名古屋中心部の不発弾撤去 全国でも不発弾の発見相次ぐ なぜ?

名古屋市中心部の工事現場で見つかった不発弾は、30日、自衛隊によって信管が取り除かれ、撤去されました。

また29日も、沖縄県宮古島市で250キロ爆弾2発の処理が行われるなど、不発弾の処理が相次いで行われています。

各地で不発弾の発見が相次いでいて、専門家は「どこからでも出る可能性がある」と指摘しています。

名古屋中心部で不発弾 住民に避難所も

名古屋市中区丸の内の工事現場では、先月17日、全長およそ1メートル20センチ、重さ250キロのアメリカ製の不発弾が見つかりました。

不発弾は、爆発しないよう自衛隊が信管を保護する対応を取った上で、土のうに囲まれた状態で工事現場に置かれ、30日午前10時から、信管を取り除く作業が行われました。

1時間半余りかけて信管2本を取り除き安全を確認したということで、クレーンでつり上げて自衛隊の車両に移し、午後0時42分に現場から撤去されました。

30日は不発弾が見つかった場所から半径およそ200メートルの範囲が警戒区域とされ、安全のため、外から立ち入ることができないよう規制されました。区域の外側にある小学校には避難所が設けられ、30日午前8時半から区域内の住民に避難が呼びかけられましたが、信管が取り除かれたのを受け規制や避難の呼びかけは解除されました。

近くで働く50代の男性は「戦争の負の遺産は、次の世代に残さないようにきれいになくしてほしい」と話していました。

名古屋市では先月24日に東区でも不発弾が見つかっていて、撤去作業は来月15日に予定されています。

一方、区域内の飲食店やクリーニング店など臨時休業する店が相次ぎました。

現場近くで30年近く居酒屋を経営する木村俊克さんの店は、来客が見込めないとしてこの日の休業を決めました。

木村俊克さん
「不発弾が出てきたことはしかたがない。逆に見つけてくれてよかった。ただ、こんなに近くにあるならほかにもあるんじゃないかと思う。近年このあたりではマンションの建設が増えているので不安もある」

自衛隊による信管を取り除く作業は無事に終わり、30日正午すぎには、現場周辺の立ち入り規制も解除されました。

現場から撤去される不発弾を見た住民の男性は「想像していたものより大きくて意外でした。爆発したときの怖さがあるので安全に処理してもらいとりあえず一安心」などと話していました。

不発弾は学校の敷地内でも

千葉県柏市ではことしに入って3発の不発弾が発見されています。

3発の不発弾は、いずれも中学校の敷地内にある校舎を増築する工事現場で見つかりました。

ことし1月、工事中に1発が見つかり、その後、周辺を探査したところ6月と7月にも1発ずつ発見されました。

3発はいずれも、長さ1メートル10センチ、直径34センチのアメリカ製の250キロ爆弾で、信管は残っていなかったということです。

太平洋戦争中に投下されたものだとみられ、その日のうちに自衛隊が回収したということです。

柏市史には、柏市やその周辺の地域で1945年の3月から8月にかけて空襲があったと記載されています。

近くに住む60代の男性は「何十年たっても戦争のあとは残るのだと感じました」と話していました。

柏市教育委員会教育施設課 古谷正人課長
「最初に不発弾が見つかったときは驚き、その後、子どもたちの安全のために探査を行いました。戦争の影響が柏にもあると認識したので今後の公共工事も色々考えながら安全に行っていきたい」

不発弾の処理が続く沖縄

太平洋戦争で残された不発弾の処理が今も続く沖縄で、29日夜、沖縄県宮古島市の空港の近くで先月見つかった250キロ爆弾2発の処理が行われました。

不発弾は、先月沖縄県が行った磁気探査で宮古島市の宮古空港と道路をはさんだところにある畑から見つかった250キロ爆弾2発で、29日夜9時から陸上自衛隊が処理作業を行いました。

【動画】不発弾 処理作業の様子

周辺では半径およそ280メートルの範囲で通行が規制され、自衛隊員がクレーン車で不発弾1発をつり上げ、深さ6メートルの「処理壕」と呼ばれる穴に移しました。

そして、対策本部と連絡を取り合いながら、工具を使って起爆装置に当たる「信管」の部分を慎重に取り外しました。

もう1発についても同じ作業を行い、開始から1時間半後に2発の処理が終わりました。

宮古空港は旧日本海軍の飛行場だった場所にあり、今回処理が行われた不発弾は太平洋戦争中、アメリカ軍とともに宮古島などへの攻撃に参加したイギリス軍が使用したものとみられています。

不発弾は先月、宮崎空港の滑走路につながる誘導路で爆発した不発弾と同じサイズでした。

宮古島市 座喜味一幸市長
「安全に処理していただいてよかった。79年たっても爆発することもあるので国にはより積極的に対応をしてもらいたい」

自衛隊が対応した不発弾の処理件数 10年間で1万4840件に

防衛省によりますと、陸上で発見され、自衛隊が対応した不発弾の処理件数は、昨年度までの10年間で1万4840件にのぼっていて、このうち沖縄県が都道府県別で最多の5406件と3割余りを占めています。

年度別では、
▽2014年度は全国で1379件(うち沖縄県が625件)
▽2015年度は全国で1392件(うち沖縄県が575件)
▽2016年度は全国で1372件(うち沖縄県が607件)
▽2017年度は全国で1607件(うち沖縄県が554件)
▽2018年度は全国で1480件(うち沖縄県が675件)
▽2019年度は全国で1441件(うち沖縄県が529件)
▽2020年度は全国で1194件(うち沖縄県が510件)
▽2021年度は全国で1255件(うち沖縄県が423件)
▽2022年度は全国で1372件(うち沖縄県が467件)
▽2023年度は全国で2348件(うち沖縄県が441件)でした。

不発弾の処理件数は防衛省の記録が残っている1975年度以降、減少傾向が続き、2007年度以降は千数百件で推移してきました。

昨年度は、2300件余りと17年ぶりに2000件を超えました。

専門家「不発弾はどこからでも出る可能性」

各地で不発弾の発見が相次ぐ背景について、大阪 吹田市で不発弾対応の検証を行った経験がある日本大学危機管理学部の中林啓修准教授は次のように指摘しています。

日本大学危機管理学部 中林啓修准教授
「戦後すぐにわれわれの目に触れない形で爆発物や武器が捨てられてきた経緯がある。空襲だけの問題ではなく戦中あるいは戦後のさまざまないきさつや社会の動きの中でいろいろなところに不発弾が残っていて、ふとしたきっかけでわれわれの身近なところで顔を出してくる問題だ。
不発弾はどこからでも出る可能性があり、見えなくなっているものが今もたくさんあってどこにあるか分からないと考えた方がいい。
宮崎空港のケースのように爆発するものもあると考えると、努力して安全を確保する必要があるのはほかの災害と変わらない。戦争を考えるきっかけにもなり、不発弾への対応を行うことは大事なことだと思う」

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