復活の間に戻った時は全員で視線を合わせた。あまりにも現実味が無い状況だったからだ。
「ね、ねぇ、アレって夢、よねっ……??」
「マリベル、アレが夢だと本当に思うのか?」
「……いや、アレが夢な訳ない。でも、それならっ……!?」
ゴッゴッゴッ! と揺れる地響きに全員が尻餅をついて耐え凌ぐ。
「い、今の何っ!?」
「結構な地震だったな……」
「っ!? もしかしたらっ……!?」
「恐らく、そうだろう……。全員、一旦城下町へ行こう」
そして、謎の神殿からルーラで城下町へ向かった。新たな島が発見されたらしい。
「きっとウッドパルナだわ!」
「僕達の船で確認に行こう!!」
「その前に親父達に連絡を入れるべきか?」
「それ、お前が聞くか?」
「ハハッ! だよな! みんな、行くぞーー!!」
そして、俺達は廃船を復活させた漁船に乗り込んでウッドパルナへ向かった。
ウッドパルナに着いたのだがそこはまるで様子が違っていた。
強盗にでもあってボロボロの建物や荒らされた田畑などはなく綺麗な街並みが広がった場所だった。
村人に聞くとかつて魔王の手先によって女達が連れ去られた時に旅の一行と英雄ハンクは村人達を連れて手先を倒して女達を解放した、と言う伝説が残っていた。
「この伝説って……!?」
「僕達、だよねっ……!?」
「俺達が伝説に残るって事は……?」
「つまり、纏めるとあの石板は封印された過去って事、だろうな……」
「そうかっ……!? つまり、魔王によって他の島もウッドパルナの様に封印されて石板にされたって事かっ……!?」
キーファの発言に自分達が過去へ向かい歴史を変えた事を知り驚いているとアルスが持つレーダーに反応があった。
「アレ? あの妖精から貰った石板レーダーが光っているよ?」
村中を探していると商人から緑の石板を貰い近くの森の中へ歩いて行った。
そこには英雄ウッドパルナとマチルダの立派な石碑とその隣に風化してしまった墓の様なモノがあった。
俺達が作った簡易的な墓が現代にも続いている確かな痕跡に全員がしんみりとした。
そして、カラーストーン炭鉱で赤い石板を手に入れてグランエスタード島へ向かう。事情を話す為だ。
「……つまり、王子達の話を纏めると復活の間にある石板はかつて魔王が他の島を封印したモノである、と……?」
「そう言うことになるだろう……。現にキーファ達がそれを解決したら新たな島が見つかる様になったのだから……」
バーンズ王や大臣達大人達から溜め息がこぼれ落ちる。まさか他の島が無いのはそう言う理由なのか思うとため息が出た。
「きっと俺達がその過去を変える使命があるんだ!」
「ダメだ! お前は王子! 今回は偶然なんとかなったが次はどうなるか分からん!!」
「じゃあ、親父達がやるのか? やれるのかよ!?」
「うぐっ……!? 痛い所を突きよる……!!」
バーンズ王や大臣はキーファの発言に対して苦虫を噛み潰した様な表情になる。
俺達が復活の間から過去のウッドパルナへ向かった後に増援として兵士長達も向かったが石板がうんともすんとも言わなかった。
復活の間の管理人を名乗る妖精に聞いても証有者がいないなら石板の使用は出来ないと答えられ、現状使用可能なのは俺達だけなのだ。
それに新たな島の出現に伴いバーンズ王や大臣もウッドパルナとの交流などもありそれどころではない。
その上で兵士長や魔法師長達も長い間王の側を離れるわけにも行かず、結局はキーファの言う通りなのだ。
そういう訳で崖に住む古文書を解読した変人な爺さんへ事情を話してお礼に行くと案内を受けて赤い石板を受け取る。
「ほれ、持っていきなさい」
「っ!? 爺さん達、これっ!?」
「儂等も昔はお主等と同じ夢を持ち同じ気持ちだった……。まぁ、先代の王に怒られてしまったがな……」
彼等は若い頃に俺達の様に疑問を持ちその解決に挑戦して挫折した者達だった、
だから、赤い石板もきっと何かの役にたつと思い持っていた。それが本当に役立った事でとても晴れやかな笑顔だった。
「儂等には成せない大きなことが起こるのだろう。証ある者達よ、世界の謎を解いて魔王の野望とやらを防いでくれ!」
「はい!」
「勿論よ!」
「任せろ!」
「必ず、防いで見せる!!」
「良い良い! さぁ、行け! 若者達よ!!」
崖に住む変人な爺さんだと思っていた面々もここまで気の良い爺さんだとは思わず、煽りを受けて復活の間へ来てしまった。
本当はアルスとかマリベル、アレンは家族に挨拶するつもりだったが手に持つ石板を入れると赤い石板が光る。
そして、ウッドパルナ同様に旅の扉に吸い込まれると同時にある夢を見せられた。
それは、何かの儀式かお祭りで若い女が火山に火を入れた時に噴火してしまう悪夢。
まるで俺達にこれを止めろ。この悪夢を止めろと言わんばかりに見せられる夢を見た後に過去の世界へ辿り着いた。
今度はウッドパルナとは違って旅の扉付きである。もしかしたら何かの用事で往復する予定があるのかも?
俺にはもうそこまでの異世界転生者としての記憶は無いから素直にびっくりして固まった。