“弱者の味方”だった「大空幸星氏」に自民党から立候補した理由を直撃 「野党は何もしてくれなかった」【激戦東京15区ルポ】

AERA dot.10/16(水)17:15

東京15区から立候補した大空幸星氏(撮影/上田耕司)

 10月15日に公示された衆議院総選挙。27日の投開票日まで12日間にわたる選挙戦がスタートしたが、注目選挙区では早くも各陣営が積極的に動き始めた。東京15区(江東区)もそのひとつ。前回の補選では、共産党の支援も得て立憲民主党の酒井菜摘氏が大差をつけて当選したが、今回は混戦になりそうだ。前回2位だった須藤元気氏、3位の金澤結衣氏も再び立候補した上、共産党も独自候補を立てた。台風と目となるのは、前回独自候補を立てられなかった自民党候補。Z世代で知名度のある25歳の大空幸星(こうき)氏が立候補したことで、状況が一変した。候補者たちの動きを追った。

*  *  *

「選挙スタッフは全員20代で、彼(大空氏)の友人ばかりです。今までの自民党とは違い、しがらみも全くありません」

  自民党から立候補した大空幸星氏の陣営スタッフはこう話す。

 陣営のカラーは「赤」。スタッフもみんな赤いジャケットを着用している。記者が「最初は共産党かと思いました」と感想を言うと、「共産党の赤よりはうちはもうちょっと明るい赤で、少し違うんです。大空は赤がトレードカラーですし、(選挙でも)赤がいいというのでこの色に決まりました」(スタッフ)と説明した。

 大空氏は実業家で、NPO法人「あなたのいばしょ」の理事長も務める。若者を中心に、社会で孤独を抱える人や孤立する人を支援する活動をしてきた。情報番組や討論番組への出演も多く、Z世代の論客として知名度も高い。

  大空氏は街頭演説で、「20代の国会議員、何人いると思いますか。今、一人もいないんです。20代の国会議員が一人くらいいてもいいんじゃないでしょうか」と若さをアピールする。だが、一部の有権者から疑問視されているのが「なぜ自民党から出馬したのか」という点。大空氏が訴える福祉政策は野党の主張と重なる部分が多く、保守的な色合いが強い自民党とは相いれないのではないかという疑問だ。SNSでは「結局、自民党から出た方が得だと思ったんだろう」など批判の声も上がった。

東京15区立候補者のポスター掲示板(撮影/上田耕司)

■「困った人に手を差し伸べるのが真の保守」

 演説を終えた大空氏を直撃すると、自民党には「公募で選ばれた」としたうえで、自民党から立候補した理由をこう話した。

「野党と一緒に孤独対策をやってきても一緒に仕事ができなかった、つまり、何もやってくれなかったんですよ。むしろ、孤独対策をやったのは自民党なんです。本来なら、リベラルな政党がやらなきゃいけない政策も、野党は全然やらない。僕は本当にそこで野党に失望しました。自民党じゃないとできないと思いました。困った人に手を差し伸べるのが真の保守政治だと思います」

  前回の補選で2位となったのは、元格闘家で立憲民主党の元参院議員だった須藤元気氏(46)。須藤氏の実家は地元で居酒屋を経営しており、「候補者の中で唯一、生まれも育ちも江東区」をキャッチフレーズに、地元の強みを生かした選挙戦で今回は当選を狙う。須藤氏はビラまきをしながらこう話した。

「補選が終わってからも休まずにずっと地元の人とコミュニケーションを取ってきました。やるべきことをやってきています。あとはベストを尽くすだけ。体力勝負で元気にがんばります」

 半年前の補選では、自転車と体に電飾をつけ、それをピカピカと光らせながら選挙区をまわったことが話題となった。電飾については「今回もやります」(須藤氏)と笑って答えた。

 前回3位は、日本維新の会から立候補した金澤結衣氏(33)。だが今回、金澤氏は9月12日付けで維新に離党届を提出し、今回は無所属での挑戦となる。公示日の15日午前、選挙事務所へ行くと、前回補選と同じ場所に維新時代の「東京第15区支部長」という看板がまだ飾られていた。

 金澤氏に維新の支援はまったく受けないのか聞くと、「もちろんです。無所属ですから。離党しています」と答えた。政党の色がなくなったことで、無党派層にどこまで支持が広がるかが鍵となりそうだ。

 この他、15区からは前回当選した立憲の酒井菜摘氏、共産党の小堤東氏らが立候補した。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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