新谷 春乃
研究歴
カンボジア地域研究、特に政治分野と近現代史に関心を持ち研究してきました。カンボジアは独立以降度重なる体制転換経験しており、その都度自国の過去やそれと分かちがたく結びつくナショナリズムや政治思想が見直され、新体制の志向に沿った新たな歴史叙述やナショナリズムが模索されてきました。このような近現代カンボジアにおいて、人々がいかなる言論状況下に置かれていたのかという関心から、言説分析をベースとした歴史叙述や言論空間に関する実証研究に取り組んできました。
現在取り組んでいるテーマ
現在は、現代カンボジアのメディアと支配政党・人民党の統治の正統性に焦点を当てて研究をしています。メディアに関しては、1991年のパリ和平以降のカンボジアにおいて、メディアがカンボジア政治においていかなる役割を果たしてきたか、特にナショナリズム言説の観点から定量的・定性的方法を用いて実証研究に取り組んでいます。統治の正統性に関しては、近年カンボジアにおいて権威主義が強化されるなか、フン・セン首相を中心とした人民党政府が統治における正統性をどのように示しているのかという問題意識で研究に取り組んでいます。