尾道「病院で処置後に出血死」遺族が病院を提訴 市は争う姿勢
5年前の2019年、80代の男性が尾道市立市民病院で心臓カテーテルの処置を受けた際に腹部から出血して翌日に死亡したのは、病院の対応が原因だったとして、遺族が尾道市に対し4490万円余りの損害賠償を求める訴えを起こし、6日、広島地方裁判所で裁判が始まりました。
尾道市側は、争う姿勢を示しました。
訴状によりますと、5年前、当時82歳だった男性は、尾道市立市民病院に入院し、心臓カテーテルの処置を受けた際に腹部から出血して緊急の手術を受けましたが、その翌日に死亡しました。
これについて男性の遺族は▼カテーテルの処置の際に誤って血管を傷つける危険性がある器具を使用したことや▼緊急手術のあとで再度の出血がないかの検査を行わなかったことが原因だとして、尾道市に対して4490万円余りの損害賠償を求めています。
6日、広島地方裁判所で始まった裁判で尾道市側は「原告の主張は前提を誤っている」などとして、争う姿勢を示しました。
裁判では男性の50代の長男が意見陳述を行い、「父は繰り返しお腹の痛みを訴えていたが、鎮静剤を投与されるだけで翌朝に死亡した。あっという間に亡くなった父を思うと、泣き寝入りをするわけにはいかない」と述べました。
一方、尾道市は取材に対し「裁判に関することなのでお答えできない」とコメントしています。
尾道市立市民病院をめぐっては、8年前の2016年に別の50代の患者が死亡する医療事故があったとして、11月、市が遺族に賠償金を支払うことを明らかにしています。