【速報】韓国 ユン大統領謝罪 「党に一任」弾劾議案は夕方採決

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は、「非常戒厳」の宣言について、7日午前、国民向けの談話を発表して「心からおわびする」と謝罪し、「私の任期を含めて政局を安定させる方法はわが党に一任する」と述べました。

ユン大統領の弾劾を求める議案は7日夕方に採決されることになっていて、大統領の談話を受けた与党議員の動向が焦点となっています。

【動画】韓国 ユン大統領談話(1分25秒)

韓国のユン・ソンニョル大統領は、7日午前10時から国民向けの談話を発表しました。

この中でユン大統領は「非常戒厳」の宣言について、「国政の最終責任者である大統領としての切迫感から始まったが、国民に不安と不便をかけ、誠に申し訳なく、心からおわび申し上げます」と謝罪しました。

そして、「法的、政治的な責任を回避しない」とした上で、「私の任期を含めて政局を安定させる方法はわが党に一任する」と述べました。

一方、みずからの進退については言及しませんでした。

ユン大統領 談話全文

韓国のユン・ソンニョル大統領が、国民に向けて発表した談話は次の通りです。

尊敬する国民の皆様、私は12月3日夜11時に非常戒厳を宣言しました。
およそ2時間後の12月4日午前1時ごろ、国会の戒厳解除の決議に基づいて軍の撤収を指示し、深夜の閣議を経て戒厳を解除しました。
今回の非常戒厳の宣言は、国政の最終責任者である大統領としての切迫感から来るものでした。
しかし、その過程で国民に不安と不便をおかけしました。
大変申し訳なく思い、とても驚かれた国民の皆様に心よりお詫び申し上げます。
私は今回の戒厳宣言と関連して法的、政治的責任問題を回避しません。
国民の皆様、再び戒厳を発動するという話がありますが、はっきり申し上げます。
第2の戒厳のようなことは決してないでしょう。
国民の皆様、私の任期を含め、今後の政局を安定させる方法はわが党に一任します。
今後の国政運営は、我が党と政府がともに責任を持って行っていきます。
国民の皆様にご心配をおかけしましたこと、改めて頭を下げてお詫び申し上げます。

与党代表「早期退陣は不可避だ」

ユン大統領の談話を受けて、与党「国民の力」のハン・ドンフン(韓東勲)代表は「大統領は正常な職務遂行が不可能な状況で、早期退陣は不可避だ。大韓民国と国民にとって最善の方法を議論し、考えていく。首相と党が国民の暮らしや重要な状況を緊密に議論していく」と述べました。

最大野党代表「最大のリスクはユン大統領の存在そのもの」

韓国の最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表はユン大統領の国民演説のあと会見を開き「非常に失望した。韓国の最大のリスクはユン大統領の存在そのものだ。大統領の即時辞任か弾劾による早期退陣以外に道はない」と述べ、ユン大統領を強く批判しました。

こうした中、野党側が提出したユン大統領の弾劾を求める議案は、7日午後5時からの本会議で採決される予定です。

与党「国民の力」は、7日朝から緊急の議員総会を再開して党としての対応を協議しています。

大統領の談話について、与党のハン・ドンフン代表は「大統領は正常な職務の遂行が不可能な状況で、早期退陣は避けられない」と述べましたが、党としての方針については言及しませんでした。

議案の可決には、与党から少なくとも8人の賛成が必要で、大統領の談話を受けた与党議員の動向が焦点となっています。

専門家「与党に対する意思表示という側面も」

韓国のユン・ソンニョル大統領が7日発表した談話について、韓国政治に詳しい静岡県立大学の奥薗秀樹教授は「国民に対する談話といいながら一方では与党に対する大統領としての意思表示という側面もあったと思う。きょう予定されている弾劾訴追案の議決を前に、与党から8人以上の造反が出て可決されるのをなんとか避けたかった」という見方を示しました。

その上で、「与党に対して任期の短縮とか、あるいは自分が第一線から退いた状態で挙国内閣を構成するといった方法でこの事態を収拾できないか与党に対して呼びかけたという意味合いがあると思う。なんとか自分の職務停止というところまでは至らずに、解決策を与党のほうにお願いしたいということで一任するという大統領の意思がうかがえる内容だった」と分析しています。

与党「国民の力」午後2時半から緊急の議員総会 再び開催

韓国の与党「国民の力」は7日午後2時半から緊急の議員総会を再び開くと明らかにしました。

午後5時から開かれる国会の本会議で採決が行われる予定のユン・ソンニョル大統領の弾劾を求める議案について、対応を協議する見通しです。

これに先立ち、ユン大統領は午前中に発表した談話で「私の任期を含めて政局を安定させる方法はわが党に一任する」と述べていました。

国会議長 7日午後5時から本会議を開くと発表

韓国の国会議長は、7日午後5時から本会議を開くと発表しました。

ユン・ソンニョル大統領のキム・ゴニ(金建希)夫人の疑惑に関する特別検察官の任命をめぐる法案を審議を行ったあと、ユン大統領の弾劾を求める議案を取り扱うとしています。

ソウル市民「場当たり的」「これが謝罪だとは理解できない」

韓国のユン・ソンニョル大統領が「非常戒厳」を一時宣言したことを謝罪したことについてソウルの30代の男性は「本心なのか、国民を落ち着かせたくて話しているだけなのかが疑わしいと思った。きょうこれから弾劾の議案の採決があるので、場当たり的なものとしてやったようにも見えた」と話していました。

また、6日に退陣を求める集会に参加したというソウルの30代の女性は「これが謝罪だとは理解できないし、今後も続けていくと言っているようにも聞こえた。謝らない方がまだましなような謝罪だった。その座から降りてくることが謝罪だと思う」と非難していました。

◆韓国大統領 弾劾手続きは

韓国の大統領が憲法や法律に違反した疑いがある場合、韓国の国会は、議員の過半数の賛成で弾劾を求める議案を発議することができます。
弾劾の議案は、国会議長が本会議に報告した後、24時間から72時間の間に採決が行われ、国会議員の3分の2以上が賛成すれば、可決され、大統領は職務を一時的に停止されます。
その後、憲法裁判所が180日以内に弾劾が妥当かどうか、最終的な決定を言い渡すことになっていて、裁判官9人のうち6人以上が妥当と判断すれば、大統領は罷免され、60日以内に大統領選挙が行われることになります。

◆「非常戒厳を宣言」これまでの経緯は

▽3日午後10時半ごろ:ユン大統領「非常戒厳を宣言」
▽4日未明:国会で解除要求する決議案 可決
▽4日午前4時半ごろ:ユン大統領「戒厳を解除」
▽4日午前5時ごろ:閣議開かれ非常戒厳を解除
▽4日午後:野党 弾劾求める議案を国会に提出
▽7日午前:ユン大統領謝罪「任期含め党に一任」

韓国での一連の混乱は、ユン・ソンニョル大統領が3日夜、緊急の談話を発表し、「非常戒厳」を宣言したことをきっかけに始まりました。宣言の理由として、ユン大統領は、来年の予算案に合意しない野党側の対応などをめぐり「国政はまひ状態にある。憲政の秩序を守るためだ」としました。
韓国で非常戒厳が出されたのは1987年の民主化後、初めてのことでした。これを受けて戒厳司令官が政治活動の禁止や、メディアに対する統制などを盛り込んだ「布告令」を発表し、軍の部隊が国会の建物に突入する事態となります。

また、非常戒厳が出されたあと、軍のおよそ300人が中央選挙管理委員会の庁舎などに展開していたこともわかりました。選挙管理委員会によりますと、軍が夜間の当直などの5人から携帯電話を押収したほか、庁舎の出入りを制限し、3時間半近く庁舎を占拠したということです。資料の持ち出しはこれまでのところ確認されていないとしています。

4日未明になって、韓国の国会は本会議を開き、与党議員を含む190人が非常戒厳の解除を要求する決議案を全会一致で可決しました。午前4時半ごろユン大統領は再び談話を発表し、閣議を通じて非常戒厳を解除すると明らかにしました。非常戒厳は、宣言から6時間で解除されました。

4日午前、最大野党「共に民主党」はユン大統領に直ちに辞任するように要求し、午後には野党6党がユン大統領の弾劾を求める議案を国会に提出しました。これに対し、与党「国民の力」のハン・ドンフン代表は5日、ユン大統領に離党を求める一方で、党としては弾劾の議案に反対する考えを示しました。

弾劾の議案は5日未明、国会の本会議で報告され、野党側は、7日の本会議で議案を採決する方向で調整を進める考えを明らかにしていました。採決では国会議員の3分の2以上が賛成すれば可決され、大統領の職務は停止されますが野党側だけでは3分の2以上に達しておらず、大統領と距離を置く与党議員もいるなか与党「国民の力」の動向が焦点となっています。

ハン代表は6日午前、党の会合で「ユン大統領の早急な職務執行停止が必要だと判断する」と述べ、韓国メディアは弾劾の議案に事実上、賛成する立場を示唆したものだと伝えています。また、ハン代表は6日午後、ユン大統領と会談したということで弾劾の議案をめぐる与党の対応に関心が高まっています。

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