見出し画像

人文学の大衆化、女性化、文化政治化と日本

高学歴層の文化左派の台頭

1955年(昭和30年)7月17日、日本の左派文化人により国民労働者大衆と国民文化人を結ぶ「国民文化会議」が発足した。

画像

1957年(昭和32年)12月、ランドゥンで、労働者階級出身の白人の39歳のリチャードゥ・ホガートゥ(Richard Hoggart、1918年9月24日~2014年4月10日)著『読み書き能力の効用労働者階級の暮らしの諸相、特に出版物と娯楽に関して』The Uses of Literacy: Aspects of Working-Class Life with special reference to publications and entertainments(Chatto & Windus)が刊行された。

1958年(昭和33年)9月、ランドゥンで、白人のマークス主義者の36歳のレイモンドゥ・ウィリアムス(Raymond Williams、1921年8月31日~1988年1月26日)著『文化と社会 1780~1950』Culture And Society 1780-1950(Chatto & Windus)が刊行された。

1964年(昭和39年)の春、ジャマイカ出身の黒人のマークス主義者の32歳のステュアートゥ・ホール(Stuart Hall、1932年2月3日~2014年2月10日)と45歳のリチャードゥ・ホガートゥが、バーミンガム総合大学(University of Birmingham)に同時代文化研究所(The Centre for Contemporary Cultural Studies、CCCS)を開設した。

これ以後、文芸的比喩や想像力や読み書き能力を重視する人文系学部の大学生、大学院生の増加に伴い、低俗文化を含むあらゆる少数派文化の専門研究が学位の対象とななっていった。

1968年(昭和43年)12月5日、京都で、ウィリアムズ著、若松繁信(1930年~?)、長谷川光昭(1935年~)訳『文化と社会 1780~1950』(ミネルヴァ書房、1,500円)が刊行された。

1971年(昭和46年)10月4日、東京・池袋に、地下1階、地上9階の芳林堂ビルが完成し、地下1階~6階が芳林堂書店池袋本店の店舗になった。
地下1階は児童書、学習参考書、1階は一般書、文芸書、2階は新書、文庫、実用書、3階はビジネス書、法律経済書、4階は人文書、社会科学書、5階は理工系専門書、自然科学書売り場だった。
7階にはコーヒー専門店「(しおり)」と古書店「高野書店」が入居した。

1974年(昭和49年)、ニュー・ヨークで、モリー・ハスケル(Molly Haskell、1939年9月29日~)著『崇拝から強姦へ映画での女性の扱い』From Reverence to Rape: The Treatment of Women in the Movies(Holt, Rinehart and Winston)が刊行された。

画像

1974年(昭和49年)11月30日、「晶文選書」、リチャード・ホガート著、43歳の香内三郎(こううち・さぶろう、1931年6月23日~2006年1月20日)訳『読み書き能力の効用』(晶文社、2,800円)が刊行された。

1975年(昭和50年)9月19日、東京・池袋駅前の西武池袋本店が増築を越え、新装開店した。
11階に西武百貨店書籍部の大型書店「西武ブックセンター」が開店した。

1977年(昭和52年)、ガードゥン・スィティで、キャスリン・ワイブル(Kathryn Weibel)著、『鏡よ鏡大衆文化に映る女性像』Mirror Mirror: Images of Women Reflected In Popular Culture(Doubleday)が刊行された。

「鏡よ鏡(Mirror, mirror)」は、童話「雪白(Snow White)」の女王が鏡に訊ねる台詞「鏡よ、壁の鏡よ、みんなの中で誰が一番の美人なの?(Mirror, mirror on the wall, who's the fairest of them all?)」を踏まえている。

1978年(昭和53年)9月18日、東京・八重洲に、地上8階、地下1階の大一東京ビルのビルの地下1階地上4階、買取仕入が主体の日本最大の大型書店「八重洲ブックセンター」が開店した。

1980年(昭和55年)6月25日、東京・六本木に、青山ブックセンター六本木店が開店した。

1981年(昭和56年)3月19日、東京・神田駿河台で、三省堂書店の創業100周年記念事業として、地下1階、地上8階の本社・本店ビルが竣工、1階~6階に大型書店「三省堂書店神田本店」を開店した。

1982年(昭和57年)10月15日、東京・神田で、東京堂書店の本社ビルが竣工、1階~6階に、「読書人の東京堂書店」のキャッチフレーズで、特に各専門分野の書籍を揃えた大型書店「東京堂書店神田神保町店」を開店した。

画像

1982年(昭和57年)10月25日、51歳の香内三郎著『活字文化の誕生』(晶文社、3,500円)が刊行された。

1985年(昭和60年)6月10日、西武百貨店西友内に設けられた書籍売り場を統合し「株式会社リブロ」が設立され、「西武ブックセンター」が「リブロ池袋本店」に改称した。

画像

1985年(昭和60年)7月25日、キャスリン・ウェイベル著、39歳の荒このみ(1946年2月27日~)訳『メディアに縛られた女』(晶文社、1,900円)が刊行された。

1985年(昭和60年)9月22日、ニュー・ヨークのプラザ・ホテルで開催された先進5か国蔵相・中央銀行総裁会議G5で討議されたダラー(dollar)高是正のための一連の合意事項、いわゆる「プラザ合意」が成立した。

とりわけ、アメリカの対日貿易赤字が顕著だったため、「プラザ合意」は実質的に円高ダラー安に誘導するものだった。

発表の翌日の1日(24時間)で、ダラー円レートは1ドル235円から約20円下落した。

1年後には円レートのドルの価値はほぼ半減し、150円台で取引されるようになった。

画像

1986年(昭和61年)6月20日、「晶文社アルヒーフ」、リチャード・ホガート著、香内三郎訳『読み書き能力の効用』(晶文社、2,800円)が刊行された。

アメリカン人知性の結末

画像


1987年(昭和62年)2月、ニュー・ヨークで、56歳のアラン・ブルーム(Allan Bloom、1930年9月14日~1992年10月7日)著『アメリカン人知性の結末どのように高等教育が民主制に失敗し、今日の学生の魂を貧しくしたか』The Closing of the American Mind: How Higher Education Has Failed Democracy and Impoverished the Souls of Today's Students(Simon & Schuster)が刊行された。

画像

1987年(昭和62年)、ランドゥンで、ブリトゥン植民地のブリティッシュ・ギアナ出身の黒人作家、教育者の母ベルル・ギルロイ(Beryl Gilroy、1924年8月30日~2001年4月4日)とドイチュ人系の白人科学者の父パトゥリック・ギルロイ(Patrick Gilroy)とのあいだに生まれたポール・ギルロイ(Paul Gilroy、1956年2月16日~)著『連合ジャックにゃ黒はねえ人種と民界の文化政治』There Ain't No Black in the Union Jack: The Cultural Politics of Race and Nation(Hutchinson)が刊行された。

表紙写真は、毎週日曜日発行の週刊新聞『監視者(Observer)』の写真報道記者ジェイン・バウン(Jane Bown、1925年3月13日~2014年12月21日)による、栄誉ある式典で、第二次世界大戦の勲章7個を着けて敬礼する誇り高い黒人のブリティッシュ人の軍人の肖像だ。

1987年(昭和62年)12月、シカーゴで、48歳のモリー・ハスケル著『崇拝から強姦へ映画での女性の扱い』From Reverence to Rape: The Treatment of Women in the Movies 改訂版(University of Chicago)が刊行された。

画像

1988年(昭和63年)12月8日、アラン・ブルーム著、45歳の菅野盾樹(すげの・たてき、1943年8月6日~)訳『アメリカン・マインドの終焉 : 文化と教育の危機』(みすず書房、2,500円)が刊行された。

1989年(平成元年)4月1日、日本国で初めて税率3%の消費税が導入された。 

1989年(平成元年)4月1日、東京大学教養学部表象文化論専攻を設置した。

画像

1990年(平成2年)3月、ニュー・ヨークで、33歳のジューディス・バトゥラー(Judith Butler、1956年2月24日~)著『性別自認困難女性解放運動と自己属性の転倒』Gender Trouble: Feminism and the Subversion of Identity (Routledge)が刊行された。
表紙には19世紀のアグネス・オルブライトゥ(Agnes Albright)と少年に見えるイネス・オルブライトゥ(Inez Albright)の姉妹の子供時代の肖像写真が用いられた。

画像

1990年(平成2年)10月31日、42歳の上野千鶴子(うえの・ちづこ、1948年7月12日~)著『家父長制と資本制マルクス主義フェミニズムの地平』(岩波書店、税込2,500円)が刊行された。

1991年(平成3年)6月1日、「日本新聞学会」が「日本マス・コミュニケーション学会」に改称された。

画像

1992年(平成4年)4月、ニュー・ヨークで、74歳のアーサー・M・スレスィンジャー・ジュニア(Arthur M. Schlesinger Jr.、1917年10月15日~ 2007年2月28日)著『アメリカの分裂多文化社会についての諸反省』The Disuniting of America: Reflections on a Multicultural Society(W. W. Norton & Company)が刊行された。

画像

1992年(平成4年)6月18日、モリー・ハスケル著、52歳の海野弘(1939年7月10日~2023年4月5日)訳『崇拝からレイプへ』(平凡社、税込4,200円)が刊行された。
カバー・デザインは山内たつゑだ。

画像

1992年(平成4年)6月29日、アーサー・シュレジンガー, Jr.著、80歳の都留重人(つる・しげと、1912年3月6日~2006年2月5日)監訳 『アメリカの分裂多元文化社会についての所見』(岩波書店、税込2,000円)が刊行された。

1993年(平成5年)3月5日、東京・渋谷のファッションビル「渋谷パルコ part 1」の地下1階に、「パルコブックセンター渋谷店」が開店した。

日本の大学とカルチュラル・スタディーズ

1993年(平成5年)4月15日発行の季刊芸術評論誌『武蔵野美術』(武蔵野美術大学出版編集室)NO.88「特集:家具風景」(税込1,200円)で、上野俊哉(1962年 ~)『シチュアシオン』の連載が「ポップの政治学」で始まった。

1995年(平成7年)1月15日発行の『武蔵野美術』NO.95「特集:立体表出現代美術の変貌」(税込1,200円)に、上野俊哉シチュアシオン』8「離散と救済」が掲載された。

離散と救済」、「ディアスポラの律動」より引用する(71頁)。

 ポール・ギルロイは民族や人種、文化と政治、社会の関わりを大胆に捉えかえす試みを繰り広げている若き社会学者として、ここ数年文化研究カルチュラル・スタディーズ派のあいだでも注目されている。彼はロンドン大学[University of London]のゴールドスミス校[Goldsmiths' College]などいくつかの大学で教鞭をとっている。自身もジャマイカ系移民二世の黒人である彼は、ロンドン留学中の毛利嘉孝[1963年3月21日~]からの情報によれば、腰まであるドレッドヘアに丸メガネの、なかなか大学教師らしくないファンキーな人物であるという(今年のゼミではカント[Immanuel Kant (1724年4月22日~1804年2月12日)]を読んでいる)。一九九四年現在、『英国国旗ユニオンジャックには黒がない――人種と民族の文化ポリティクス』(ルートレッジ、一九八七)のほかに、『ブラック・アトランティック――近代性と二重意識[The Black Atlantic: Modernity and Double Consciousness]』(ヴァーソ[Verso] 、一九九三)、『スモール・アクツ[Small Acts: Thoughts on the Politics of Black Cultures]』(サーバント・テイル[Serpent's Tail]、一九九三)など三冊の著作がある。これらの著作に共通する重要なキーワードが、ほかならぬ「ディアスポラ[diaspora]」という概念である。
 一般に、従来の文化研究においては黒人なら黒人の民族的ルーツである地域、文化との関係、つまりはネイティヴの生活とのつながりが考察の対象となる。これに対してギルロイは音楽、広告、映画など広くマスカルチャーやサブカルチャーに事例を求めながら、イギリス黒人の文化的特異性は西インドやアフリカといった地理的、歴史的起源とは別の平面から把握されるべきであると考えている。ギルロイはイギリスにおける黒人移民文化は、カリブ海やアフリカ、アフロアメリカの文化と、スコットランドやウェールズなどそれぞれの地域の特殊性とのあいだに形成された、一種のハイブリッド的な文化と生活の形式であると主張する。このことは黒人系移民のみならず、アジア系移民にも妥当するとギルロイは言っている。

言語知能、競争欲、人脈、利権、専門資格、高所得、経済的安定に恵まれ、経験則的な社会常識規範に照らして空想的な認知の歪みが大きく、傲慢で共感力に乏しく、権威主義的で、自分と異なる意見や好みに不寛容で、中位所得層を見下し、自分たちの硬直した認識の正当性を過大視し、自己批判を怠る傾向の強い社会的優等者が集中する、日本国の日本語大手報道媒体や大学権威による歴史の基礎認識は、アメリカ連合国の情報操作により偏向した説明と、評議会同盟の教義であるマークス主義による原理主義的史観に基づく説明に合致するものが主流だった。

しかし、その公共社会的悪影響が深刻化した1990年代半ば以後、これに対する批判や反論が目立ち始めた。

1995年(平成7年)4月、46歳の上野千鶴子(1948年7月12日~)が東京大学大学院人文社会系研究科教授に就任した。

1995年(平成7年)4月8日、51歳の藤岡信勝(1943年10月21日~)が、日本国民の学校教育の偏向した反日宣伝に抵抗する「自由主義史観研究会」を発足させた。

1995年(平成7年)11月23日、アメリカ連合国のマイクロソフト(Microsoft)がオペレーティングシステム (OS)「マイクロソフト ウィンドウズ 95(Microsoft Windows 95)」(日本語版)をCD-ROMとフロッピーディスク(DMFフォーマット)の2種類のメディアで発売した。

希望小売価格は新規インストール用の通常版で29,800円だった。
同年12月、マイクロソフト版と日本電気版の合計でパッケージ86万本を出荷した。

画像

1996年(平成8年)2月20日、上野俊哉著『シチュアシオンポップの政治学』(作品社、税込2,800円)が刊行された。

画像

1996年(平成8年)2月、『現代思想』(青土社)3月号「特集:カルチュラル・スタディーズ」(税込1,300円)が刊行された。

45歳の姜尚中(カン・サンジュン、1950年8月12日~)、44歳の成田龍一(1951年11月20日~)、38歳の吉見俊哉(よしみ・しゅんや、1957年4月22日~)「カルチュラル・スタディーズへの招待
S・ホールP・ギルロイL・グッドマン(Lizbeth Goodman)著、水嶋一憲(みずしま・かずのり、1960年~)訳「人種と映画」Race and the Cinema(1992年10月)

P・ギルロイ著、32歳の毛利嘉孝訳「主人、女主人、奴隷、そして近代のアンチノミー」Masters, Mistresses, Slaves, and the Antinomies of Modernity(『黒人の大西洋:近代性と二重意識』The Black Atlantic: Modernity and Double Consciousness)(1993年6月)
上野俊哉ラグタイムディアスポラと「路地」

1996年(平成8年)4月1日、東京大学教養学部後期課程の5学科(教養学科第一・第二・第三、基礎科学科第一・第二)を再編して6学科(超域文化科学科、地域文化研究学科、総合社会科学科、基礎科学科、広域科学科、生命・認知科学科)を設置した。

比較文学比較文化専攻・文化人類学専攻・表象文化論専攻超域文化科学専攻へ統合・改組・重点化した。
地域文化研究専攻を改組・重点化した。
相関社会科学専攻・国際関係論専攻国際社会科学専攻へ統合・改組・重点化した。

1996年(平成8年)4月9日~7月22日(夏学期)、東京大学教養学部で、岡田斗司夫(1958年7月1日~)が「オタク学」講義をおこなった。

画像

1996年(平成8年)5月30日、37歳の岡田斗司夫著『オタク学入門』(太田出版、税込1,400円)が刊行された。

1996年(平成8年)6月14日の国民文化会議の研究シンポジウム「カルチュラル・スタディーズと文化の政治学」の39歳の吉見俊哉(東京大学)の報告「カルチュラル・スタディーズが目ざすもの」要旨を、1996年(平成8年)10月25日発行、国民文化会議編集『国民文化』443より引用する(4頁)。

 カルチュラル・スタデイーズが日本に入ってきた状況には大きく二つの段階があり、二段階の間だけでも、そのイメージに大きなずれがあるように思います。
 一つは、一九七〇年代から八〇年代にかけて。このときは、主としてマスコミ研究の新しい流れとして、とりわけテレビのオーディエンス研究に焦点を当てたような形でイギリスのバーミンガムの現代文化研究センターの活動が紹介されました。とくに、機能主義的、行動主義的なマスコミ研究への批判から、オーディエンスの読みの自発性、多様性、あるいはスチュアート・ホールのエンコーディグ/デコーディングとかが盛んに語られました。
 もう一つは、一九九〇年代に入って語られているカルチュラル・スタディーズ。これは、差異の政治学としてのカルチュラル・スタディーズとでもいうべきもので、一九八〇年代末、特に九〇年代になって、アメリカでカルチュラル・スタディーズが一つの大きな流れになってゆく。ポスト・コロニアリズムとかポスト・モダニズム批判という形でカルチュラル・スタディーズが語られます。

1996年(平成8年)6月27日、文部省が翌年度用中学校社会科教科書の検定結果を公表した。
ほぼ整合性に欠ける虚言に依拠し、実証的な異論の多い「従軍慰安婦」について記述した7冊すべてが合格した。

画像

1996年(平成8年)8月10日、52歳の藤岡信勝、自由主義史観研究会著『教科書が教えない歴史』(発行:産経新聞ニュースサービス、発売:扶桑社、税込1,400円)が刊行された。

1996年(平成8年)9月7日、「日本を守る国民会議」が現行の歴史教科書を攻撃するキャンペーンを始めた。

画像

1996年(平成8年)11月、ニュー・ヨークで、69歳のサミュエル・P・ハンティントゥン(Samuel P. Huntington、1927年4月18日~2008年12月24日)著『文明間の衝突と世界秩序の再建』The Clash of Civilizations and the Remaking of World Order(Simon & Schuster)が刊行された。

1996年(平成8年)12月2日、53歳の藤岡信勝、61歳の西尾幹二(1935年7月20日~2024年11月1日)、43歳の小林よしのり(1953年8月31日~)らが、「新しい歴史教科書をつくる会」を発足させた。

1997年(平成9年)4月9日~7月22日(夏学期)、東京大学教養学部で、岡田斗司夫が「オタク学」講義をおこなった。

1997年(平成9年)9月26日、39歳の岡田斗司夫著『東大オタク学講座』(講談社、本体1,800円)が刊行された。

文化左翼の台頭と民界共和世界の不和

1997年(平成9年)、ハーヴァードゥ総合大学(Harvard University)の公開講義「ハーヴァードゥ総合大学アメリカ人研究ウィリアム・E・マスィ・シニア講義(The William E. Massey, Sr., Lectures in American Studies at Harvard University)」での、リチャードゥ・ローティ(Richard Rorty、1931年10月4日~2007年6月8日)の3講演「アメリカン人民界の誇りウィトゥメンとドゥーイ」American National Pride: Whitman and Dewey、「改良左翼の失墜」The Eclipse of the Reformist Left、「ある文化左翼」A Cultural Leftがおこなわれた。

第一講演「アメリカン人民界の誇り」は「各国にとっての民界の誇りは、各個人にとっての自尊心にあたる。自己改善の必要条件です(National pride is to countries what self-respect is to individuals: a necessary condition of self-improvement.)」で始まる。

1997年(平成9年)8月28日、東京・池袋に地下1階~9階の大型書店「ジュンク堂書店 池袋本店」が開店した。

画像

1997年(平成9年)10月、パリで、42歳の数学者・物理学者アラン・ソウカル(Alan Sokal、1955年1月24日~)、45歳の数学者・物理学者ジャン・ブリクモン(Jean Bricmont、1952年4月12日 ~)著『知識人の欺瞞』Impostures Intellectuelles(Éditions Odile Jacob)が刊行された。

1998年(平成10年)3月、『現代思想』3月臨時増刊号「総特集:ステュアート・ホールカルチュラル・スタディーズのフロント」(税込1,500円)が刊行された。

画像

1998年(平成10年)5月、アメリカ連合国のケインブリジで、リチャードゥ・ローティ著『私たちの国を完成させる20世紀アメリカの左翼思想』Achieving Our Country: Leftist Thought in Twentieth-Century America(Harvard University Press)が刊行された。
前年のハーヴァードゥでの講演に基づく。

画像

1998年(平成10年)6月27日、44歳の小林よしのり著『戦争論新ゴーマニズム宣言special』(幻冬舎、本体1,500円)が刊行された。

画像

1998年(平成10年)6月30日、サミュエル・ハンチントン著、63歳の鈴木主税訳(すずき・ちから、1934年12月14日~2009年10月25日)『文明の衝突』(集英社、本体2,800円)が刊行された。

画像

1998年(平成10年)9月17日、ニュー・ヨークで、80歳のアーサー・M・スレスィンジャー・ジュニア著『アメリカの分裂多文化社会についての諸反省』The Disuniting of America: Reflections on a Multicultural Society改訂増補版(W. W. Norton & Company)が刊行された。

序言(Foreward)」を引用する(12~13頁)。

 ある小集団が別の小集団に対して抱く敵意は、人間の最も本能的な反応だ。それでも、この地球の歴史の大部分は、人びとの混合の歴史だった。大集団の移住は太古の昔から大集団の憎悪を生んできた。20世紀が終わろうとする今日、多くの要因、冷戦の消滅に留まらず、より大きくは、より高速の意思疎通と輸送手段の発達、人口増加の加速、伝統的社会構造の破綻、専制支配から、貧困から、飢餓から、生態系の大災害からの逃避、どこか別の土地でのよりよい暮らしへの夢などが一体となって、人びとに民界の境界を超えることを強いている。
 The hostility of one tribe for another is among the most instinctive human reactions. Yet the history of our planet has been in great part the history of the mixing of peoples. Mass migrations have produced maşs animosties from the beginning of time. Today, as the twentieth century draws to an end, a number of factors-not just the evaporation of the cold war but, more profoundly, the development of swifter modes of communication and transport, the acceleration of population growth, the breakdown of traditional social structures, the flight from tyranny, from poverty, from famine, from ecological disaster, the dream of a better life somewhere else-converge to drive people across national frontiers.

 世界は収縮し、世界の人口はかつてないほど多様な構成になっている。収縮は世界を二方向から圧力をかけ、正反対の二方向に引き裂く。一方は全球化に向かう強い圧力、他方は細分化に向かう強い圧力だ。世界市場、電子技術、瞬時の意思疎通、電子メール、CNN、これらすべてが民界国家の基盤を崩し、境界のない世界を発展させる。同時に、こうした民界超越化の力は、一般人を、自分たちの制御力と理解力を超えた留まることのない世界の潮流からの避難を強いている。広大で、人間味のない、匿名的な海を漂流していると感じれば感じるほど、人びとは、親しみやすく、わかりやすく、自分を保護してくれる救命ボートに向かって必死に泳ぎ、人格属性の政治を切望する。統合と分裂は、このように相互に助長し合う対極だ。世界が統合されればされるほど、この観念学以後の時代に、ますます民族的・宗教的感情によって定義されつつある諸集団の中で、人びとは自分の固有の集団にしがみつくようになる。
 The world shrinks, and its population is more mixed up today than ever before. Shrinkage subjects the world to a whipsaw, tearing it in opposite directions-intense pressures toward globalization on the one hand, toward fragmentation on the other. The world market, electronic technologies, instantaneous communications, e-mail, CNN-all undermine the nation-state and develop a world without frontiers. At the same time, these very internationalizing forces drive ordinary people to seek refuge from unrelenting global currents beyond their control and understanding. The more people feel themselves adrift in a vast, impersonal, anonymous sea, the more desperately they swim toward any familiar, intelligible, protective life-raft; the more they crave a politics of identity. Integration and disintegration thus are the opposites that feed on one another. The more the world integrates, the more people cling to their own in groups increasingly defined in these post-ideological days by ethnic and religious emotions.

グーグルの時代の人文学と政治

1998年(平成10年)9月27日、アメリカ連合国で、26歳のラリー・ペイジ(Larry Page、1973年3月26日~)と26歳のセルゲイ・ブリン(Sergey Brin、1973年8月21日~)により、オンライン検索などオンライン・サービス業のグーグル(Google)が設立された。

画像

1999年(平成11年)4月1日、ジュディス・バトラー著、45歳の竹村和子(1954年2月3日~2011年12月13日)訳『ジェンダー・トラブルフェミニズムとアイデンティティの攪乱』(青土社、本体2,800円)が刊行された。

画像

1999年(平成11年)10月、ニュー・ヨークで、43歳のジューディス・バトゥラー著『性別自認困難女性解放運動と自己属性の転倒』Gender Trouble: Feminism and the Subversion of Identity第二版 (Routledge)が刊行された。

画像

1999年(平成11年)10月30日、64歳の西尾幹二著、新しい歴史教科書をつくる会編『国民の歴史』(発行:産経新聞ニュースサービス、発売:扶桑社、発刊記念特別定価税込1,800円)が刊行された。

画像

カバー表紙に、高野山の木造不動明王坐像に随伴する八体の従者の木造八大童子立像のうちの一つ、恵光童子の顔の写真が使われた。

画像

2000年(平成12年)1月18日、「集英社新書」、サミュエル・ハンチントン著、65歳の鈴木主税訳『文明の衝突と21世紀の日本』(集英社、本体660円)が刊行された。

画像

2000年(平成12年)5月24日、アラン・ソーカル、​ジャン・ブリクモン著、40歳の田崎晴明(1959年8月28日~)、 大野克嗣、​48歳の堀茂樹 (1952年1月29日~)訳『「知」の欺瞞ポストモダン思想における科学の濫用』(岩波書店、本体2,800円)が刊行された。
帯表紙に「〈二つの文化〉の真の対話とは? 欧米の「知」の世界を震撼させた告発の書。これは、サイエンス・ウォーズではない。」とある。

画像

2000年(平成12年)9月19日、「ちくま新書」、上野俊哉、37歳の毛利嘉孝著『カルチュラル・スタディーズ入門』(筑摩書房、本体660円)が刊行された。

画像

2000年(平成12年)9月21日、「思考のフロンティア」、43歳の吉見俊哉著『カルチュラル・スタディーズ』(岩波書店、本体1,200円)が刊行された。

2000年(平成12年)10月6日、アニメ・コミック・ゲーム関連商品の販売店「アニメイト池袋店」が9階建てのビルに移転し、「アニメイト池袋本店」と改称し、女性ファン向けの商品展開となった。

画像

2000年(平成12年)11月1日、アメリカ連合国のアマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の日本版サイト「Amazon.co.jp」が開設された。

画像

2000年(平成12年)11月20日、リチャード・ローティ著、小澤照彦(1947年~)訳、『アメリカ未完のプロジェクト20世紀アメリカにおける左翼思想』(晃洋書房、本体1,900円)が刊行された。

2000年(平成12年)11月、『現代思想』(青土社)12月号「特集:ジュディス・バトラージェンダー・トラブル以降」(本体1,238円)が刊行された。

2001年(平成13年)1月6日、厚生省および労働省を廃止し、厚生労働省が設置された。
厚生省児童家庭局労働省女性局が統合され、厚生労働省雇用均等・児童家庭局が発足した。

画像

2001年(平成13年)9月9日、ニュー・ヨークで、45歳のマーク・リラ(Mark Lilla、1956年4月3日~)著、『無謀な精神知識人と政治』The Reckless Mind: Intellectuals and Politics(New York Review of Books)が刊行された。

画像
画像

表紙画は、マントヴァのジューリオ・ロマーノ(Giulio Romano、?~1546年11月1日)設計のテ宮殿(Palazzo Te)の「巨人族の大広間(Sala dei Giganti)」の北壁の神々に打ち倒される巨人族を描くフレスコ壁画だ。

画像

2001年(平成13年)9月11日の朝、服従教信徒のテロル組織アルカーイダ(Al-Qaeda)により、アメリカ連合国に対する4回のテロル攻撃がおこなわれた。
ハイジャックされた旅客機2機がニュー・ヨークの世界貿易センター(World Trade Center)の二棟の高層ビルに自爆攻撃し、二棟の高層ビルが崩壊した。
二機目が高層ビルに突っ込む様子は世界中のテレビ放送で同時中継された。一連の攻撃により3千名近い死者が出た。

画像

2001年(平成13年)10月、ニュー・ヨークで、アメリカ連合国の意識の低い白人を差別する、47歳のマイクル・モーア(Michael Moore、1954年4月23日~)著『大バカ白人ども…そして、この民界の現状へのそれ以外のヘタな言いわけ!』Stupid White Men ...and Other Sorry Excuses for the State of the Nation! (ReganBooks)が刊行された。

2001年(平成13年)11月20日、「講談社現代新書」、30歳の東浩紀(1971年5月9日~)著『動物化するポストモダンオタクから見た社会』(講談社、660円)が刊行された。

この頃から大学人文学の少数派流行文化志向が加速した。

2002年(平成14年)5月1日、「ちくま新書」、上野俊哉、39歳の毛利嘉孝著『実践カルチュラル・スタディーズ』(筑摩書房、本体740円)が刊行された。

2002年(平成14年)5月16日、キャンヌ国際映画祭で、48歳のマイクル・モーア監督のアメリカ連合国、キャナダ、ドイチュラントゥ合作の社会報道映画『コロンバインにとってのボウリング』 Bowling for Columbine(120分)が公開された。

画像

2002年(平成14年)10月15日、マイケル・ムーア著、松田和也(1963年~)訳『アホでマヌケなアメリカ白人』(柏書房、本体1,600円)が刊行された。

1999年(平成11年)4月20日にアメリカのコロンバイン高校(Columbine High School)で発生した、毎日いじめられていた生徒の18歳のエリク・ハリス(Eric Harris、1981年4月9日~1999年4月20日)と17歳のディラン・クリーボウルドゥ(Dylan Klebold、1981年9月11日~1999年4月20日)の銃乱射による12名の生徒と1名の教師の虐殺事件とアメリカにおける民間人の銃器所持の自由の正当性を検証するものだ。

題名は2人の犯人の生徒が虐殺当日の朝6時の高校のボウリング授業に参加したあと、11時17分に虐殺を始めたことを踏まえている。しかし、のちの検証により、当日の犯人2人はボウリング授業に参加していなかったことが判明した。

2002年(平成14年)7月、バーミンガム総合大学同時代文化研究所が閉鎖された。

2002年(平成14年)7月11日、ランドゥンで、46歳のポール・ギルロイ著『連合ジャックにゃ黒がねえよな』There Ain't No Black in the Union Jack第2版(Routledge)が刊行された。

画像

2003年(平成15年)1月25日、恵比寿ガーデンシネマで、報道映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』 Bowling for Columbineの石田泰子訳の日本語字幕版が公開された。

画像

2003年(平成15年)2月6日、「別冊宝島Real」、『まれに見るバカ女社民系議員から人権侵害作家、芸なし芸能人まで!』(宝島社、1,200円)が刊行された。

画像

2003年(平成15年)4月10日、新潮社が「新潮新書」を創刊し、65歳の養老孟司(ようろう・たけし、1937年11月11日~)著『バカの壁』(本体680円)を刊行した。

この頃から、日本国では、専門度の高い読み書き能力の資格競争に優れた人の多くのあいだで、個人に与えられた稀少な時間資源を最優先し、時間の無駄を最小限にするために、なるべく最短時間で知識を得ようとする習慣、あるいは自分にとって即座に有益な個人評価の対象になりやすい知識取得を最優先し、自分の評価に即座には結びつかないと予測できる何を知らずに済ませるかを計算する態度が広まり始め、情報量が必要以上に多く、複雑な長文は読まれにくくなっていった。

2003年(平成15年)12月31日、芳林堂書店池袋本店が閉業した。

2004年(平成16年)2月、「パルコブックセンター渋谷店」が「リブロ渋谷店」と改称した。

画像

2004年(平成16年)3月30日、月刊漫画情報誌『ぱふ』(雑草社)5月号「巻頭特集:桜蘭高校ホスト部」(650円)が発売された。

東京・池袋のサンシャイン60の女性のアニメファン向けの店舗が密集する西側の通りが「乙女ロード」と名づけられた。

2004年(平成16年)5月、ニュー・ヨークで、77歳のサミュエル・P・ハンティントゥン著『私たちは何者か?アメリカの民界属性への挑戦』Who are We?: The Challenges to America's National Identity (Simon & Schuster)が刊行された。

2004年(平成16年)5月17日、キャンヌ多民界映画祭で、52歳のハーヴィ・ワインスティン(Harvey Weinstein、1952年3月19日~)制作、50歳のマイクル・モーア監督の報道映画『華氏911』Fahrenheit 9/11(112分)が公開された。

画像

2004年(平成16年)5月31日、サミュエル・ハンチントン著、70歳の鈴木主税訳『分断されるアメリカナショナル・アイデンティティの危機』(集英社、本体2,800円)が刊行された。

画像

2004年(平成16年)8月14日、恵比寿ガーデンシネマで、報道映画『華氏911』Fahrenheit 9/11の石田泰子訳の日本語字幕版が公開された。

画像

2004年(平成16年)9月、ニュー・ヨークで、53歳のデイヴィドゥ・T・ハーディ(David T. Hardy、1951年2月25日~)、25歳のジェイスン・クラーク(Jason Clarke、1978年10月26日~)著『マイクル・モーアは大デブで大バカの白人男性だ』Michael Moore Is a Big Fat Stupid White Man(HarperCollins)が刊行された。

画像

2004年(平成16年)9月11日、デヴィッド・ハーディジェイソン・クラーク著、明浦綾子岡本千晶(1965年~)、小林敦子友田葉子訳、50歳のデーブ・スペクター(Dave Spector、1954年5月5日~)解説『アホでマヌケなマイケル・ムーア』(白夜書房、本体1,600円)が刊行された。

2004年(平成16年)9月14日、東京駅北口前に、複合商業施設「丸の内オアゾ」が開業し、1階~4階に大型書店「丸善丸の内本店」が開店した。

画像

2004年(平成16年)12月10日、73歳の香内三郎著『「読者」の誕生活字文化はどのようにして定着したか』(晶文社、本体4,200円)が刊行された。

画像

2005年(平成17年)9月25日、マーク・リラ著、佐藤貴史(1976年~)、中金聡(1961年~)、高田宏史(1978年~)訳『シュラクサイの誘惑現代思想にみる無謀な精神』(日本経済評論社、本体2,800円)が刊行された。
帯表紙に「哲学者はなぜかくも政治に惹かれるのか。ハイデガーやアーレント、ベンヤミン、フーコー、デリダら、現代思想のスターたちの「失敗」から解き明かす、ユニークな政治哲学入門」とある。

画像

表紙画は、ジャン・バティストゥ・ルニョ(Jean-Baptiste Regnault、1754年10月9日~1829年11月12日)の娼婦に誘惑された美青年の弟子アルキビアデースを娼婦から引き離そうとする賢者ソークラテースを描く「「悦楽」の抱擁からアルキビアデースを奪いとるソークラテース(Socrate arrachant Alcibiade du sein de la Volupté)」(1791年)だ。

ウェブ動画サービスの時代の人文学と政治

2005年(平成17年)12月15日、アメリカ連合国のYouTube(ユー・チューブ)が公式の無料動画投稿・視聴サービスを開始した。

2006年(平成18年)5月24日、ニュー・ヨークとロス・アンジェレスで、58歳のアル・ゴア(Al Gore、1948年3月31日~)脚本、42歳のデイヴィス・グゲンハイム(Davis Guggenheim、1963年11月3日~)監督の報道映画『不都合な真実』An Inconvenient Truth(94分)が公開された。

2006年(平成18年)7月15日、アメリカのトゥイター(Twitter)がウェブ社交媒体の無料サービスを開始した。

画像

2007年(平成19年)1月20日、TOHOシネマズ六本木ヒルズほかで、アメリカ連合国の報道映画『不都合な真実』An Inconvenient Truthの石田泰子訳の日本語字幕版が公開された。

2008年(平成20年)9月15日、アメリカ連合国で、長期的な返済能力の不十分な低所得者を対象に組まれた住宅ローン、サブプライム住宅ローン(subprime mortgage)の不良債権化により、投資銀行のリーマン兄弟社(Lehman Brothers)が経営破綻し、世界金融危機(Global Financial Crisis)のきっかけとなった。

画像

2008年(平成20年)9月25日、「NHKブックス」、45歳の仲正昌樹(1963年2月22日~)著『集中講義!アメリカ現代思想リベラリズムの冒険』(日本放送出版協会、本体1,160円)が刊行された。

2008年(平成20年)11月6日、新宿駅西口の超高層ビル「モード学園コクーンタワー」の地下2階~地上1階に、ブックファースト新宿店が開店した。

画像

2009年(平成21年)5月15日、「岩波現代文庫」、60歳の上野千鶴子著『家父長制と資本制マルクス主義フェミニズムの地平』(岩波書店、本体1,200円)が刊行された。
文庫化にあたり,400字50枚を超える自著解題が加えられた。

画像
画像

2009年(平成21年)10月9日、「文春文庫」、西尾幹二著『国民の歴史 決定版』上下(文藝春秋、本体上838円、下876円)が刊行された。
単行本を増補した。

下巻のカバー表紙に、興福寺阿修羅像の顔の写真が使われた。

2011年(平成23年)6月30日、『ぱふ』8月号「特集:まったり系日常コメディ」(690円)が発売された。

2011年(平成23年)8月26日、『ぱふ』休刊が発表された。

画像

2012年(平成24年)2月16日、「岩波現代文庫」、アラン・ソーカル、​ジャン・ブリクモン著、田崎晴明大野克嗣堀茂樹訳『「知」の欺瞞ポストモダン思想における科学の濫用』(岩波書店、本体1,480円)が刊行された。

2012年(平成24年)11月17日、「アニメイト池袋本店」が9階建ての自社ビルに移転した。


画像

2012年(平成24年)12月8日、『朝日新聞』「be」、64歳の上野千鶴子の人生相談「悩みのるつぼ」に15歳の男子中学生の質問と上野の回答が掲載された。

 毎日、自分で処理はしているのですが、どうしても本物の女の子の体に触れてみたくてたまりません。このままいくと、欲望に負けてしまい、夜道などで衝動的に女性を襲ってしまわないかと怖いです。
 こうした行為が犯罪であることは自覚しているのですが、自分の処理だけではどうしても満足できません。
 どうしたら、この欲望を抑えることができるでしょうか。
 教えて下さい。

 で、めんどくさいことを避けて相手のあるセックスって何か、知りたければ方法があります。知らないことは知っているひとに教えてもらうに限ります。経験豊富な熟女に、土下座してでもよいから、やらせてください、とお願いしてみてください。断られてもめげないこと。私の友人はこれで10回に1回はOKだったと言っています。

2012年(平成24年)12月21日、「アニメイト池袋本店」が「アニメイトサンシャイン」に改称した。

画像

2013年(平成25年)6月27日、かつくら編集部著『腐女子語事典』(新紀元社、本体1,200円)が刊行された。

2013年(平成25年)8月23日、「リブロ渋谷店」が1986年(昭和61年)開店の洋書店「ロゴス渋谷店」と合併し、再度「パルコブックセンター」と改称した。

2014年(平成26年)2月17日、オンラインの写真・動画共有サービス「インスタグラム(Instagram)」の日本語アカウントが開設された。

2014年(平成26年)11月4日、アメリカ連合国のキャルフォーニア国で、住民投票で「修正案47(Proposition 47、Prop-47)」が可決された。

$950未満の窃盗、詐欺、違法薬物の大半の個人使用が軽罪となった。これにより、都市の商業地区の治安が悪化した。

画像

2015年(平成27年)2月20日、「新潮選書」、58歳の森本あんり(1956年10月19日~)著『反知性主義アメリカが生んだ「熱病」の正体』(新潮社、本体1,300円)が刊行された。

2015年(平成27年)7月20日、「リブロ池袋本店」が閉店した。

2016年(平成28年)8月7日、「渋谷パルコpart 1」 の営業終了に伴い、「パルコブックセンター」が閉店した。

2016年(平成28年)10月、シカーゴで、76歳のモリー・ハスケル著『崇拝から強姦へ映画での女性の扱い』From Reverence to Rape: The Treatment of Women in the Movies 第三版(University of Chicago)が刊行された。

民界分断の深刻化のきざし

2017年(平成29年)1月20日、アメリカ連合国の人民界の分断を強める文化左翼に反対する民界文化保守層の支持を受けた70歳のドナルドゥ・トゥランプ(Donald Trump、1946年6月14日~)がアメリカ連合国の大統領に就任した。

画像

2017年(平成29年)2月18日、季刊誌『サイゾー』(サイゾー)3月号(980円)が発売された。

「第3特集:AVと女性の性欲、ポルノグラフィ」に、44歳の腐女子熟女セクシー女優・井上綾子(1969年11月9日~)と、元郵政・総務官僚の田中征治(1942年11月16日~)の娘にあたる44歳の腐女子政治学者・田中東子(たなか・とうこ、1972年5月28日~)の対談が掲載された。

2017年(平成29年)5月20日、東京大学大学院・情報学環・学際情報学府林香里(1963年~)教授が、が産学共同研究グループ「メディア表現とダイバーシティを抜本的に検討する会(MeDi)」を発足させ、東京大学本郷キャンパス福武ホールB2F「ラーニングシアター」で、「メディアと表現について考えるシンポジウム『これってなんで炎上したの?』『このネタ、笑っていいの?』」を開いた。
MeDiに、情報学環客員研究員の44歳の小島慶子(1972年7月27日~)、情報学環客員准教授の44歳の田中東子が参加した。

画像

2017年(平成29年)8月9日、ポール・ギルロイ著、45歳の田中東子山本敦久(1973年~)、井上弘貴(1973年~)訳『ユニオンジャックに黒はない人種と国民をめぐる文化政治』(月曜社、本体3,800円)が刊行された。

2017年(平成29年)10月5日、日刊紙『ニュー・ヨーク時事(New York Times)』が、42歳のジョディ・キャンター(Jodi Kantor、1975年4月21日~)、メイガン・トゥーイ(Megan Twohey)の記事「ハーヴィ・ワインスティンは数十年にわたり性加害の告発者に報復した」Harvey Weinstein Paid Off Sexual Harassment  Accusers for Decadesを掲載した。

2015年(平成27年)3月から性加害疑惑のあった映画制作者、65歳のハーヴィ・ワインスティンによる数十年に及ぶ性加害を告発した。

2017年(平成29年)10月1日、「アニメイトサンシャイン」が「アニメイトアネックス」に改称した。

画像

2017年(平成29年)10月31日、45歳の田中東子山本敦久、41歳の安藤丈将(あんどう・たけまさ、1976年6月~)編著『出来事から学ぶカルチュラル・スタディーズ』(ナカニシヤ出版、税込2,750円)が刊行された。

画像

2017年(平成29年)11月15日、57歳の香山リカ(1960年7月1日~)、46歳の北原みのり(1970年11月24日~)著『フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか「性の商品化」と「表現の自由」を再考する』(イーストプレス、本体1,400円)が刊行された。

2018年(平成30年)5月25日、66歳のハーヴィ・ワインスティンが、2人の別々の女性が関与した事件に対する強姦、犯罪的性行為、性的虐待、性的違法行為の容疑でニュー・ヨーク郡地検 (New York County District Attorney's Office)から起訴され、ニュー・ヨーク市警察(New York City Police Department)に逮捕された。

2018年(平成30年)6月25日、青山ブックセンター六本木店が閉店した。

2019年(令和元年)7月9日、ジャニーズ事務所の所属タレントへの性加害の疑惑がかけられていたジャニー喜多川(1931年10月23日~2019年7月9日)が87歳で亡くなった。

画像

2019年(令和元年)7月20日、62歳の吉見俊哉著『アフター・カルチュラル・スタディーズ』(青土社、本体2,600円)が刊行された。

2020年(令和2年)2月7日、『ハフポスト』にパリ在住の高崎順子(1974年~)の連載「 #私たちのフェミニズムをみんなで語ろう」第1回 前編「西村博之(ひろゆき)さん」が掲載され、パリ在住の43歳のひろゆき(1976年11月16日~)の発言が引用された。

僕は専業主婦の家庭で育っていて、「女の人が働かない」ことがいかにラクか見えていましたし。母はたまにパートして稼いだお小遣いで旅行に行ったりしていましたが、僕は父がそうやって旅行しているのを見たことがないんですよ。

2020年(令和2年)3月10日、日本政府が新型コロナウイルス感染症の流行歴史的緊急事態に指定した。

2020年(令和2年)3月14日、新型コロナウイルス感染症を施行日から最長2年間、新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象とする旨の法改正が施行された。

2020年(令和2年)4月3日、夜10時~11時、ABEMAニュースチャンネルの生放送で、45歳の平石直之(1974年8月18日~)司会、43歳の西村博之、47歳の小島慶子トイアンナ(1987年~)、47歳の田中東子出演の「特集:西村博之と考えるフェミニズムの現在地"仲間割れ"なぜ論争に?」が配信された。

画像

田中「あの、今日の議論なんですけど、フェミニズム固有の問題とソーシャルメディアとかSNSに共通している、だからフェミニズムに限らず、ありとあらゆる運動とか主義とかグループの中で起きている問題っていうのは、やっぱり一旦ちょっと分けて考えないといけないと思います。
その上で、ひろゆきさんのハフポストの問題というか、インタビュー……。もし私がインタビューするのであれば、なぜひろゆきさんは、お母さんが楽な専業主婦に見えたのか。
どうして、そういうふうに考えたのかっていうところを、どんどん掘り下げて聞いていったと思うんですね。
で、もし、ひろゆきさんがフェミニストに寄り添うためのインタビューをハフポストでしたかったとするんであれば、お母さんが楽に見えていた、そのひろゆきさんの認識ですよね。
お母さんというものに対する認識、それから専業主婦に対する認識、それが、なぜそのように見えていたのかっていうことについて、ぜひお聞きしたいなと思います」
司会「それは、書いてありますよ、文章に。
だから、お母さんはパートで稼いだお金で旅行に出かけたりもできてたけども、お父さんは仕事が忙しくて、そんな機会も持てなかったと。
そういうお母さんの楽しい暮らしを見てきたので、お母さんの方が、ひろゆきさんにとっては実体験として、楽しそうに見えたっていうのがあるから、必ずしも専業主婦が駄目じゃないですよねってことを言いたかったっていう風に書いてあるんで。全部読めば、これは……」
小島「読んでます、東子さん、当然読んでますよね」
田中「読んでます。はい」
司会「ねえ。じゃないかな。それでも伝わらないじゃないですか。だから気に障ったのかなと思っちゃったんです」
ひろゆき「書いてあるのに、分からないって……」
田中「えーと、書いてあるのに分からないっていうよりも、私も仕事もしてますし、家庭のこともしてますので、どうして家庭の仕事をしていることが、そんなに楽に見えるのかなっていうのが、とっても疑問だったんです、読んでいて」
ひろゆき「えっと、まず専業主婦が楽に見えるっていう理由として、僕が住んでた赤羽っていう地域って、共働きとかシングルマザーがいっぱいいたんですよ。
なので、働いているのに子供を育てると。で、旦那さんがいなくて、自分で稼いで、子供の飯も稼いで、子育てもやるっていう人もいたんです。
で、それに比べると、働く必要のない専業主婦の家の母親は楽なんですよ」
田中「あっ、でも仕事だけしてるのも、すごい楽じゃないですか。家のことなんにもやらずに」
ひろゆき「えーと、全然そんな話はしてないです。
子供がいる専業主婦の家庭と、子供がいる共働きの家庭程と、シングルマザーの家庭で、どれが一番楽に見えますか。専業主婦の家庭ですよね?」
田中「いや、でもそういう風に見えるのだとすると、専業主婦がいる家庭のお父さんも楽なわけですよね。っていうんだったら分かるんです」
ひろゆき「お父さんの話はしてないんですよ。母親が楽かどうかの話をしたので。
共働きで働きながら子供を育てます、シングルマザーで、そういう収入も入れて子供を育てますっていうのと、働かなくていい、子供を育てるだけの専業主婦の三者の中で、専業主婦が一番楽じゃないですか?」
田中(ひろゆきの発言中に)「いや、それが……。あのね、共働きで働きながら、お母さんが子供を育てて……」
司会「それ、私はそれ、読んで、ひろゆきさんにとって、そう見えたで、そういう人がいてもいいと思うんですよ。それを全部……」

ひろゆき「簡単な論理性すら理解できないのがフェミニストの代表者だとすると、やっぱりちょっと論理性おかしくないですか?」

ひろゆき「メディア文化とジェンダーを研究してる大妻女子大学の田中東子先生にお聞きしたいんですけれども、専業主婦の場合は、じゃあ家の中で働くお父さんがいて、家事をする時間があって、で、子育てをしますっていう「二人働ける人」と、「家事と子育て」があるわけじゃないですか。
で、共働きになると、お母さんは働きに行かなければいけません。それでもXXXの家事もあるし、子育てもあります。
で、シングルマザーになると、さらに、働いてくれるお父さんもいません。で、家事も全部自分でやらなければいけません。
で、子育てもするとなると、「シングルマザー、共働き、専業主婦」の専業主婦の母親が一番楽に見えるっていうのは当然だと思うんですけど。
なんで、それが当然に見えるって言ってくれないのかがわかんないです」
田中「えーと……」
ひろゆき「簡単な部分じゃないですか」
田中「何を聞きたいんでしょうか?」
ひろゆき「えーと、専業主婦がその三つの中では一番楽に見えるのは当然ですよね。「はい」か「いいえ」で教えてもらえますか?」
田中「えーと、当然ではないと思います」
ひろゆき「理由は?」
田中「えっ、だって専業主婦の方だって……。そんな一律に専業主婦としての……。だって、今の話って、階級の話とか一切ないじゃないですか」
ひろゆき「階級の話?」
田中「だから、夫の稼ぎで旅行に行ける専業主婦が、百パーセント専業主婦なのかどうかっていう風に問い返してみれば、そういう断定はできないんじゃないかなって思いますけれども」
ひろゆき(田中の発言中に)「ごめんなさい。全然違う話されても困るんですけど、その、働いて稼がなきゃいけない共働きや、働いて家事も全部やらなきゃいけないシングルマザーに比べて、働き手のいる、旦那さんのいる家庭だったり、働かないで、家の家事ができるシングル主婦の方が楽ですよね、っていう至極あたりまえの一般論なのに、それすら理解してもらえないのであれば……」
田中(両耳のイヤフォンを手で押さえて)「ちょっとね、声が聴こえないです。音声が……」
ひろゆき「ジェンダーを教えてる大学の先生すら、あんな簡単なことに「はい/いいえ」が言えないっていう時点で、フェミニストの人たちって、やっぱり論理的能力低いとしか思えないんですよ、本当に。
「はい/いいえ」答えるの簡単じゃないですか」
小島「それは…」
ひろゆき「それすらできないんですよ」
田中「あの、ひろゆきさんがおっしゃっている、すごく表面的で、薄っぺらい、イエスかノーの水準で議論をしていないので、お答えさせていただきませんでした。
なので、もっとしっかり……。今ごめんなさい、ちょっとね、通信途切れちゃったので、きちんと聴けてなかったんですけれども、おそらく小島慶子さんが今おっしゃっていた、構造の水準できちんと問題を見た上でであれば、私はイエスかノーか答えることができます。
すいません、小島さんに戻します」
小島「はい。だから、ひろゆきさんに、そう見えたことはまったく否定しない……」
ひろゆき(小島の発言中に)「そう言われるってことは、ぼくの記事に対して文句を言うべきではないですよね。
だってぼくの記事に対してのもともとの意見なので、ぼくの記事が薄っぺらいのであれば、ぼくの記事に対して意見を言うべきではないじゃないですか。
要は薄っぺらいものには関わらないのであれば、関わらないっていう選択肢があるわけですよね。
でも関わっておきながら、本人に聞かれたら、薄っぺらいから答えませんていうのは、ちょっと失礼じゃないですか」
田中(ひろゆきの発言中に)「ごめんなさい。だからツイッター上で、ひろゆきさんの書かれたものに、私自身は何も応答してません。
で、今回は、こういう番組に呼んで……まああの、参加しますかって言われて、参加することになって、その後で、この記事のことを扱うっていう風に聞いたので、今こちらに参加させていただいてます」
ひろゆき「その、ぼくはフェミニストの人の考え方自体がおかしいって話をしてるので……」
小島「でもフェミニストの人って誰?」
ひろゆき「ぼくの質問も薄っぺらいから答えないっていう風に、田中さんが言ったわけじゃないですか」
小島(ひろゆきの発言中に)「ひろゆきさん、そこははっきりしてほしいね。フェミニストの人って誰、その?」
ひろゆき「田中東子さんです」
小島「ああ、東子さん」
ひろゆき「要は、ぼくが今、アベマプライムで流されて、質問したことに対して、ぼくの質問が薄っぺらいから答えないって言ったわけじゃないですか。
で、それって学者としての態度としてはおかしいと、ぼくは思うんですよ。
でも、それがおかしいって言わないわけじゃないですか。
で、やっぱりフェミニストっておかしいんじゃないですか?」

2020年(令和2年)7月20日、堀あきこ(1968年~)、守如子(もり・なおこ、1972年~)編『BLの教科書』(有斐閣、本体2,400円)が刊行された。

2020年(令和2年)8月27日、現代詩と批評の月刊誌『ユリイカ』(青土社)9月号「特集:女オタクの現在:推しとわたし」(本体1,800円)が刊行された。

48歳の田中東子、31歳のひらりさ(1989年7月25日~)、中村香住(なかむら・かすみ、1991年~)の鼎談「〈女オタク〉とは誰のことか私的領域と公共性」、水上文(みずかみ・あや、 1992年~)「〈消費者フェミニズム〉批判序説」、高島鈴(たかしま・りん、1995年~)「オメガバースを読む乱反射する欲望と現実」が掲載された。

2020年(令和2年)11月28日、ナイキジャパンの118秒の広告動画「動かしつづける。自分を。未来を。The Future Isn't Waiting」がYouTubeなどで公開された。

運動選手の実体験に基づいて作られ、差別やいじめを受ける10代のサッカー少女3人(日本国外の黒人のルーツをもつ日本人、日本人学校でいじめを受ける、チマチョゴリで在日朝鮮中等学校に通う在日コリアンのキム、日本人学校でいじめを受けている日本列島人系の日本人)が、サッカーの技術を磨くことを通じて自信をつけていく様子を描いた。

とりわけ、日本国に敵対している朝鮮学校の生徒が日本人学校で差別を受けているかのような印象を与える演出が、日本人差別ではないのかと感じた日本人視聴者の反発を招いた。

2021年(令和3年)1月20日、74歳のドナルドゥ・トゥランプアメリカ連合国大統領を退任した。

2022年(令和4年)1月1日、「日本マス・コミュニケーション学会」が「日本メディア学会」に改称された。

2022年(令和4年)4月、49歳の田中東子東京大学大学院情報学環教授に就任した。

2022年(令和4年)7月8日、日本国の元内閣総理大臣の67歳の安倍晋三(あべ・ しんぞう、1954年9月21日~2022年7月8日)が41歳の山上徹也(1980年9月10日~)により公衆の面前で殺害された。

2022年9月14日、パリで、ジャン・フランスワ・ブロンスタイン(Jean-François Braunstein、1953年~)著『意識高い教』La religion woke(Grasset)が刊行された。

「意識高い教(religion woke)」は「その教義を、伝統的な総合大学のお墨付きで誇示している( pare ses dogmes de la garantie de l’université traditionnelle)」(p. 56)

「意識高い教はあらかじめあらゆる科学的かつ合理的な批判に対して保護特権をもっているので、総合大学に由来するこの驚くべき斬新さが、意識高い教と闘うことを非常に困難にしている(C’est cette étonnante nouveauté de son origine universitaire qui rend la religion woke si difficile à combattre, puisqu’elle est ainsi immunisée, dès le départ, contre toute critique scientifique et rationnelle. )
このことはまた、意識高い総合大学がかつて知っていた総合大学ではなくなっていることを理解したがらず、この新興宗教に「逆らう(réfractaires)」総合大学教員たちを最も困惑させている (C’est aussi ce qui désoriente le plus les universitaires ‘réfractaires’ à cette nouvelle religion, qui ne veulent pas comprendre que l’université woke n’est plus celle qu’ils ont connue.)」 (p. 53).

画像

2022年(令和4年)10月30日、京都で、高島鈴著『布団の中から蜂起せよアナーカ・フェミニズムのための断章』(人文書院、本体2,000円)が刊行された。
装丁は宮越里子、装画は松本大幹だ。

2022年(令和4年)11月30日、アメリカ連合国のOpenAIChatGPT (会話型生成事前学習変換器、Chat Generative Pre-trained Transformer)を一般公開した。

画像
フランスワ・ジェラール(François Gérard、1770年5月4日~1837年1月11日)の油彩画「プシュケとアムール(性愛)(Psyché et l'Amour)」(1798年)、フランスワ・ブシェアムールの標的(La Cible d'Amour)」(1758年)

2023年(令和5年)3月1日(水)~6月12日(月)、国立新美術館で、2023年(令和5年)6月27日(火)~9月24日(日)、京都市京セラ美術館で「ルーブル美術館展 愛を描く」が催された。

ジャン・バティストゥ・ルニョ「悦楽」の抱擁からアルキビアデースを奪いとるソークラテース(Socrate arrachant Alcibiade du sein de la Volupté)」(1791年)が出品された。

2023年(令和5年)3月16日、地上9階、地下2階のアニメイト池袋本店がリニューアル&グランドオープンした。

2023年(令和5年)3月23日、OpenAIChatGPTの拡張機能ChatGPT plugins を公開し、ChatGPTをウェブに接続した。

2023年(令和5年)3月31日、「八重洲ブックセンター」が街区の再開発事業のため、営業をいったん終了した。

画像

2023年(令和5年)6月20日、「岩波新書」、八鍬友広(やくわ・ともひろ、1960年~)著『読み書きの日本史』(岩波書店、本体1,060円)が刊行された。

画像

2023年(令和5年)11月9日、「ちくま学芸文庫」、リチャード・ホガート著、香内三郎訳『読み書き能力の効用』(筑摩書房、本体2,100円)が刊行された。
解説は63歳の佐藤卓己(さとう・たくみ、1960年10月9日~ )だ。

画像

2024年(令和6年)3月5日、玉川博章(1978年~)編『「同人文化」の社会学コミケをはじめとする同人誌即売会とその参加者の織りなす生態系を描く』(七月社、本体2,600円)が刊行された。

2024年(令和6年)7月20日、「アニメイトアネックス」が「池袋PACKSビル」に改称した。

画像

2024年(令和6年)9月24日、52歳の田中東子著『オタク文化とフェミニズム』(青土社、本体2,200円)が刊行された。

「オタク文化」を定義せず、「オタクアイドルオタク(推し活)」という著しく偏った前提で立論され、田中東子が黒澤多香子ほかの別名義での同人活動で執着してきたBLも腐女子も考察の対象にならない。

2024年(令和6年)9月25日、「NHKブックス」、61歳の仲正昌樹著『新版 集中講義!アメリカ現代思想リベラリズムはどこへ行くのか』(日本放送出版協会、本体1,800円)が刊行された。

2024年(令和6年)12月1日、『文春オンライン』に、『週刊文春』12月5日号、「「フェミニストとして発言してきた自分が、男性を消費していいのだろうか?」推し活に励む中で…“女オタク”が気づいた問題点著者は語る 『オタク文化とフェミニズム』(田中東子 著)」が掲載された。

「そこでふと気づいた――というより、実はずっと心の奥底で気になっていることがあったんです。それは、これまでさんざん女性の性や外見が消費されることを拒絶し、またフェミニストとして発言をしてきた自分が、“見る”側へと回った途端、自らの欲望のままに推しである男性を消費し、時に過剰ともいえる労働を強いている。本当にそれでいいのだろうか、と」

いいなと思ったら応援しよう!

S.Hosokawaの覚書。主に現代日本語の創作記録の読解と転記。 応援のスキ、投げ銭(サポート)、よろしくお願いたします。
人文学の大衆化、女性化、文化政治化と日本|俗語半解
word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word

mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1