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くふうハヤテベンチャーズ静岡 1年目のシーズンを振り返って

池田省吾 球団社長に聞く
  • 2024年12月06日

“サッカー王国”の静岡県にことし、プロ野球の新球団が誕生しました。
2軍のウエスタン・リーグに参戦した「くふうハヤテベンチャーズ静岡」です。
選手もいない、スタッフもいない、ゼロから始まった激動の1年目のシーズンについて、球団運営を取りしきる池田省吾 球団社長に振り返ってもらいました。

「くふうハヤテベンチャーズ静岡」とは?
▼親会社は東京で金融業やベンチャー企業への投資事業などを手がける2005年創業の「ハヤテグループ」
▼「オイシックス新潟アルビレックスBC」とともに2024年シーズンからプロ野球2軍公式戦に参加
▼本拠地は静岡市清水区の「ちゅ~るスタジアム清水」
▼ウエスタン・リーグ 1年目のシーズン成績は28勝84敗8分で最下位

「ほぼ理想的な形で達成」

新しい世界に果敢に挑戦する思いや、静岡に愛される球団にしたいという願いが込められた「ベンチャーズ」というチーム名。
この球団運営を取りしきるのが池田省吾球団社長です。

くふうハヤテベンチャーズ静岡 池田省吾球団社長

かつて独立リーグの四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズの球団代表などを務めた経験から、くふうハヤテの球団社長に抜てきされました。
1年目のシーズンを終えた池田球団社長は、チームの運営に手応えを感じていました。

池田省吾 球団社長

短く、あっという間の1年でしたが、本当に難しく、そんな簡単ではなかったです。
でも、皆さんから応援してもらえたから乗り越えられました。
チームの当初の目標である“再生と育成”は、運良く、自分が思っていたほぼ理想的な形で達成できたかなと思います

“再生と育成”NPBに選手送り出す

池田社長が真っ先に挙げた成果は、くふうハヤテからNPB12球団に選手を送り込んだことです。
くふうハヤテに集まってくるのは、12球団から戦力外通告を受けた選手や、ドラフト会議の指名から漏れた選手たち。

元DeNA 倉本寿彦選手
元ソフトバンク・ロッテ 福田秀平選手
多くは20代前半の選手

そのため、再び力をつけてNPB12球団への復帰を目指す“再生”と、若手を育てて新たに入団を目指す“育成”をチームのテーマに掲げました。

元近鉄のセーブ王 赤堀元之監督が指揮をとる

そうした中、元オリックスの育成選手だった西濱勇星投手は、ウエスタン・リーグで今シーズン4勝を挙げ、シーズン中の9月にヤクルトに再び育成選手として移籍しました。

さらに、開幕投手を務め、若手選手による「フレッシュオールスターゲーム」にも出場した早川太貴投手は、10月のドラフト会議で阪神から育成3位で指名されました。

阪神から育成3位で指名 早川太貴投手(11月22日)
「ハヤテでやってきたことが間違っていなかったと証明したい」

まさに球団が掲げた“再生と育成”のテーマどおりの2つの方法で、NPB12球団へ2人の選手を送り出したのです。

池田省吾 球団社長

厳しい環境の中、NPBに選手を輩出していただいて、監督、コーチに感謝です。
NPBを経験した選手に来てもらった理由は、本当のプロの厳しさを教えてもらうこと。技術を見て、教えてもらって、若手が吸収し、成長していく過程を作りたかった。
それがうまくはまったと思う

球団経営の課題は

一方で、経営面での課題も浮き彫りになりました。

2軍球団の経営には年間で5億円から6億円程度が必要とされます。
1軍で観客からの入場料や試合の放映権料、グッズの売り上げなどで収入を得て、2軍の育成に生かすNPB12球団とは違って、くふうハヤテは2軍だけで採算を取らなければいけない厳しいビジネスモデルとなっています。

こうした中、収入の鍵となるのが、球団を応援してくれる企業、つまりスポンサーの獲得です。
池田社長は、球団スタッフの人数が限られる中、シーズン中は試合運営などの業務に追われ、営業活動にまわる時間が少なかったと振り返ります。

そのため、来シーズンはスポンサーの数を現在の15社から3倍以上の50社にすることを目標に、営業活動を強化することにしています。

池田省吾 球団社長

営業担当者も、シーズン中は人手が足りずに球場での設営などの仕事をお願いせざるをえなかった。
来シーズンは営業担当者はホームゲーム中でも営業に専念してもらうような体制を作っていく。
そうすれば、おのずとスポンサーは増えてくると思う。少なくとも倍増するように頑張りたい

勝って 地域に愛される球団に

9月29日のシーズン最終戦には、本拠地の「ちゅ~るスタジアム清水」に開幕戦よりも1.5倍近く多い2355人の観客が訪れました。
当初の目標であった1試合平均700人と、ホームゲームでの合計観客数5万人もクリアし、ファンが徐々に定着してきています。
池田社長は、シーズンを通じてチームが静岡県に浸透してきた確かな証拠だと自信を見せました。

池田省吾 球団社長

地道に活動して、ファンをさらに拡大しながら、野球に興味がない人にも来ていただけるようなコンテンツも球場で考えていきたいし、皆さんに楽しんでいただけるような球場にしたい。

静岡の皆さんは野球熱が高くて温かいなと思ったので、このチームは静岡に根付くことができるんじゃないかなと思うし、根付けるように頑張りたい

確かな1歩を踏み出した新球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」。
2シーズン目は、静岡の野球ファンをどのように盛り上げてくれるのか。
選手たちのプレーだけでなく、今後の球団経営の行方にも注目です。

  • 菅洋介

    静岡放送局 記者

    菅洋介

    平成28年入局。
    山口局、広島局を経て去年、静岡局に着任。
     “サッカー王国”に負けないくらい野球で静岡県が盛り上がって欲しいです。
    小中高はバスケ一筋でした。  

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