国際テロ組織のページを削除したことを説明する公安調査庁のウェブサイト

 公安調査庁がホームページなどで公表する「国際テロリズム要覧」を巡り、「テロ組織」として挙げていた情報が大幅に削除された問題で、同庁は6日、「政府の立場について誤解を一部招いた」として、該当ページを削除したことをホームページ上で明らかにした。「主な国際テロ組織等」については2022年版を参照するように呼びかけている。

 国際テロリズム要覧は、国際テロリズムの潮流や組織の実態を把握し整理するため、公安調査庁が1993年から発刊する。今年9月下旬、通算第20版となる2023年版を発行し、11月24日にウェブ版を更新。これに伴い、「主な国際テロ組織等の概要及び最近の動向」の項目からは、トルコでクルド人の民族自決を掲げる「クルディスタン労働者党(PKK)」やレバノンを拠点とする「ヒズボラ」が削除された。「世界の国際テロ組織等」の項目ではガザを実効支配するイスラム組織「ハマス」を含むパレスチナの個別組織の情報がなくなった。「地域別テロ情勢等」からはミャンマーの項目が消え、同国の少数民族武装勢力に関する情報も削られた。

 公安調査庁広報はこれまでの上毛新聞の取材に対し、「そもそも公安調査庁として国際テロ組織を指定する制度はない」とした上で、大幅削除の理由について「情報出典元を改めたため」と説明した。従来は海外のシンクタンクのレポートなどを出典としてきたが、23年版から記載内容を国連安保理決議に基づく制裁リストに準拠したという。

 日本政府として「国際テロ組織」を認定する制度の有無について尋ねると、「すべての法令に通じているわけではなく、コメントを差し控える」(担当者)とした。一方、警察庁のホームページによると、国際テロリスト等財産凍結法の「公告国際テロリスト」には、現時点でPKKとハマスがともに掲載されている。

 この問題を巡っては、トルコメディアが相次いで報じるなど、国外でも注目されていた。