現行の健康保険証を廃止して、マイナ保険証に一本化する意義について、平将明デジタル大臣は、医療費抑制効果が「桁違い」だと強調する。
「桁違い」発言のあった10月2日の大臣就任会見は次の通り。(取材班が「桁違い」の根拠を追及した、11月8日の大臣会見のやりとりも詳報する)
◆デジタル化の不慣れ、実装で改善していく
記者 マイナ免許証は完全選択制ですが、保険証は選択制ではないということは非常に大きな矛盾だと思います。
免許証のような方法のほうが、デジタル化がむしろ進むのではないですか。
マイナ免許証 2025年3月24日から運用開始。免許の種類や有効期限などは券面には印字されず、マイナンバーカードのICチップに記録する。住所や氏名の変更手続きは自治体への届け出だけで済む。取得や更新の手数料も安くなる。マイナ免許証なら、新規取得は現行よりも500円安い1550円、更新は400円安い2100円になる。従来の免許証は現行よりも高くなり、新規取得で2350円、更新で2850円になる。両方を持つことも可能だ。
平大臣 デジタル化をしていく時には、不慣れによる不具合というのが出てくる。これは実装して回していく中で改善をされていくし、利用者の方も慣れていくということだろうと思います。
これは全てのDX(デジタルトランスフォーメーション)の現場で言えることだと思いますので、そういった観点でスケジュール通り進めさせていただきたいというふうに思っております。
また、デジタル化による利便性の向上もありますし、いわゆるデータで医療費全体を適正化していくということもあります。是非メリットの方にも目を向けていただければと思います。
◆免許証と保険証の対応の違いは「桁が違う」から
記者 マイナ免許証は選択制です。免許証のみか、マイナ免許証のみか、もしくは両方か、と3種類フレキシブルです。
なぜそのような対応を保険証でもできなかったのか、免許証との違いについて教えてください。
平大臣 まず是非ご理解いただきたいのは、医療にかかる社会保障全体の金額のボリューム感を是非頭に入れていただければと思います。
そこで、デジタル化するときに出てくるメリットもちょっと桁が違いますので、是非その辺はご理解いただきたいと思います。
◇
取材班は11月8日の大臣会見で、平大臣に「桁違い」の具体的な医療費抑制の効果額を尋ねた。大臣とのやりとりは次の通り。
取材班 マイナ保険証への一本化に伴う医療費の適正化に関連して、就任会見でデジタル化する時に出てくるメリットが桁が違うというご発言がありました。
40兆を超える医療費の中でも、デジタル化による削減が見込めるものと見込みづらいものもあるかと思います。
桁が違うというご発言の背景にある詳細を教えてください。どのような効果を念頭に、どの程度の適正価格を見込んでご発言されたのでしょうか。
また、政府として、マイナ保険証の一本化に伴う効果額の試算をしているのであれば、それもお示しください。
また、政府として、マイナ保険証の一本化に伴う効果額の試算をしているのであれば、それもお示しください。
◆「デジタル庁では、効果額の試算は今しておりません」
平大臣 まず2番目の質問から。デジタル庁では、効果額...
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