、戦後の民法改正でなくなったはずの『家制度』を見るようだ。導入反対は、日本会議や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)など、保守系団体の意向でもあるという」「根っこには凝り固まった価値観がある。変えなければいけない」というのです。しかし、「凝り固まった価値観」はどっちですか。夫婦別姓じゃないとダメというのも凝り固まっているでしょう。

女史 自分がオカシイことを棚に上げて、相手に「オカシイ」とレッテルを貼ってるわけね。左の人たちがよく使う手法だわ。

教授 夫婦別姓推進論者の発想にはもともと、個人主義の顔をしたマルクス主義の家族解体論があって、それこそ「凝り固まった価値観」です。しかし、それに反対する人たちについて「家制度」が復活するとか、旧統一教会が背後にいるとか匂わせる。これこそ悪質な印象操作でしょう。いまでも中途半端な学力の高校生が大学受験に向けて天声人語を筆写しているそうですが、こうして左巻きの思想が若者にインプットされるわけです。心ある親は、子供に朝日新聞など読ませるべきではないでしょう。

誰が兵庫知事を失職させたか

先生 ところで十一月十七日に兵庫県知事選があったろ。これは前知事の斎藤元彦が県議会で不信任決議案を可決されて自動失職したことに伴うものだったが、投票日を前にして「実は斎藤には不信任されるほどの落ち度はなかった」との指摘が出てきて、知事選でも斎藤は大逆転で再選を果たした。

ちょっと古い話になるが元NHK立岩陽一郎が九月十七日に、フジテレビの「めざまし8」で「(斎藤が)人を追い込んで、人を殺してしまった、あえて殺してしまったと、こういう状態に知事がいて、副知事も加担していた」云々と、斎藤を「人殺し」扱いする発言をしていた。しかし事実として、今回〝内部告発〟した兵庫県の元局長が自殺したのは家庭の事情が主因だったという説もある。ここで自殺の理由を断定するつもりはないが、いくらなんでも「人殺し」呼ばわりは名誉毀損ものじゃないか。少なくともBPO(放送倫理・番組向上機構)で審査するべき案件だろ。

立岩にはファクトチェックに関する著作もいくつかあるが、いったい何の権限があってファクトチェックをやってるんだ。朝日新聞もそうだが、自分のことは棚に上げて他人のアラ捜しに熱中するのもどうなんだ。今回の兵庫県知事選をめぐっては、立岩以外にも斎藤をこき下ろしていたコメンテーターが何人もいたが、斎藤が反撃に出てきたらどうするんだろうな。なかなか見ものだぞ。

教授 地元の神戸新聞が斎藤おろしを煽っていたそうですが。

女史 インターネットがない時代はマスコミのやりたい放題に誰も歯止めをかけられなかったけど、今や民間人がマスコミのファクトチェックをする時代なんだね。正論も気をつけてね。

編集者 い、いやあ、気をつけます…。

先生 マスコミ受難の時代だが、読者・視聴者にとってはいい時代が来ているのかもしれないな。

(一部敬称略)

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