海外に流れた中国の頭脳 「個人の幸せを追求したい」
転機の中国 14億人の素顔⑤
中国人女性の李思雨さん(30、仮名)は米名門カーネギーメロン大学に留学した後、米国で就職し東部ニューヨーク市に住む。「今は帰ってきちゃダメだよ」。先に母国へ戻った留学同級生の言葉をきっかけに、米国にとどまることを決めた。
母国の現状への不満を聞かされた。週6日、朝9時から夜9時まで働く「996」と呼ぶ長時間労働が広がり、リストラも増えた。話題は経済だけではない。インターネットの監
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(更新)- 深川由起子早稲田大学政治経済学術院 教授分析・考察
巨大人口規模からみれば、ネットでの量的流出は「ダントツに多い」とは言えないでしょう。むしろ深刻なのは質的流出とみるべきです。優れた才能と野心を持つ者ほど自由で刺激的な環境での自己実現を望むのは文化や体制に関わらず同じ。彼らはもとより金やイデオロギーでは動かず、まして愛国心といった感情では動かないでしょう。何故なら中国の経済的成功はグローバル化を受け入れることで成功し、若い人材はその中で育ったグローバル化の申し子だからです。時計の針を逆回転させるような試みがどういう帰結を生むのか、米中は違うようでいて、同じ大実験を始めているようにみえます。
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(更新)
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