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<2024年Artist 100年間首位記念インタビュー>広がる活躍の場、それでも変わらないもの――2024年を駆け抜けたMrs. GREEN APPLE、自らを突き動かす想いを語る

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Text & Interview: Takuto Ueda

 2024年のビルボードジャパン年間チャートの結果が発表された。ソングとアルバムの両チャートを合算し、アーティスト単位で集計したアーティスト・チャート“Artist 100”では、Mrs. GREEN APPLEが初の首位を獲得。また、メンバーの大森元貴(Vo/Gt)は昨年から引き続き、作曲家チャート“Top Composers”と作詞家チャート“Top Lyricists”の2年連続2冠も達成した。

 今年は4月から新曲を5か月連続リリース。とりわけTVアニメ『忘却バッテリー』のオープニング・テーマ「ライラック」は、ストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”で18週連続首位をマークするなど、バンドの新たな代表曲として人気を集めた。また、2018年にリリースされた楽曲「青と夏」のロングヒットも驚異的で、8月14日公開のストリーミング・ソング・チャートではピーク更新となる週間最多再生回数を記録。大森自身もインタビューで「『青と夏』のアンサーソングみたいな感覚」で「ライラック」を制作したことを明かしており、深い関係性を持った2曲が牽引するようなかたちで、結成11年目を迎えたミセスはまだまだリスナー層を拡げ続けている。

 その一方で、神奈川・横浜アリーナでの対バン企画、約15万人を動員したスタジアムツアー【ゼンジン未到とヴェルトラウム ~銘銘編~】、そして10月から11月にかけて神奈川・Kアリーナ横浜で全10公演を行った定期公演【Mrs. GREEN APPLE on "Harmony"】など、ライブも精力的に開催。さまざまな舞台を経験し、メンバーそれぞれが一人のミュージシャンとして大きく成長した1年にもなった。

 最新のトピックとしては、12月20日公開の映画『聖☆おにいさん』のために書きおろした主題歌「ビターバカンス」の配信、そして2025年に迎えるメジャーデビュー10周年をマジカルな一年にするべく、2日間で合計10万人を動員する野外ライブやベストアルバム『10』の発売、初の韓国単独公演など、盛りだくさんのプランを発表したばかり。彼らはどんな想いを抱えて音楽と向き合い、この2024年を駆け抜けてきたのか、大森、若井滉斗(Gt)、藤澤涼架(Key)の3人に語ってもらった。

──Billboard JAPAN 2024年年間チャートでMrs. GREEN APPLEが“Artist 100”の首位を獲得しました。まずは率直な感想をお聞かせください。

藤澤涼架:とてもありがたいです。驚いて少し涙腺にきました。

若井滉斗:今年はたくさん曲をリリースしたので、それらがたくさんの方にきちんと届いているのが純粋にありがたいです。

大森元貴:僕は昨年、作詞家チャートと作曲家チャートで年間1位をいただいたからこそ、この1年間はとてもいい意味で自分が作るもの、自分たちが面白いと思えるものを信じて活動できました。その楽しかった年にこういった評価をいただけたのがうれしいです。

──楽曲の広がりのみならず、Mrs. GREEN APPLEというバンドの存在が浸透していった結果だと思います。そのあたりの手応えはどのように感じていますか?

大森:運動会や体育祭で曲が使われた話を人伝に聞くんですけど、そういうときに一番リアルに感じますね。普通に生活しているときはそれほど実感がないけど、そうやって誰かの日常に寄り添っている話を聞くと実感します。

若井:合唱曲で歌ってもらったりね。

藤澤:昨年末から今年にかけては、自分たちのツアーを回ったり、対バンライブをやったり、夏にはまたワンマンライブをやったり、ファンのみなさんと一緒に楽しむ機会が多かったので、世間の方々がそんなに知ってくださったのかと少し驚いたりもしますね。

──それこそライブに初めて来たお客さんも多かったのでは?

大森:たしかにステージから見ていて、年齢層が広がったなと思いました。例えばおばあちゃんがお孫さんと来ていたり。家族で安心して観に行けるライブができていることは、僕たちとしても自信につながりますね。

──精力的なライブ活動と楽曲リリースを重ねてきた2024年。総括するとしたらどんな1年だったと思いますか?

大森:楽しかったです。昨年は「初めまして」の気持ちが大きかったけど、今年はいろいろな期待をしてもらいましたし、取り巻く環境も変わっていくなかで、僕たちの変わらない関係性や楽曲作りのスタンスを再確認できたと思っていて。5か月連続リリースに向けて曲を作っていたけど、無理をした仕方でもまったくなくて、とても有意義で楽しかったと言える1年でした。

若井:本当にたくさんのことをして充実していたよね。

藤澤:今年はメンバーそれぞれの活躍する場が増えて、二人が頑張っている姿を見て、「かっこいい」とか「誇らしい」と感じる瞬間がたくさんありました。

──個人として成長できたと思う部分もありましたか?

若井:「ライラック」はギターのカバー動画がたくさん投稿されていて、ギタリストとして評価してもらえてると思える機会が増えたのは個人的にうれしかったです。

──前回、大森さんにインタビューしたとき、イントロのフレーズは若井さんが泣くような難易度が高いものにしたかったとおっしゃっていましたね。

若井:自分の部屋に帰るのが嫌いになりました(笑)。


──ライブ(【Mrs. GREEN APPLE on "Harmony"】)ではオリジナルのアレンジが加えられていて鳥肌が立ちました。

若井:お客さんの反応もよくてうれしかったです。

藤澤:5か月連続リリースに向けて、大森がすさまじいペースで作詞作曲を頑張っている姿を横目にしながら、自分たちもそのスピード感で演奏して、アレンジも入れながらライブを重ねていって。そうやって各自が責任をもって挑めるようになったのは、今年のミセスの成長だと思います。

大森:成長というか発見という点でいうと、僕は楽しいことはみんなで一緒に楽しんだほうがいいと考えるタイプなんですけど、曲を書くのは何のためでも誰のためでもなく、自分のためでしかないんだということにあらためて気づきました。たくさんの人たちに聴いてもらえるようになって、だからこそ責任は大きくなるけど、結局は自分がよいと感じたものしか出さないので、変なプレッシャーやストレスもなく、本当に自然に曲作りを楽しめていて。それを再確認できたのは個人的に成長だったと思います。背負っていないと言ったら嘘だけど、それでもナチュラルでいられた気がする。

──そうやって3人を突き動かす活動のモチベーションとして、ほかにも思い当たるものはありますか?

若井:メンバーの中でよく話しているのはライブですね。純粋に自分たちが楽しめることをする、それをお客さんにも楽しんでもらう、というのが大きなエネルギー、原動力になっているように感じます。

大森:【The White Lounge】は顕著でしたね。

藤澤:若井が言ったように、僕たち自身が面白い、新しいと感じたことをして、それを受け取ったみなさんが楽しんでくれている姿を見ると、さらにもっと更新していきたいと思うんですよ。個人的に大変なこと、つまずくこともたくさんあるけど、大森や若井がそれぞれ頑張っている姿を見てパワーをもらっています。

──メンバーは背中を預けられる仲間であり、切磋琢磨できるライバルでもある。

大森:やっぱりメンバーの存在は大きいです。Mrs. GREEN APPLEとしての、世間からの期待を背負っている感覚はいい意味であまりなくて。ただ二人と楽しく音楽をしているだけ。本当にそれに尽きますね。中学生の頃からずっと続けていることだし、僕らがMrs. GREEN APPLEである意味だと思います。

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