イスラム主義組織タリバンが支配するアフガニスタンで、看護師や助産師を目指して学んでいた女性たちが教育機関への登校を相次いで拒否された。タリバンは中学以上の女子教育を停止しているが、医療に関する教育だけは例外的に認められていた。「最後の希望」を奪われた女性たちの間に動揺が広がっている。
「『タリバンから追って通知があるまで、教室に来ることを許可しない』と教員に言われた」。首都カブールで学ぶ看護学生のハシーナ・ファイザンさん(21)は毎日新聞の取材に対し、3日に登校したときの様子を証言した。女性たちは泣きながら学校の外に出たという。
AFP通信はタリバン暫定政権の保健当局が2日、教育機関の代表らとの会合で女性に授業を受けさせないように指示したと報じた。最高指導者アクンザダ師による指示だとされるが、当局による書面での布告は確認されていない。
2021年に復権したタリバンは中等学校(日本の中学・高校に相当)の女子教育を停止し、その後大学に拡大した。しかし、アフガンでは男性の医療従事者が女性患者に対応するのは望ましくないとされるため、医療・看護の分野に限って女性の教育を認めてきた。ファイザンさんはカブール大学で心理学を専攻していたが、教育を受け続けるために看護を学び始めた。
「これが最後の希望で、今の学校に入った。将来、働いて生計を立てるために勉強しなければならなかった」と苦しい胸の内を語った。
女子教育を停止する理由として、タリバンは、…
この記事は有料記事です。
残り529文字(全文1154文字)
全ての有料記事が読み放題
あわせて読みたい
Recommended by