日本の酪農が、生産基盤の危機を迎えている。一般社団法人中央酪農会議(東京)が、指定団体で受託している酪農家の戸数の月別推移を集計した結果、今年10月が9960戸と、初めて1万戸を割ったことが判明した(グラフ)。

酪農家減少の大きな要因は、経営環境の悪化だ。酪農業を営んでいる全国の酪農家236人を対象に「経営状況に関する緊急調査」を行うと、50・0%が「とても悪い」、33・1%が「まあ悪い」となり、合わせて83・1%が経営環境が「悪い」と感じでいることが分かった。経営環境が悪いと感じる196人に、悪い影響を与えている要因を聞くと、「円安」が91・8%で最も多く、「原油高」(68・4%)、「ウクライナ情勢」(67・9%)が続いた。

そんな厳しい現状を反映して、酪農家の98・7%が「上昇している生産コスト」、96・2%が「減少している収入」を実感。今年9月の経営状況を聞くと、58・9%が「赤字」で、約半数(47・9%)が「離農を考えることがある」と答えた。

最近、世界的な乳製品の需要が逼迫(ひっぱく)していると言われ、このまま酪農家の減少が続けば、国産の牛乳・乳製品が入手しにくくなる可能性が懸念される。

北海道大大学院農学研究院の小林国之准教授は「高コスト時代に適応した持続的な酪農経営のためには、経営構造のシフトが必要です。そのためには、経営転換への支援と、消費者との対話と理解が不可欠です」と指摘している。