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G7、石炭火力発電の段階的廃止期限巡り対立-札幌エネ会合控え

  • 廃止完了を2030年とする英国案にEUと日米が難色-共同声明草案
  • 日本は昨年のG7サミットのコミュニケ文言再確認を提案

今週末に札幌で開かれる主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合を前に、石炭火力発電の段階的廃止期限を巡りG7の見解が分かれている。

  11日の交渉再開前に配布され、ブルームバーグが確認した共同声明草案により、排出削減対策がとられていない国内石炭火力発電の段階的廃止完了を2030年とする英国案に欧州連合(EU)と日米が難色を示したことが分かった。

  フランスから支持を得ている英国案は、現在検討中の新規の石炭火力発電プロジェクト計画についても中止すべきだとしている。従って同案が通れば、G7各国は国内の新規石炭火力発電所の建設終了に加え、パートナー国と共に世界各地の同様のプロジェクトの終了に向けた協力にコミットすることになる。

  ドイツは排出削減対策のない国内石炭火力発電の段階的廃止期限の文言を「理想的には30年まで」ないし「30年代」とする代替案を提示。一方、議長国の日本は昨年のG7サミットで採択されたコミュニケの文言である「35年までに電力部門の全部または大部分を脱炭素化すること」の再確認を提案している。

  EUの行政執行機関である欧州委員会に欧州の祝日にコメントを求めたがこれまでに返答はない。経済産業省にも開庁時間外に問い合わせたが返答はなかった。米国務省はコメントを控えた。

  英シンクタンクE3Gのシニアアソシエート、オールデン・マイアー氏は15、16日に開かれるG7気候相会合のコミュニケが、先進国の気候変動対策の取り組みに不満を持つ国からの攻撃材料になる恐れがあると指摘。

  G7が「化石燃料ファイナンスや道路輸送、排出削減対策のない石炭に関して例外を設け始めると必ず、『偉そうな事を言っても自国では実行していないではないか』と反論する口実を他の国に与えることになる」とし、「ドイツと英国で開催された過去2回のサミットを踏まえてさらに前進を図るべきだが、一部の分野では後退はないとしても少なくとも停滞する恐れがある」と分析した。

  3月末に1週間にわたりオンライン会合を持った交渉担当者らは、水素・アンモニア発電を推奨する文言を後押しする日本の主張を巡り、なお議論を続けている。一部の国は支持の条件として、水素・アンモニアの活用が他の気候・脱炭素化目標と矛盾しないようにすべきであり、発電の際に排出される窒素酸化物汚染が抑制される場合のみとすることを求めている。

  また日本はロシアのウクライナ侵攻が続く中、手頃な価格のエネルギー確保の「不足分を補う」ため天然ガスと液化天然ガス(LNG)への投資を支持する文言を求めてきた。ただ一部の国は反発しており、米国は「天然ガスを購入する財政的余裕があり、ネットゼロへのシフトにコミットしている国」のみが天然ガスを移行期のエネルギー源として活用すべきだという注記を付けるべきだと主張している。

原題:G-7 Nations Tussle Over Bid to Phase Out Coal Power by 2030(抜粋)

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