政権発足2カ月、目立つ石破首相の「孤独のグルメ」 会食わずか9回 党内融和図れるか
石破茂政権の発足から1日で2カ月を迎えた。この間の石破首相の日々の動静を調べたところ、会食回数が9回と近年の首相と比べて最も少なかった。首相は元来、会食などを通じた仲間づくりが苦手だが、自民党は衆院選で大敗し、30年ぶりの少数与党に転落した。党内からは「党内外の不満や不安を抑えるため、もう少し会食したほうがいいのではないか」(中堅)との声も出ている。 【表でみる】近年の歴代首相が政権発足後2ヵ月で会食した回数 会食は、産経新聞が掲載している「石破日誌」、2度目の首相に返り咲いた安倍晋三政権(平成24年12月~令和2年9月)の「安倍日誌」、菅義偉政権(2年9月~3年10月)の「菅日誌」、岸田文雄政権(3年10月~6年10月)の「岸田日誌」について、それぞれ発足から2カ月間の回数を調べ、比較した。外遊先での懇親会や、来日した外国要人を招いた夕食会などは含んでいない。 その結果、石破首相の会食回数は9回にとどまった。うち、元職を含めた国会議員との会食は4回で、与党幹部が中心だ。11月9日に自民の森山裕幹事長と公明党の斉藤鉄夫代表らと夕食をとり、特別国会閉会日の14日は森山氏や自民の坂本哲志国対委員長、林芳正官房長官らとの昼食に臨んだ。 近年は政治家の会食について「飲み食い政治」と批判を集めることが多い。だが、歴代首相は党内の足場固めや政策のヒントを得る場として活用してきた。 安倍氏は首相に返り咲いた直後の2カ月間で31回の会食をこなした。政治家や経済界、メディア業界のトップらと幅広く会食した。安倍氏の後を継いだ菅氏は酒を一滴も飲めないが、各界の有識者らとの会食を重ねて意見を聞き、政策を練り上げる以前からのスタイルを継続。当時は新型コロナウイルス禍に見舞われていたが、少人数の会食を68回重ねた。 「聞く力」を掲げた岸田氏は首相就任直後に衆院解散・総選挙に臨み、日程上は石破首相と似る。当初はコロナ禍による自粛が続いていたこともあり10回と少ないが、石破首相との違いは、このうち8回が延べ20人の国会議員が相手だったことだ。岸田政権発足直後に党内基盤固めに腐心した様子がうかがえる。 石破首相は就任前、東京・赤坂の議員宿舎の食堂で本を片手に一人で食事する場面を同僚議員らにしばしば目撃された。一方で、10月31日に旧石破派(水月会)で首相を長く支えながら、衆院選で落選した八木哲也元環境副大臣の慰労会にサプライズで登場するなど、「人情家」の一面をのぞかせたこともある。
首相が今後、「孤独のグルメ」を卒業して幅広い相手との会食を通じた党内融和を図れるか。政権の行方を測るバロメーターの一つといえそうだ。(當銘梨夏、飛松馨、大波加将太)