火山の民、火の一族、エンゴウの村への道中、俺達は魔物と戦闘を行う。
やはりレベル差的な強さで言えばそこまで高い感じはしない。それでも命を懸ける戦闘を慣らしていく必要があると感じた。
「火炎脚! 氷結衝!! 鎌鼬!!」
「灼熱斬り! 真空斬り!!」
「火炎斬り!! 石でもくらえ!!」
「メラミ! 全員下がって!! イオラ!!」
まぁ、なんと言うか……。
いくら何でもオーバーキルの様な気もするが、一瞬でも気を抜けばこちらの首が飛ぶ様な世界だ。
これくらいが丁度良い気がする。魔物を倒す度にお金が落ちている。1回の戦闘で3〜5体だとしても良くて1Bくらいだ。
それでも地方の山の中や田舎なら屋根付き飯なしで1人当たり1Bくらいて寝られる。
都会だと飯ありで10Gくらいは取られる。世の中お金。世知辛い世の中である。
それにしてもと思う事はある。この世界の袋はとても便利な道具袋である。
普通の布を結んだだけの袋とは違いバーンズ王が依頼してマリベルの父アミットが用意した通称・袋は容量が決まっているが中が魔法で広くなっているから剣とかも入る。
1つ当たり10万Gはするらしい。正直言って銀行から引き出した所持金よりも高いので俺は胴体にくくりつけて盗まれない様にしている。
熟練の魔法使いや僧侶みたいな魔力に精通した人にしか見分けが付かないくらいに普通なのが幸いだと思った。
そんなこんなで戦闘訓練が終わりエンゴウの村に辿り着いた。村人に話を聞くとやはり悪夢のお祭りが近々開催するらしい。
旅の一行として挨拶をするのを装って村長宅に案内されるが雰囲気はかなり悪い。
「っ!? お、おぉ! 旅の者達よ! ようこそ、エンゴウの村へ!! こんな山の奥地まで来てくれて感謝する!!」
そして、キーファを筆頭に俺達は挨拶を交わした。流石はグランエスタード王子だ。流れる様に情報を引き出している。
「んん? 私が難しい顔? ハハッ! いや〜お恥ずかしい……。エンゴウに昔からいる占い師が妙な事を言い出して困ってましてな……」
「妙な事、ですか?」
「あっ! いや、旅の方は気にしないで下さいって何やら井戸であったらしい……私はこれからそちらに向かいます」
村長と共に2階の窓から外を覗くと井戸の周囲に人だかりが出来ている。何かあった様子だ。
「僕達も着いていって良いですか?」
「勿論ですぞ。行きましょう」
そして、井戸に集まった村人の中には魔法使いの格好をしたお婆さんが何やら大声で訴えていた。
「今回の火送り祭は中止するべきじゃ! 火の神様の怒りを買うになる!!」
魔法使いのローブを纏った齢70を超えていそうな見た目の老婆が必死に大声で火送り祭の中止を叫んでいた。
「っ!? パミラ!! また、そんな不吉な事を言って村人達を不安にさせるなと何度言えば分かるのだ!!」
そんな老婆の行動に激怒した村長が声を荒げて辞めさせる。
「これは儂が見た占いじゃ!! 火送り祭を行えば必ずや火の神様の怒りを買い我々は火の海に飲み込まれる!!」
老婆の言葉に俺達は聞き捨てならない言葉を聞いた。火の神様の怒り、火の海など悪夢の光景と同じだった。
「そんな占いで止められるかっ……!! 第一、何故我々が火の神様に怒られるのか!?
火送り祭は火の神様に喜んで貰う為の催事だ! 耄碌して妄想でも見たのでは無いのか!? ババア!!」
「っ!? なんじゃとっ……!? 儂の予言にケチを付ける気か小僧! 第一、おぬしの父が火の一族を追放したからこの様な事になったのだろうがっ……!!」
「っ!? もう良い! こんな耄碌したババアの占いなんか当たる訳がない!
村長として宣言する! 今日から今年の火送り祭を開催する! みんなもその準備を行う為に解散してくれ!!」
プンスカと怒鳴りながら宣言をした村長に続く様に村人達もパミラと呼ばれば老婆を嘲笑して解散する。
嘲笑の的になった老婆事パミラは服を握り締めて悔しそうにしながら自身の店がある家に帰って行った。
そんな彼女を追う様に俺達は彼女の話を聞きに店に訪れた。