先月27日に57歳で息をひきとった女優の坂口良子さんを襲った病魔は、横行結腸がん(大腸がん)による肺炎だった。昨年8月、10年越しの交際を実らせて結婚したプロゴルファーの尾崎健夫(59)は同12月以降の仕事を減らして献身的に妻の看護をしていたという。どんな病状だったのか。
横行結腸がんは、現在国内の女性の死因第1位になっている大腸がんのひとつ。大腸は、盲腸から上に向かう部分を上行結腸、次に横に向かう部分を横行結腸、下に向かう部分を下行結腸、さらにS状結腸、直腸、肛門と名称が分かれている。
坂口さんは先月12日付の自身のブログで、「昨年、腸閉塞を患い、それとほぼ同時期にインフルエンザから肺炎になってしまったりと、体調を少し崩しておりました」と発表。関係者によると、腸を1メートル切除する手術を受けていたという。
実際は横行結腸に大腸がんが生じ、闘病生活を送っていたようだ。
この病気について、大腸がん治療のスペシャリスト・東邦大学医療センター大橋病院外科の斉田芳久教授が説明する。
「横行結腸や直腸がんに関わらず、大腸がんのおよそ1割は、がんによって腸が塞がる腸閉塞を引き起こします。自覚症状がなく突然腸閉塞を起こし、激しい腹痛や吐き気に見舞われることは珍しくありません。ただし、この段階でも手術による治療が可能です。肝臓や肺に遠隔転移している場合は、手術は不適応となり、抗がん剤などの化学療法の治療を行うのが一般的といえます」
大腸がんの化学療法では、がんを狙い撃ちにする分子標的薬が登場し、かつては半年程度だった生命予後も、2~3年延命することが可能になっていると言う。
坂口さんがどのような治療を受けていたかは詳しく分からないが、週刊誌上の「10キロ以上痩せていた」という目撃証言から、化学療法の影響も考えられる。大腸がんは、肺炎にも結び付きやすいという。
「腸閉塞になると吐き気も起こり、吐いたものが気道から肺に入って炎症を起こす『誤嚥(ごえん)性肺炎』を起こしやすくなります。また、がんになると免疫力そのものが低下するため、インフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなる。遠隔転移で肺にもがんが生じていればなおさらです」(斉田教授)
国内の大腸がん患者は、食の欧米化などにより増加中だ。早期に発見して治療を受ければ、大腸がんの予後は比較的良いとされている。しかし、肺や肝臓などに大腸がんが飛び散ってしまうと、治療は難しく生命の危機につながってしまうという。
坂口さんをよく知る芸能関係者が明かす。
「おそらくご本人は、病状を知っていて娘さんの坂口杏里(22)をバラエティー番組などで懸命に売り込み、母親としてできるだけのことをされたのでしょう。当初は結婚の形式にこだわらない大人同士のパートナーだった尾崎さんと入籍したのも、残された子供のことを考えてのことだったのではないでしょうか」
悲しすぎるが、女優としても母親としても立派な生涯だった。
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