公安調査庁がホームページなどで公表する「国際テロリズム要覧」2023年版から昨年版まで「テロ組織」として挙げていた情報が大幅に削除された問題を巡り、小泉龍司法相は7日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスがリストから外れたことについて「明らかにおかしい。大至急、正しい道に戻るよう方策を採ろうとしている」と参院法務委で語り、政府としての不備を認めた。一方、トルコでクルド人の民族自決を掲げる「クルディスタン労働者党(PKK)」に関する情報削除を巡り、在トルコ日本大使館は6日、公式ホームページで「日本政府は2002年以来、PKKをテロ組織に指定しており、その点について何ら変更はない」とするトルコ語の釈明文を掲載した。
国際テロリズム要覧は、国際テロリズムの潮流や組織の実態を把握し整理するため、公安調査庁が1993年から発刊する。今年9月下旬、通算第20版となる2023年版を発行し、11月24日にウェブ版を更新。これに伴い、「主な国際テロ組織等の概要及び最近の動向」の項目からは、トルコでクルド人の民族自決を掲げる「クルディスタン労働者党(PKK)」やレバノンを拠点とする「ヒズボラ」が削除された。
「世界の国際テロ組織等」の項目ではガザを実効支配するイスラム組織「ハマス」を含むパレスチナの個別組織の情報がなくなった。「地域別テロ情勢等」からはミャンマーの項目が消え、同国の少数民族武装勢力に関する情報も削られた。
一方、警察庁のホームページによると、国際テロリスト等財産凍結法の「公告国際テロリスト」には、現時点でPKKとハマスがともに掲載されている。
小泉法相は、要覧からのハマスの情報削除を巡り、鈴木宗男参院議員の質問に答えた。PKKを巡っては、トルコ国内で相次いで報道され、日本の対応に批判が出ていた。公安調査庁は6日、該当ページを消去したことをホームページで明らかにした上で、「主な国際テロ組織」については22年版を参照するよう呼びかけている。
《7日の小泉法相の答弁要旨は以下の通り》
全く申し訳ない。おわびを申し上げながら説明する。22年の要覧は従来の形で、232団体を掲示した。63団体は、国連安保理が設置したテロ制裁委員会の指定を受けている組織で、それに米国や欧州連合(EU)の理事会が指定する169団体を加え、計232団体だった。これに対し、「なぜテロ組織としているのか」あるいは「していないのか」といったさまざまな問い合わせが集中し、(公安調査庁の)事務方が基準の明確化を考えた結果、国連安保理指定の63団体のみ掲示するとの結論になった。その(外れた)中にハマスが入っていた。ハマスは日本政府が財産凍結の対象にしている組織であり、それが外れるというのは明らかにおかしい。とにかく今、大至急整備しながら、正しい道に戻るよう方策を採ろうとしている。







