「本当のことしか言わない『騎士』とウソしか言わない『奇人』」のパズル。スマリヤンの論理パズルで「ゲーデルの不完全性定理」を考えてみると
パズルの答えとゲーデルの思考
結局、スマリヤンのパズルの答えは、 「4 私はクラブIIの会員ではない」 ということになる。 で、このパズルがゲーデルの定理と同じパターンをもっているのである。 「[数学の世界]のすべての正しい命題を、(ちょうど上のパズルでの騎士のように)2つのグループに分けたとしよう。グループIには、正しいが証明することはできない命題が入り、グループIIには、正しく、証明もできるものが入る。 ゲーデルは『自分はグループIIに入っていない』と主張する命題を作ってみせたのである。結局、その命題は『このシステム内において私は証明不可能だ』と主張している」(13ページ) 騎士と奇人のパズルの答えを考えついた読者は、ゲーデルの思考パターンをなぞったことになる。なんとなく「わかった」気持ちに近づけたであろうか。
竹内 薫(サイエンス作家)