エデンの来訪者   作:火取閃光

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第8話

 グランエスタード王家が始まっても開かずの扉だった謎の神殿の扉が開いた事はバーンズ王のみならず大臣も驚愕した。

 

 結局は妃の指輪は関係無く選ばれし者の熱い勇気や情熱を石像へ注ぎ込む事が鍵だったらしい。

 

 亡き王妃の遺品を借りる為に開かれた武術大会だったが無駄な苦労と言うわけではなくそれによって思いの純度が高まったと考える事にした。

 

 また、俺達も復活の間の管理人と名乗る不思議で透明な妖精? らしき人物から課題を出されて剣や兜などをそれぞれ収めた。

 

 そうすると透明だった妖精? がハッキリと顕になりその先の開かずの間へ向かう。

 

 どうやら復活の間を使うにはそれ専用の石板が必要らしい。俺が幼少の時に探したけど見当たらなかった石板はどうやら近くにあるらしい。

 

「オイラの直感だと、そうだな……魚が多くある所にあると思うぞ」

 

 魚が沢山ある場所なんてフィッシュベルしかない。しかも、剣術大会から数日後に漁へ行った漁船が帰ってくるのが今日だ。急いで戻る。

 

「ん? 変わった形の石板……? あ! あぁ!! そう言えばそんなのが網に引っかかっていたな……?」

 

 俺達はそれを貰い復活の間へ向かう。念の為にと戦闘準備だけは欠かさずにしたお陰で過去へ飛ばされてもスライム戦はなんとかなった。

 

「あ、あれって魔物よね……?? どうして魔物がいるのよっ……!?」

 

「分からないよ! そんなの!!」

 

「確かにな……。アレン、お前はどう思う?」

 

「普通に考えればあの石板は特定の条件で発動するルーラ系統だと思う。マリベルはどう思った?」

 

 空が異常な色をしている。天候が良ければ青色で、どれだけ曇っていたとしても紫色にはならないだろうと思いながら質問した。

 

「どう思ったって……!! ふぅー。そうね……私もそれには賛成よ。でも、私のルーラは掻き消された様に使えないわ」

 

 マリベルは一息吐いて冷静さを取り戻す。魔法師長から最初に学んだ冷静な心を取り戻した。

 

「俺も同様。つまり、この空間は今、他の島が消された原因の力によって掻き消されたと考えるべきだ」

 

「っ!? つまり、俺達石板によって何処かへワープ強制されたって事かっ……!?」

 

「あっ! そう言えば、僕達がここへワープする時に石板が揃った形の模様がまるで何処かの島の様な形だったよ!」

 

「本当か!? でかした、アルス!!」

 

「纏めるとここは消された世界の何処かの島。結界か何か特別な力でルーラが使えず帰れない。

 

 帰る為にはその結界か何か特別な力が消える様にする必要があるっと言う認識でみんなは良い?」

 

 全員、異議なしと答える様に静かに頷く。

 

 そして、モンスターに襲われまいと慎重に森の中を進むとマチルダと言う女戦士に会いウッドパルナまで案内されると彼女は消える。

 

 まるで幽霊みたいだと不思議に思っていたがこのウッドパルナと言う村は何処かおかしい。

 

 建物が荒らされて強盗が入った様子があり、精気がないと言うか凄く落ち込んでいる。

 

「なんか辛気臭い村ねぇ」

 

「そう言うのは口に出すなって言いたいけど、それな……」

 

「みんな元気ない……」

 

「と言うか、女性陣をみていないのは俺の気のせいか……??」

 

「全くっ!? キーファったらスケベ!」

 

「いや、キーファの言う通りかもしれないぞ? 俺も見てない。アルスは?」

 

「うん、僕も見ていない」

 

 そして、話を聞くとやはりこの村に女性は居ないらしい。モンスター達に連れ去られてしまった様だ。

 

 そして、俺達は村の奥にある連れ去られた女性陣を救うべく1人立ち向かった男が住む家に向かうと少年がいた。

 

 事情を聞くと少年は立ち向かった男の息子らしい。彼は怪我をしてしまい治すにはカラーストーン炭鉱のグリーンストーンが必要らしい。

 

 念の為に俺とマリベルでベホマをかけるが呪いなのか? それとも特別な力によるモノなのか? その男にはあまり効果がなかった。

 

「お兄ちゃん達、魔法が使えるの!?」

 

「あぁ……」

 

「だけど、ごめんね。お父さんにはあまり効果が無いみたい……」

 

「っ!? そっか……」

 

 少年が落ちこむがそれは俺とマリベルも同じだった。

 

 ベホマ自体は使えるのだが苦しんでいる男を癒している感じがまるでしない。試しに指を切って自身で試すが阻害感無く効果はあった。

 

「こりゃ、意地でもカラーストーン炭鉱へ行けって事かな……?」

 

「そうじゃないの? じゃなきゃ私達のベホマが効かないってあり得ないわ……」

 

 悩んでも仕方ないと思いカラーストーン炭鉱へ向かうもそこにはいつの間にか消えたマチルダがいた。

 

「貴方達はっ……!? ここは危険です! 早く立ち去って下さいっ……!!」

 

「そうも言ってられません」

 

「少年と約束したんです」

 

「グリーンストーンを見つけて父親を治すって」

 

「だから、僕達は引く事は出来ません」

 

「ふぅー。なら私もついて行きましょう。私もウッドパルナ出身です。カラーストーン炭鉱は何度も訪れたことがあります。道案内くらいにはなるでしょう……」

 

 そして、マチルダを加えてグリーンストーン探しに炭鉱を歩いた。

 

 途中、モンスターが彷徨いていたがそれぞれが実戦関連と思って動き何度か練習した。

 

 そして、パズルめいた炭鉱の奥にある大きな緑色のカラーストーンが治癒を施す石らしい。

 

「このままでは持って行けません。私が切りましょう」

 

 マチルダが鋭い剣戟で緑色のカラーストーンを分断する。

 

 その鮮やかな剣捌きに俺やキーファ、アルスなど剣術を齧った者なら見事と言わざるを得ない感想を抱いた。

 

「これくらいあれば少年の父の怪我も癒えるでしょう。私は少し用事を思い出しました。ここでお別れです」

 

「えぇー!! そんな……」

 

「ふふ。それとこれを」

 

「この人形は?」

 

「私が幼き日に兄が作ってくれた物です。不恰好ですが少年に渡してください。要らなければ捨てても良いと」

 

 そして、彼女は何処かへ消える様に離脱した。

 

 俺は個人的に気になったからグリーンストーンの欠片を拾った。

 

「もう欠片はあるわよ?」

 

「興味本位さ。ベホマでも癒せないのに回復出来る石なんて貴重だろ?」

 

「貧乏臭いわよ?」

 

「俺、孤児だし」

 

 減らず愚痴を叩く俺達をアルスとキーファはほっておいて炭鉱を出る。魔法使いの同門同士、よくある光景にその内治ると思ったからだ。

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