「どうしてだか、愛してしまったよ」
──────── 9月14日
「キンプリ神宮寺勇太舞台単独初主演」
この文字がでかでかと書かれた新聞が出た時、泣きながら心の底からおめでとうと思ったと同時に、「三島由紀夫作品?」と頭を抱えたのも覚えてる。
神くんの、ジャニーズ舞台ではない、
外部での、初めての主演舞台。
会える、というより、
「神宮寺勇太の演技が認められてきている」
ということが一番嬉しかった。
神くんの演技は人の心に入り込んでくる。
その演技を、三島由紀夫の作品で、難しい役柄で、演じるということが何より嬉しかった。
ずっとお芝居がしたいと、言い続けていた神くんが、
まさかこんな形で、座長として舞台に立つなんて、
夢にも思わなかった。
頭の中の95%を占めるのは仕事だ、とずっと言う神くんやけど、仕事とオフの切り替えははっきりしてる。
そんな神くんが、
「私生活が苦しいと思うくらい役にのまれてます」「今幸せじゃない」
って言ってるのを聞いて、神くんは今最大の敵と戦ってて、それほど辛く、難しい役を、2つ演じるんだ、と感じることができて。
こういう俗に言う、ネガティブな事、考えたとしても、神くんは絶対に言葉に発したりせずに、この壁が楽しいんですって言って、いっつもいっつも超えてくる人。
だけど、今回、ここまで言葉に発するという事はだいぶ追い詰められているんだな、と感じることができて。
ましてやKing & Princeのメンバーもいない、主演をはる舞台やから、余計にかな。
「毎日が怖いです」
「心配で夜も眠れない」
私の知ってる神宮寺勇太が、こういう言葉を公に発する事が、衝撃で。
でも、新しいものに挑んでいるからこそ、神くん自身も、新しくなっていってるのかななんて思ったりもして。
目を疑ったのが、
「寝ていたのに台詞を言いながら、目覚めたことがある」
それくらい、神くんの頭の中を渦巻いてて、苦しめられているんだなと。
寝てたのに、台詞言いながら起きるんやで?
神くんが若林光に、俊徳に、憑依する。
その憑依を、神くん自身が拒絶して、受け入れよう
としてる狭間やったんかな。
三島由紀夫が『近代能楽集』で描いた世界には、時空を超え、舞台という虚構の中だけで成立する美しさ、強さがある。
けれど、それはただの夢物語でも、息抜きの娯楽でもなく、誰もが身に覚えのある、生々しい感情や心の清濁を描いた“人間の関係”なのだ。
結局、初日を迎え、千秋楽に至るまで原作を読まずに舞台を観劇したけど、三島由紀夫が伝えたい世界が分からず悶々とした。
初日なんて、「神くん凄い……」って言う浅はかな感想しか出なかった。
最終、私が行き着いた三島由紀夫は、深層心理学的考えを持ってるのかなぁ、と。
人間の無意識の中にある、欲望とそれに対する葛藤を描いているのではないのかな。
だから、生々しい感情や心の清濁を描いた “ 人間の関係 ” なのかな。
『葵上』も『弱法師』も
「愛」を「嫌悪」として表現し、
「嫌悪」を「愛」として表現する
人間の欲と現実の狭間を描いた作品に思えた。
実際正解なんてわからんし、ないんやろうけど。
初日はこんなこと考えられなかった。
この考えになったのは、初日が終わって、キンプリちゃんの可愛いインライを見て(可愛かったな)、そのあと、読んだパンフレットの中に、神くんが三島由紀夫の価値観に触れたからこそ思う事ができたであろう、若林光と俊徳の概念。
原作も読んでないし、どんな役なのかさえわからなかった。その中でも、始まる前に発売された雑誌からわかったのは、
若林光は、妻がいるのに、かつての恋人の生霊に気持ちが揺らいでしまう人。
俊徳は、狂人。
こんな、ぼんやりとしたイメージしか抱く事が出来なかった。
この舞台が決まり、初日を迎えるまでに発売された数々の雑誌の中で、神くんは、
「理解できない」
「僕はなりたいと思わない」
と、ずっと言っていた。
でも、“ 理解できない ”人を演じるのには限界があって、理解してあげないと、その人になれない、というのもあって、すんごい苦しんだと思う。
苦しんだからこそ、こう、いつも言わないような言葉を発したんだな、と。
確かに、これだけやったら、神くんの言う通り、理解でけへんし、なりたいとも思わんよな。
私も思わない、本当の愛を嫌悪で示すんだよ。愛しているなら、その愛を等身大で伝えたいし、伝えてほしい。愛情の裏返しなんて言葉もあるけど、そうじゃない。愛しているはずなのに、嫌悪感でいっぱいなんだよ。嫌に決まってる。なりたくないよそりゃ。
だけど、神くんは、三島の価値観に触れた時、光さんにも、俊徳にも、何か感じたんだよ。
光さんと、俊徳の、奥底にある感情に気付いたから、その感情があるが故に、神くんは悪い男の光さんを演じるし、狂人である俊徳を演じる。
だから、神くんの演じる光さんと俊徳を、みんな愛してしまうんだよな。
この、光さんと俊徳の中にあるものを愛してしまうからこんな嫌な2人を愛してしまう。
神くんは三島由紀夫文学館に行って、三島の世界に触れ、三島の価値観に触れた。
そして、『葵上』の若林光、『弱法師』の俊徳どちらも、「毒を持っている」って言っている。
どんな “ 毒 ” なんだろう。
ここからネタバレ大いに含みます。台詞も綴っていますがあくまでも私の覚えている範囲内です。違う言葉回しあります。そして私自身の解釈でとらえた葵上と弱法師になります。ご了承くださいまし。
『葵上』
妻の葵の発病の知らせを、旅先で受け取った光さんが、葵の病室に来て、初めて言った言葉。
「よく眠っていますねぇ」
文面にしたら、普通に入院してる人に向かって言いそうやけど、これをまぁ~~~~、嫌味ったらしく言う。
妻のこと心配もせず、めんどくさそうに言うから、愛していないのかな?って。
「入院すれば、大したことはありませんって、入院すれば、大したことじゃありませんか、ねぇ?」と言う光さんに、何が言いたいのかわたしにはわからなかった。
何故そこまで嫌悪感を抱いて、妻である葵の入院を嫌そうにするのか。
葵が病気したから嫌、というわけではなく、世間から見て、入院することは大した事である、ということに対する嫌悪感に思えた。
わかんない。なぜここまで憎たらしいのか。
突然病室に鳴り響く電話の音から、三島の奇妙な世界観を表現するに、すごく看護婦が良い仕事をしてるなと思った。
言い方はそうやけど、比喩表現が絶妙に美しくも醜く、世界に引き込まれる。
看護婦がソワソワし出し、「あなたに魅力を感じたからじゃありません」とか、「性的コンプレックスを開放する」とか、「必要な時はお薬を処方する、セックスというお薬を」とか言うことで、男女の生々しい感情に入り込む隙を与えてるのかなあって思ったりもして。
これを言われた時の光さんのあの、意地の悪い、顔。
簡単に言えば、ニヤリ顔。堪らんよねぇ。
こんな嫌味ったらしい事を言う光さんが、欲望の赴くままであるかのような言葉を言われて、にやりとするんやもん。狡いなぁ光さん。
毎晩、見舞いに来る妙な人がいる、と、看護婦に聞かされた時に、「男ですか?そいつは」と声を張り、看護婦に聞いているところをみると、葵のこと愛してはいるのか、となって。
これも「嫌悪」で「愛」を表現する深層心理の一部なのかなぁと。
看護婦が、「“ その方 ”が見舞いに来ると、下がって休ませていただきますの、お側にいるとなんだか気が滅入ってしまいます」と言うから、きっとこれは、六条さんの放つ、欺瞞や憎しみからなんだろうなと思いつつ。
そして、車で六条さんが、飛ぶように病院の前に現れ、看護婦が病室を去り、病室の扉が開く。
六条さんが入ってきて、まあそれよと驚きを隠せない光さんやけど、これが、妻の葵を横目に、欲望と葛藤していく幕開けになっていって。
舞台が幕を開ける前、堤真一が葵上を演じたときのYouTubeを見て、横で葵が寝ているのに、六条さん、康子さんといたしてしまうのが、強烈で(強烈なんて言葉で収めていますが簡単に言えば神くんに置き換えて毎日死んでいましたはい)。
だから、神くんの光さんも、六条さんに惹き込まれていくんだなと想像はできたけど、あまりにも光さんが悪い男で苦しかったなあ。
六条さんが、光さんの手を取ったり、キスをしようとしたりする時、手を取られた光さんが、「氷のような手だ」と言い、「その手袋………」とポツリと言うと、「この手袋がお嫌いだったら脱ぎますわ」と、六条さんが手袋を取る。
この手袋になにかしらあるんだろうなと言う感じだったな、葵上は。
一家の主人だと、葵は僕の家内だと声を荒げる光さんが、六条さんに対抗するけど、六条さんにまんまとのせられていってる気がして、あそばれている感じがして………
「私は康子って言う名よ」「名前を呼ぶ義理はありません」
こんなこと言ってたのに、その後光さんが、六条さんに膝を抱かれ、「康子さん…」と呼ぶときにはもう、六条康子に惹き込まれていってしまってるんだなと思って。
六条さんに惹き込まれているであろう、湖のシーン。
光さんが、康子さんの目を優しい眼差しで見つめ出すから、うわぁ、ほんと狡い男、ってなったなぁ。
神くんが笑うと目尻にシワが寄るから余計、狡い男感が増すから、良くないよ光さん。
「僕はね、あの頃不安定で、ふらふらしていた。僕を閉じ込めてくれる檻が欲しかった。あなたは檻だった。もう一度僕が自由になりたいと思った時もあなたは檻だった。鎖だったんだ。」
という光さん。
康子さんと、恋人であった時の光さんの複雑な心情。
不安定な状態の光さんを、閉じ込めることが出来た康子さんがとてつもなく羨ましいと思うと同時に、それを幸せだと感じていたと言う康子さんを酷く恨んだりもした。
勿論、神くんが演じてるからと言うのもあるんだよ、そりゃそこに神宮寺勇太という物質的なものがいるからね。
どっちやねん、神くんなの?光さんなの?って。
でもまあ、こーゆーのもいいやんお芝居なんやから、私の気持ちを遊ばさせて。
今までと矛盾はしちゃうけど。
「今私は、あなたの右側にいるわ、あなたの心臓は私からは遠いんです、あなたの左側はもう見えないの」と言う康子さんに、光さんは笑いながら、「僕はもう気体になって蒸発しちまう他はないな」なんて言う。
康子さんは、かつて光さんを閉じ込めておくことに幸せを感じていたのに、今は、気体になって自分の周りを全部囲んで光さんでいっぱいになることを求めてる。
全方位光さんでいっぱいにされたらどうだろうな、羨ましいな。
なんかね、神くんが、気体になってまでこうはなってほしくない。
光さんだから私もそう思っちゃう。
またさっきと言うことと矛盾するけど、まあいいやん舞台って生き物やし。
なんでだろうな、ほんまにわかんない。
でも、これも光さんの” 毒 ”に侵されてるからなんだろうな。
康子さんだって、私だって。
光さんが康子さんの世界に惹き込まれてる中、「あなたと死ぬまで暮らせたら」と言う康子さんに、「死ぬまでなんて不正確なことは言わないもんです、明日何かの加減で僕らは死ぬかもしれない。例えば、ヨットが転覆して?」と冗談混じりで言う、光さんは、きっと、康子さんに心を許してしまっていて、完全にここで康子さんに入ってしまってるのかなって思って。
例えばの言い方が、ハッとしたように言う感じがすんごい好きだったな。
この時の光さんの狡い笑顔が頭の中にこびりついて離れないんだな。
さっきも言ったけど、神くんって笑ったら目尻にシワが寄るから(可愛い〜!(主の心の声が出てしまいました))、狡い、狡い癖して、愛おしそうにするんやから、もうだめだよね。
これが若林光の「人を苦しめる能力を持ってる」という“ 毒 ”でもあるんだろうな。
「そーら、転覆しますよ」と、椅子に乗って、ヨットがぐらつくフリを、笑いながらする光さん。
「ほら、ほら」と言うその声が、愛おしい人に対するような優しい声で…
東京初日、大阪公演初日、次の日、段々愛おしそうになってて、ほんまに神くん自身光さんになって康子さんに惹かれてる、そんなような気がしたんだよなぁ。
そして、その後愛おしそうに康子さんを後ろから抱く。
あぁ、葵が隣にいるのに、生霊に持っていかれてるよ、心が。
これが人間の奥にある欲望と葛藤の、欲望の部分なんだろうな。
なんかね、ホッとした顔をして、後ろから抱くの。
さっきまでの笑顔じゃなくて、鼻から息を抜いて、目の端がちょっと締まる感じ、わかるかな?
安心しきった顔で、康子さんを抱くの。
神くん、なにもかも表情で魅せてくるから、良くないんよ、凄いんよ。
演技じゃなくて、神宮寺勇太じゃなくて、若林光なんだもん。
でも、葵の苦しんでる声に、ハッとし、康子さんに「愛しているのは私」と言われても、「違う!」と言い放つ。
だけど、それが正解なのか、なんなのか……
それを言われて康子さんはいなくなる。
ただ、ここに、この病室に、康子さんの手袋があったからいけなかったのかな。
康子さんが来る所が見えた窓を見つめてから、
康子さんに急ぎで、電話をかける光さん。
ここで、さっきの康子さんが、生霊だったことに気付く。
さっき康子さんが取った、手袋がそばにある。
生霊の康子さんが、手袋を忘れてしまったと言って、持ってこさせる。
光さんが、手袋を手に取り、持っていく。
そのとき、葵を見るけど、何故か悔しそうに、名残惜しそうにしてて。
唇を噛むとか、そんなわかりやすい悔しさを表現してるんじゃなくて、葵さんを見つめてから、視線を下に落とすのが、妙にリアルで、本当に自分で支配できない奥底の欲と葛藤しているんだろうな。
悔しいけど康子さんから離れられないのかな光さんは。
そして、生霊に、物怪に、苦しめられて葵は亡くなるのかなと。
────────────────
神くんは、顔の表現が細やかなんだよ、やからその時、どんな心情になっているのか、が分かりやすい。
分かりやすいと言うか、本当にそう思ってるんだよ、きっと。
若林光に、なってるから。
『葵上』私は本当に解釈するのが難しくてわかんないんだけど、神くんもみぽりんも、理解しなくても良いし、難しいな、だけでもいい、記憶の淵に残ってくれれば、って言ってるからさ。これでいいかな、なんて。
『葵上』は、光さんの心情の変化を声と顔で感じる事ができる。愛おしいものが変わる対象が、そこで感じられる。
ただ、その愛おしさを、葵に対しては「嫌悪」で示しているように思えて。
だけど、康子さんに最後示しているのは「嫌悪」ではない、と私は思ったから、本当の「愛」じゃなく、人間の欲望に導かれてしまっているのかなと思ったりして。
実際は、どうなのかなんてわからないけど、『葵上』は、終始光さんは狡い男で、康子さんの言う通り、人を苦しめる男だった。
そりゃ「僕が人を苦しめる能力があるなんて知らなかった」なんて言うよ光さんは。
だけど、康子さんも、葵も、看護婦も、私も、この若林光という狡い男に苦しめられた。
見てもらったらわかるように私だって翻弄されてる、神くんと若林光の狭間で苦しんでる。
だけど、光さんに心を奪われてる。
若林光の“ 毒 ”に侵されてしまった。
神くんは『葵上』を善悪では判断できないって言うけど、確かにそうだなあって。
人間の奥にある欲望なんて、自分が支配してコントロール出来るわけでもない、ただ貪欲に、純粋に、そこにあるものなんだから、自分の思惑通りに動かすことなんてできないよなぁって。
善悪だけで判断するには、複雑すぎる、人間の心情やから。
若林光の“ 毒 ”は、感じにくい「愛」なんだろうな。
『葵上』 若林光
堤真一、宅間伸、藤原竜也
これを演じた数々の名優の名前の中に、
“ 神宮寺勇太 ”の名前が刻まれるんだね。
初め、この名前を見た時、
「ほんまにここに神くんが入るんか、この役を神くんがするんか」
なんてちょっと不安だったりしたけど、
神くんの演じる若林光を見て、そんなこと全く思わなくなったよ。
ここに並ぶことを本当に誇りに思う。
いつもいつも、新しい世界に連れて行ってくれてありがとうね、神くん。
『弱法師』
もーーーーーーーーーーね、ほんっとにしてやられてるんだわ、毎回毎回。
神宮寺勇太なんてどこにも居ないよ。
神宮寺勇太なんてどこにも感じないよ。
あれは俊徳だよ。
“ とてつもない孤独 ”を抱えたね。
弱法師を初めて見たとき、ただの狂人だと思っていた私を全力で殴りたくなった。これはただの狂人なんかじゃない。だけど、初めて見た時の感情がわかんないんだよな。
狂人は狂人なんやけど、みんなが思う狂人って
狂人=悪
やと思うねん。
でも、俊徳が完全に“ 悪 ”と言うわけではない。
でも、狂人なんだよ。
それしか結論分からなかったんやけどさ、初日は。終わってから、パンフレットを読んだの。んじゃ、神くんが、
俊徳は、「“ とてつもない孤独 ”を抱えている」って言ってたの。
あ、なるほど、そういうことか。
あぁ、こうして俊徳は愛されるんだ。
家庭裁判所の一室、二組の夫婦が揃う。
俊徳の5歳の時からの育ての親、川島と川島夫人。
俊徳の産みの親、高安と高安夫人。
川島は、俊徳が、戦火で目を
焼かれ物乞いをしてた所拾った、育ての親。
高安は、俊徳と戦火ではぐれてしまった、産みの親。
その親権を争うもの。
まず、川島と高安が親権を争う時点で、俊徳は、愛されてしまってるんだな。
だって、狂人なんだから、いらないじゃん。愛さないじゃん、普通は。
高安は、俊徳が狂人になっていることを知らないとしても、川島は狂人であることはわかってる。
なのに、狂人である俊徳の親権を、争うんやもん。
川島が、俊徳の現在の様子を話す。
受け入れられない、高安。
そりゃそうだ、15年会ってない、戦争で死んだと思ってた我が子が、“ 狂人 ”なんて言われるんやもん。
「あの子の目暗があの子を救い、私たちをも罪から救った」
川島の言う、私たちの罪は最後までわからなかったけど、俊徳を必要としているんだろうな、というのは感じることができた。
このまま川島が狂人の様子を語って、高安がキレるみたいなこと続けてたら埒があかんくなるから、調停院である桜間さん(中山美穂)がその場をなだめ、俊徳をついに部屋に連れてくる。
私まじでセンブロ全然入んなくて1回しか見てへんねんけど、センブロに入った時、俊徳がドアの奥から出てくる所見えるのね?
俊徳が、杖を持って、サングラスをかけて、斜め左後ろを向いて、立派な背広に身を包んで、“ ぽつん ” って立ってるの。“ ぽつん ”って。
なんか、そこがさ、神くんの言う、「孤独」がすんごい表現されてるなって思ったの。
2組の両親に会う前の孤独感?悲壮感?が溢れてた。
部屋に入る前の俊徳には。
いざ、部屋に入ってきた俊徳は、本当に俊徳だったんだよ。
本当に目暗なの。
神くん、サングラスの下でも、目開けてないし、目開けたとしても焦点が合ってない。
ってことは見えてない。
俊徳になってる。
怖かった。
だって、神宮寺勇太は目が見える人なんだよ、それを目が見えない人にならなきゃいけない、それを全力でやってる、演じてる、それになってる、神宮寺勇太じゃない、俊徳なの。
本当に見えない人にしか見えないの。
見える人が、見えなくしている。
と言うことは、自ずと恐怖という感情は絶対についてくるもので。だけど、その恐怖すら感じさせない。
だって、目が見えない人には当たり前だから。
神くんは、当たり前のように、自分が目暗の人間であるかのように、なりきってた。
そして、部屋に入ってきた俊徳は、桜間さんに手を引かれ椅子に座るんやけど、椅子の位置を確認するその動作が、本当に見えない人なの。
手で物を弄る感じが、なんで?ほんまに。
神宮寺勇太は視覚がある人、ない人になるなんて、想像を絶するはずなんよ。
15年会っていない、死んだと思っていた俊徳を目にした時、高安夫人が、「手に触ってごらん、顔に触ってごらん、そうしたら産みの母親とわかるから」と俊徳に触れる。
そしたら、俊徳は、顔を歪ませ、口を歪ませ、高安夫人が触れた自分の足を、汚れた物に触れられたかのように、手で払う。
普通に見たら、「は?」ってなる。だって産みの親が、15年の時を経てそこにいるんだよ。緊張とかはしたとしても、汚物に触れたかのように、手で払うんだよ。おかしいじゃん。
それで、叫ぶように泣いてしまう高安夫人。
桜間さんが、「俊徳さん、どうしました?お母様が泣いていらっしゃいますよ」と言う。
すると俊徳は、初めて言葉を発する。
「泣いたからどうしたんです。そんなの僕には見えやしません」って言う。
これも、捻くれてるんだよ。声が、言い方が。
「でも、あのお声は聞こえるわね?」と桜間さん。
「懐かしい声ですねぇ」と俊徳。
もーね、俊徳の声はね、ずっとずっと捻くれてるの。
この世の全てが、死んだ物のように腫れ物のように、思ってるんだねきっと。
懐かしいなんて言うから高安と高安夫人は、思い出したか?って嬉しくなるじゃん。
違うの、「人間の鳴き声が懐かしい」って言うの。
は?やん?
人間の鳴き声…………
「僕は久しく聞いたことがない、あれが人間らしい声とは言いますねぇ」って。
この声、この俊徳が言う人間らしい鳴き声も、俊徳の孤独に通ずるものがあるんだなって後から気付かされるんだよ。
「この世の終わりが来る時には、人は言葉を失って泣き叫ぶばかりなんだ。僕は一度聞いたことがある。」
俊徳の言う、この世の終わり。
そして一度聞いたことがある。
神くんが、俊徳は“ とてつもない孤独 ”を抱えていると言ったのを聞いて思ったんだよ。
この世の終わりが、俊徳を生かしてるんだと。
これは後々わかるんやけどさ。
高安たちは、15年ぶりに俊徳に会えたわけじゃん?こんな変なこと言われても実の子じゃん?だから、興奮して色々話すじゃん。
でも、それを「それまた喋る、言葉で何もかも台無しにしてしまう」とこれまた俊徳は、捻くれて言う。
きっとこの世の人間は、言葉なんて発したらいけない、それは俊徳にとって可笑しいものだから。
俊徳は人間じゃないし、透明体の中の光だし。
「ひどく暑いなぁ、まるで炉の中にいるようだ、火が輪踊りをしている、そうでしょ?桜間さん」
なんかね、俊徳が発する言葉には、常人には理解し難い比喩がある。
俊徳自身が、自分を人間だと思ってないからだと思う。
さっきも言ったように透明体の中の光だから。
確かに、暑いよ多分、夏だから。
だけど火が輪踊りをしているなんて思わないでしょ?
そうでしょ?と聞かれた桜間さんは、勿論視覚がある。
だから、「いいえ、夏だからですよ」と正直に言う。
正解なんよ、俊徳の周りに火なんてないし、夏だから暑い、ただそれだけ。
「それにあなたは紳士らしい服をめしていらっしゃる」と桜間さん。
その言葉に、川島と川島夫人がうんうんと頷いてるんだよ。
ここまできたらわかると思うんやけど、紳士らしい服なんてきっと思ってないんよ俊徳は。
ということは、狂人である俊徳の姿をずっと見てきているはずの川島と川島夫人は、紳士らしい服と言われ、それに同意するように頷いたりなんてしないはずでしょ?
だからきっと、俊徳のことを狂人だと心の底では思いたくない。
だけど、そう思わないと、俊徳に同意しないと、親でいられないから、俊徳に従っちゃう。
本当に愛したい欲望と、そうすることができない俊徳の狂気への葛藤。
ただ、川島と川島夫人は、葛藤の部分が大きく出てる、俊徳に対して。
だから、俊徳はあんなことを言うんだよ。
そう、戻るけど、俊徳は、紳士らしい服を召してるの。綺麗なスーツ、立派な背広を着てるの。
視覚のある私にはそう見えたし、きっとそこにいた桜間さんだって川島だって高安だってそう見えてる。
だけどまた、俊徳の厭わしい比喩が始まる。
「これが世間でいわゆるネクタイというやつ、Yシャツというやつ、背広と言うやつですね?言われるままに着ている着物でどんな格好をしているかよくわからない。これが世間でポケットというやつ、マッチ箱から溢れたマッチだの、小銭だの、当たらなかった宝くじだの、乗り換え切符だの、死んだハエだの、安全ピンだの、消しゴムのかけらだの、そういうものが袂草と一緒になっていつまでも滞っているヤクザな袋ですねぇ、それでいてこの全体が背広と言う安全無類の制服、毎日毎日の生活に忠実だと言う証文なんですね?」
確かに言わんとしてる事はわかる。
スーツに身を包む=毎日、忠実に、安心安全のために仕事に行く。
まあ、今じゃ、色んな概念があるから、これだけには止まらんと思うけど、まあ言わんとしてる事はわかるんよ。
たださ、こんなこんな言葉で出てくるかってゆー。もーね、きっと、俊徳は、視覚のある人間のことは綺麗なんて思わないんだろうな。
視覚のある私たちにとったら比喩に感じるだけであって、視覚のない目暗の俊徳にとっては、比喩ではなく、それが事実なのかもしれないし。
「しかしねぇ、桜間さん、僕にはそんな見かけはどうでもいいんですよ。僕にわかるのはこの首を絞める感覚と汗だらけのぴったりとした下着の感覚しかないんだから。僕には金の首枷と木綿の狭窄いが嵌められている。そうでしょ?僕は裸の囚人ですね?」
あ〜〜〜〜やっぱり、文じゃ伝わらない。
この、俊徳の狂気。
言い方、振る舞い、動き方、全てが気持ち悪い。
この私が!神くん大好きちゅきちゅき野郎の私が!神くんの事気持ち悪いって思うなんて!どうかしてるって思うやん?!
だって、神宮寺勇太おらんねんもん!!!!
何回も言うけどどこにもおらんねんもん!!!!
俊徳
なんやもん、まじでほんまに。
気持ち悪い。
こう言われて川島夫人が、「そうですとも、あなたは裸の囚人ですよ」と言う。
川島夫人は、すぐ俊徳に同意する。
そうしないと、きっといられないんだよ、俊徳の親で。
そして俊徳は「そうだ〜、いつもお母さんはいつも分かりがいい」と言う。
高安夫人は、「これが耐えられるでしょうか?あの子はまだ私のことを母と呼んではくれないんです。」と言う。
それに俊徳は「母親と呼ばれたかったら僕に同意しなくちゃいけません。僕は裸の囚人ですね?首枷を嵌められた。」なんて言う。
でも、高安夫人は「あなたが着ているのは立派な背広よ」と言う。
まあそーよ、だってどー見ても立派な背広だもん。
やのに、やっぱり、俊徳は、「ほらまるで視覚がありやしない!」なんて言う。
俊徳は自分の世界をそうであるかのように信じ切っている。
見えない世界をまるで、実際本当にそうであるかのように信じてる。
“ それ ”がないと生きていけないから。
“ それ ”がないと俊徳は死んでしまうから。
だから、みんなに同意を求める。
だけど、やっぱり視覚のある私たちにはその俊徳の“ それ ”は見えない訳で。
でも、俊徳に同意しちゃう。なんでだろう?
そのあと、川島にも、高安にも、同意を求め、「そうだ!お前は裸の囚人だ!」なんて言われ、高安夫人もついに同意する。
その後笑うの、笑うねん。俊徳が笑うねん。
気味の悪い高笑いをするねん。
初めてそれを見た時、聞いた時、目見開いたよな。
あまりにも衝撃で。
「これでやっと二組の両親が揃ったわけだ~!」って。
ただの高笑い?そんなんじゃない、人を嘲るかの様な高笑い、この世の物質が、俊徳という孤独の中生
き続ける光を、生きながらえさせる特別な餌でも見つけたかの様に、気持ち悪い高笑いをするの。
こんな感じなのよ、俊徳は。
狂人じゃん、だけど、“ 悪 ”ではなくない?
私たちには視覚がある、だから、狂人のように思える、可笑しいって。
俊徳にとっての当たり前は暗闇の世界、だから、普通なのかもしれないじゃん。
悪じゃないんだよきっと。
観劇する前、神くんが“ 狂人 ”を演じる、ということを知った時、神くんが狂人になるんだよ、絶対にメンタルやばいな、と思ってた。神くんに会うのがこれが初めてじゃなくてよかった。多分初めて会うのが狂人だったら、神くんじゃなさすぎて病むって思ってた。神宮寺勇太の狂人姿を見てしまう、普段とは全然違う神くんがいる、って思ってた。
DREAMBOYSの時は、チャンプのジンが、あまりにも神くんだったから、天国に行っちゃうのが、苦しくて苦しくて、辛かった。
だから、今回、狂人を演じる神くんを見るのは、酷だな、と思ってた。
だけど、どこにも神宮寺勇太がいないの。
いい意味で、辛くならんかったんよ。
だって、神くんじゃないから。
神宮寺勇太の身なりをしただけの、俊徳だから。
そう思えるくらい、神くんは俊徳になってたし、憑依してた。
俊徳が神くんを乗っ取ってた。
神宮寺勇太が俊徳を演じていたとしても、そこに神宮寺勇太と俊徳、2人いるわけじゃん、やけどいない。
俊徳しかいない。
「何が僕を納得させると思ってるんです?言葉ですか?目に見える何かですか?僕は目暗ですよ?手に触れる何かですか?手に触れるものと言ったらでこぼこだけだ。人間の顔、これもただのでこぼこだ。」
すかさずこれに、川島夫人は同意する。
「僕の中心から光が四方に放射している。それが見えますか?」
みんな、「見えますとも」なんて同意する。
私はまじでほんまに、見えん見えん!なんやそれ!光なんか出てるかいな!と思ってました。はい。(なんか廉ぽいなこのツッコミ(一回黙れ))
俊徳は笑いながら、「よろしい、あなた方に目が付いているのはひとえにこの為です!これを見る為です!」なんて言う。
よろしい、か。
俊徳は、自分で見えないものを、他人に見させようとしてる。
それが見えない、視覚のある人間の目は、潰れてしまえばいいんだ。
脱力しながら「あ〜、僕には形というものがない。こうして体を撫で回してみても顔を撫で回してみても、どこもただの、でこぼこなんだもの。これが僕の形でなんかありはしない。地球の至る所のでこぼこの、その続きのでこぼこに過ぎないんだ。僕には形はないけど…… 僕は光なんだ。透明体の中の光なんだ。」
これにも同意する、みんな同意する。
でも、私も同意しちゃう。あれ?なんでだろう。
光に見えない、ただ俊徳という人間にしか見えないのに、私もなんだか同意しちゃう。
こんなに自分がこうだと信じてる俊徳の圧にやられたの?
いや、違う。
なんかわからないけど、私も自分の意思で俊徳に同意しなきゃいけない気がしてきたんだな。
さっきまで見えん見えんとか思ってたくせに。
ここの、顔を撫で回してみても、の時、顔いじるんやけどさ?初めてみた時はいじる中で、神くんのお口とかが垣間見えたの。あのいつもの可愛いお口ね?
けど、大阪で見た時、もうただただ、でこぼこを弄る、気味の悪い顔だったのよ。
神くんの俊徳も、数をこなしていくうちに成長してた、より気持ち悪くなってた、ほんま凄いなぁ神くん。
「ひょっとすると僕は、もう星になっているかもしれないんです。」
「星ですともお前は」
「そう、何十光年も先の遠い星、自分の光の源がそんなに遠いところになければ、どうして僕はおちおちここに住み着いていることが出来るだろう?だって、この世はもう終わっているんだもの…」
「なんですって?」と高安夫人。
俊徳は、怒りに満ちたかの様に、「この世はもう終わっているんだから!わかりますか?あなたが幽霊でなければ、この世界が幽霊なんだ!この世界が幽霊でなければ、あなたが幽霊なんだ!」と言う。
この世は終わってしまっているから、何十光年も先の遠い星である俊徳は、今ここにいることができる、と信じてる。
この世が終わってなかったら、ただの俊徳という物質が地球にいることになってしまうから……だと思う。
「煙草をください。あんまり熱弁を振るったので、口の中に苔が生えちゃった。」
ここの台詞めっちゃ好きなんだな〜。
苔を生えた口を気持ち悪そうにくちゃくちゃしてる感じも、苔が生えちゃった(ぴえん)みたいな言い方も←良くないぞ表現
なんか愛おしくなっちゃって困った。俊徳やのに。神くんじゃないのに。
当たり前かのように俊徳に煙草を差し出す川島。
しかも色んな種類を用意してる。
ふーん………
「そうです。ぼくは地下鉄に乗ったり、デパートに買い物したりするのも平気だ。他人の日常生活をとやかく言うにはあたらない。ただ不幸な事に目開けには自分の日常生活の絵がまざまざと見え、僕にはそれが幸せにも見えないだけ。見えない方がマシですねぇ!それは恐ろしい顔をしているに決まっている。ぼくは平気だ!庭の草花に水をやったり、芝刈り機を動かしたりすることも、恐ろしいことを見ずにやれる。だって、もう終わってしまった世界に花が咲きだすのは恐ろしい事じゃないか!もう終わってしまった世界の土に水を注ぐのは!」
そうだね、確かに恐ろしい。
もうこの世は終わってしまっているのに、花を咲かせるために、土に水を注ぐのは恐ろしいね、確かにそうだ。
なんで?なんで?
俊徳に同意しちゃうなぁ。わたしも川島の様に同意しちゃうなぁ。
「あなた方は恐怖を意識していない!屍のように生きている!その上あなた方は卑怯者だ!虫ケラだ!」
そうだな、私も意識して生きていない。
俊徳が言う世界が終わってしまってるなら、この世界だって終わってるはず。
だってこの世界の中に俊徳がいるから。
でも、終わってしまった世界の中生きている私は何も恐怖を意識していない、普通にただ平凡に生きてる。
なんだー、なんでだー、虫ケラだーってなってくる。
高安夫人、俊徳の様子をまだ受け入れられてないけど、虫ケラになったらお母さんと呼んでくれる、となると、「私も虫ケラですよ!」となってしまう。
みんな、なんで、こんな愛してしまうの?
みんな、なんで、こんなに俊徳から離れられないの?
わかんないな、あーわかんない、私も戻れなくなってきた。
「私たちはみんな馬鹿で間抜けです!」
うわぁそうかもな、なんて。
さ、ここまできて、勝負が付かないことがわかった桜間さんが、両夫婦に別室に引き取るよう促し、俊徳と2人、膝を交えて話す事になった。
両夫婦が部屋から出ていく時、川島夫人が桜間さんを呼ぶ。
桜間さんに川島夫人は、「ご承知かと存じますが、あの子は危険ですよ。非常に危険です。あの子の持っている“ 毒 ”に気を付けないといけまけんよ。」と言う。
「それって……どういう?」と桜間さん。
「それは……経験からですわ。」と川島夫人。
意味深な笑みを浮かべて。
あーーーーーーー!!!!!
なるほど!!!!!
俊徳の毒だよ!!!!!!!!
そゆことだよ!!!!!!!
これが全部毒だよ、何故だか俊徳の世界に入り込んじゃう、愛しちゃう毒だよ!!!!!
「うまく追っ払ってやった」なんて笑いながら言う俊徳。
「養い親達は、あれはもう奴隷ですよ。生みの親達は救い難いばかだ!」
さっき、だからあんなことを言うんだね。って、言ったけど、そう、確かに川島と川島夫人は、全部俊徳に同意する。俊徳の欲望に忠実に動く。
そりゃ奴隷って言うよ。
「みんな僕をどうしようというんだろう。僕には形なんか何もないのに」って力がない様に言う俊徳。
それに対して、桜間さんはちゃんと応える。
「形が大切なんですよ。あなたの形はあなたのものじゃなくて世間のものなんですもの」
「僕にはあなたの形が見えない、あぁ、不公平だなぁ」なんて言う俊徳。
まあ視覚のある私からしたら、客観的なものは大事だ。だけど、俊徳からは、客観で物事を見ることなんてできない、主観しかない、主観の中生きていくしかない、そりゃ“ 孤独 ”か。
あれ???あれれれれれ????とここで私はなりました。不公平なの?って。
俊徳は、孤独の中に生きてる、この世の終わりで生きてるはずなのに、形が見えないことを不公平だと言う俊徳に違和感を覚えた。
不公平なんだ?って。
「すごい夕焼け」と桜間さんがぽつりと言う。
皆さんここからですよ、ここから俊徳の孤独がわかりますよ、暴かれますよ、俊徳を愛してしまう理由がわかりますよ!!!!!!!!!!!!!!
「僕にも見えますよ……あの真っ赤な空が!」と言う俊徳に、驚く桜間さん。
「あなた、見えるの?」と。
この時、俊徳はサングラスを取る。ずっとかけてたサングラスを。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
見た目は神くんやのに、神くんじゃないもん。
目が開いてるのに焦点が合ってないもん、見えてないもん。
誰も見えてない、目暗の人間がいる、俊徳がいる、そこに、俊徳がいる。
「見えるんですよ、あの真っ赤な空が!これだけが見えるんです!はっきりと!あなたは夕映えだと思ってるんでしょ?あれはね!この世の終わりの景色なんです!あれは夕陽じゃありません!僕は確かにこの世の終わりを見た!5つの時、戦争の最後の年に、僕の目を炎で焼いたその最後の炎までも見た!それ以来、いつも僕の目の前にはこの世の終わりの炎が燃え盛っているんです!僕もあなたの様に、この炎を入日の景色だと思おうとした、けどだめなんだ!僕が見たのは、確かにこの世界が火に包まれている姿なんだから!」
なるほど、なるほど。
俊徳にとって、この目が開いていた時の最後の景色である、目を焼いたこの炎が、この炎こそ、この世の終わりで、この世界の終わりなんだよ。
ここからの、俊徳の最後の景色を語るあの姿は語れない、語れないよ。
あれを表現できるのは、“ 俊徳 ”だけだよ。
俊徳は、この景色にずっと囚われている。
最後の景色、最後のこの景色にずっと囚われている。
戦争で、真っ赤に染まる空、どこもかしこも火でいっぱい、川に裸で死んでいる人、逃げ惑う人間の阿鼻叫喚、最後俊徳の周りを揶揄うかの様に飛んでいる、俊徳の目を焼く、その火。
この景色に囚われてる、ずっと。
そう、わかるでしょ?
俊徳は、“ この世の終わり ”というもので生きながらえてるの、この、この“ 最後の景色 ”で、“ この世の終わり ”で、生きてる。
そして、倒れる。目を焼かれた時の様に倒れる俊徳。
もうね、ここの長台詞は圧巻?あ、もっと台詞あるよ?言えないから、私じゃ表現できないから、とゆーか覚えられないわあれは。圧巻なんて言葉で収めていいのかな?うん、圧巻というかね、俊徳が、自らの孤独を語ってくれた、全身全霊で、って感じ?
なんじゃそりゃ!!!!うまく伝えられん!!!
ここの俊徳は!!!孤独なんだよ!!とにかく!!
戦争の最後の炎に包まれた孤独なんだよ!!!
(ちゃんと言えないからってキレるな)
ここの長台詞ね?
東京公演に私は11/8と11/9の夜公演入ったんだけど、この2公演とも尋常じゃないくらいの脂汗かいてたんだ。
ほんまに大丈夫?って心配になるくらいの脂汗かいてたの、でもね、大阪公演はかいてなかったんだよな。凄いよな。
きっと、神くん自身、俊徳の感情を受け入れられる様になったんだろうね。
倒れた俊徳に駆け寄る桜間さん。
「この世の終わりを見たね?!ね?見ただろ!?桜間さん!」と言う俊徳に、
「いいえ、見ないわ」と正直に言う桜間さん。
今までだったらさ、同意しなきゃいけなかったじゃん。
じゃないと、俊徳のそばに居れない、みたいなそんな感じだったじゃん。
でも、桜間さんは自分の視覚の世界を正直に俊徳に伝える。
「嘘だ!あっちへ行け!僕はそんな女は嫌いだ!嘘ばかりついている!」
「私はここに居ますよ」
「あっちへ行けと言ったろう!穢らわしい!穢らわしいと言ったのが聞こえないのか!」
「でも、私はここに居ますよ」
「なぜ!」
「あなたが、少し、好きになったから。」
ここ、桜間さんが、この台詞を言った時、全てが止まった。
全部止まった。
会場も、舞台上も全部止まった。
俊徳だって、動いてなかった。
そして、焦るかの様に顔を歪ませた俊徳が、
「君は、僕から奪おうとしているんだね?この世の終わりの景色を」
「そうですわ、それが私の役目です。」
「それがなくては、僕が生きていけない!それを承知で奪おうとするんだね?死んでもいいんだね?僕が」
「あなたはもう、死んでいたんです。」
そうだそうだ。
俊徳は、自分が孤独の中に生きてるから、死んでしまうなんて言うんだよ、桜間さんに“ 好き ”なんて言われて。
だから、神くんは、パンフレットで、俊徳は「“とてつもない孤独”を抱えている」なんて言ったんだよ。
その孤独は、舞台上では、きっと俊徳の
“ 最後の景色 ” “ この世の終わり ”
で表現されていて、それに縋って俊徳は生きてる。
その孤独がないと生きていけないんだ、俊徳は。
だけど、そこに踏み込んだ、桜間さんは。
俊徳に、「愛」を向けることで踏み込んだ。
だから、俊徳は、「死んでもいいんだね?」と言うんだろうな。
あーーーーーーー、羨ましい羨ましい羨ましい。
桜間さん!!!!!!
私も踏み込みたい、俊徳に愛を伝えたら、俊徳を俊徳の世界から殺せるんでしょ???
俊徳の孤独を壊すんでしょ???
私も殺したい!!!!
俊徳を殺したい!!!!
羨ましいなぁ、桜間さん。
私も踏み込みたいなぁ。
「君は嫌な女だ、本当に嫌な女だ」
「それでも私はここにいますよ、わたしをどこかへやりたいのなら、何かつまらないこの世の終わりや炎とはなんの関係もないちっぽけな頼み事をすればいいんだわ」
「君は行きたいの?」
「いいえ、ずっとあなたのそばにいたいわ」
「何かつまらない用事を頼んだらいいんだね?………手を貸して」
そうだね、俊徳、行って欲しくないよね、だから、ここに居る用事を頼むんでしょ?
この、手を貸しての前の合間、俊徳が口を歪ませる。
あ、違うよ?さっき言ってた、俊徳の歪ませるじゃないの。照れてるの、照れてる感じの歪ませ方なの、あれ?って。
もう、俊徳のこの世の終わりは破壊されてるじゃん。
俊徳は、死んでるじゃん。
あなたはもう、死んでしまってるよ!!!
「頼めばいいんだね?召使いに言うように!」
「お姉さんとおっしゃい」
「ふふ………… 僕、腹が、空いちゃった。」
「そうね、もうそんな時間だわ。」
「何でもいいや………すぐ!できるものを!」
「いいわ、任せておきなさい。」
ここさ、すぐ!を強調するの、あー、もう死んでるね、俊徳、完全に死んでるね。
もう、自ら、孤独から離れてるじゃん、その欲が出てるじゃん、じゃないとすぐ!なんて促さないでしょ?片時も離れたくないんでしょ桜間さんと。
「ここで大人しく待っているのよ?」
「………うん」
「待っていてね、すぐ帰るから」
「………うん」
「うん」が淋しそうだね、すごく淋しそう。
さっきまで、あんなにあんなに、孤独の中に生きてたのに。
もう、人の愛に群がってるよ。
すんごく淋しそう、哀しいね、何処かに行ってしまうね桜間さんが、淋しいね、淋しくて堪らない顔をしているね。
あ〜〜〜〜!!!!堪らん堪らん堪らん!!!!
もっと、愛に忠実にしがみつきなよ俊徳!!!
もう、どうせ、死んでしまってるんだから!!!!
「ねぇ!……… 僕ってね?どうしてだか、誰からも愛されるんだよ」
最後スポットライトが悲しく一点を照らしながら消えていく、俊徳の最後の表情を照らしながら消えていく。
俊徳が思っていたはずのこの世の終わりの孤独とは違う、ほんとうの私たちが知ってる孤独を表現しているかのように見えた、あの顔。
最後、俊徳は自分で自分が死んでいることを自白して終わる。
カーテンコール、やっと、やっとやっとやっとやっと、私の大好きな神くんが見れた!!!
毎回毎回、半端ない安堵で泣いちゃう。
あーーー神くんだ、って、いつもの神くんだ、大好きな神くんがいるー!って。
それくらい、若林光と俊徳は神くんじゃない。
凄いよ神くん。ほんまに凄いどころじゃない。
でもなんて言ったらいいかわかんないや。
だけど、これだけは言える。
いつもいつでも、神くんが見せてくれる景色は、本当に私にとったら勿体無いと思うくらい輝いてる。
その景色を見れて、ほんまにほんまに幸せ。
神宮寺担でいさせてくれてありがとう。
いつも、幸せをありがとう。
更新していく、新しい、神くんを見せてくれてありがとう。
その中でも変わらない神くんがある事も、もちろんわかってるし、それもちゃんと愛してるよ。
いつまで経っても変わらない神くんも、挑戦して新しくなっていく神くんも全部全部大好きだよ、ありがとう。
本当にね、座長神宮寺勇太が美し過ぎる。
カンパニーの真ん中に立つ、神くんがカッコ良過ぎる。
手を開き、会場を見渡し、微笑み、礼をする神くんが、カッコ良過ぎる。大好き過ぎる。
この瞬間を見るために生きてたと言っても過言じゃないくらい美しいよ。
三方礼をする神くん、私何でこんな幸せなんやろうか。
まじで、ほんまにほんまにほんまに幸せすぎる。
画面の向こうの人、舞台の人、その人のファン。
ただそれだけやのに、自分の全てを包むくらいの幸せに溢れさせてくれるいつも。
幸せすぎる、溢れる幸せを溢すのが勿体ないよ。
みぽりんの手を取り、エスコートする神くんは、もう一生語り継いでいきたい!
あそこで毎回大号泣してました。
もーーーーーー!!!!!!!無理!!!!!!
カッコ良すぎる!!!!!!大好き!!!!好きが止まりません!!!!!!!
あんな紳士な人いないよ、もう、あれほんまにみんなに見てほしいくらい!!!!!!
まじでほんまに世界的彼氏になっていっててウケる
まじで彼氏彼氏?彼氏とかじゃないよもう!!!😠😠カッコいい😭😭😭😭
大好きだーーー、やっぱ、神くんが大好きだー。
パンフレットでね、演出家の宮田慶子さんが、神宮寺さんを見たとき、近代能楽集を提案させていただいたと言ってて、神くんを見て!?と驚いた。
だって、こんな難しい、複雑な古典の、恐ろしくも美しい世界をジャニーズの外で舞台をしたことがない神くんに提案したんだよ?
宮田さんは神くんに何かを感じてこれを提案したんだと思う。
もう末恐ろしいな。神くんに提案した宮田さんだって、こう思わせた神くんだって、私には出来ないと一度断ったみぽりんだって。
宮田さんとみぽりんと神くんの3人の対談で、宮田さんがやっぱり眠れてないでしょ?って言ってて、こんなに三島文学に触れてきている宮田さんでさえ、こうまでいうこの作品を、試行錯誤しながら、ここまで演じてきてくれた、神くんはもちろん、みぽりんだって、他の演者さんだって本当に感謝してもしきれない。
私がみた、神宮寺勇太座長の、このカンパニーの、
『葵上』『弱法師』ー「近代能楽集」よりーは、
たぶん私の中で新しい価値観を開花させてくれたし、ずっと脳裏に焼き付く作品になると思う。
本当に本当に素晴らしい作品だった。
大千穐楽の挨拶。
「僕も初めて舞台にストレートプレイで出させていただくということで、とっても、不安な気持ちがたくさんあったんですが、ここの皆さんや見てくださっている皆さんに支えて頂いて、ここまでやってこれたなって思います。本当に…いろいろありましたよね?笑」ってみんなに確認しちゃう神くんが、いつもの神くんで可愛くて堪らなく愛おしかったな、いつもの神くんで会場を笑顔にさせちゃうんだもん。
不安な気持ちが大きかったんやろうねやっぱり、とってもって強調してたもん。ありがとうここまで歩んでくれて。
「これからもまた違う所で、皆さん別々の道に行くと思うんですが(会場笑い)、解散みたいになっちゃう(会場笑い)、お別れになっちゃうんですけど、僕はここで学んだことを忘れずにこれからも頑張っていきたいと思います。」
もーーー可愛い可愛い可愛い!!!
変なこと言ってんのに、カンパニーの皆さんの神くんを見つめる眼差しが本当に愛に満ち溢れてて、本当に素敵なカンパニーなんだなって思いました。
ここに来れなかった人にも、いつもSNSで応援してくれる人にも、スタッフの皆さんにも、共演者の皆さんにも、感謝を伝える神くんは、やっぱり、私の大好きな神くんで、やっぱり、私の大好きな神くんはいつもと変わらない、人への愛を忘れないから自然に愛される、そんな神くんだったな。
「本当に皆さんが応援してくれたから千秋楽まで頑張ってこれました。これからも、別々の道を歩いていきますが、解散じゃないんですけどね笑、ここで沢山の方から学んだことを忘れずにこの気持ちを胸にずっと持ったままこれからも頑張りたいと思います!皆さん本当にありがとうございました!」
もーーー泣きすぎて泣きすぎて、多分ゆーてたことはあってるんやけど、泣きすぎて泣きすぎてもうほんまにやばいのよここ笑笑
めちゃくちゃ泣いてんのに、神くんが意味わからんこと言うからもう泣いてんのか笑ってんのかよーわからんくて、もう!!!可愛い!!!
大好き!!!!!!
ありったけの拍手を贈ったよ。
新しい神宮寺勇太、見せてくれてありがとう。
『葵上』『弱法師』ー「近代能楽集」よりー
2021.11.08. ー 2021.12.05.
全32公演本当にお疲れ様でした。
もう一週間経ったんだなぁ
光さんに、俊徳に、会いたいなぁ
「どうしてだか、私も愛してしまったよ」