コルクット・ギュンゲン駐日トルコ大使のインタビューの主な一問一答は次の通り。大使は、トルコの非合法武装組織「PKK(クルド労働者党)」についても触れ、「難民申請者はPKKに利用されている」と述べた。
――20年前に法務省入国管理局(現・出入国在留管理庁)がトルコで川口のクルド人の出身地の村を現地調査し、難民該当性は薄いとの報告書をまとめていた
「最初に確認しておきたいのは、トルコは世界で最も多くの難民を受け入れている国ということだ。特にシリア難民の中にはクルド人も多い。彼らが選んで来ているのは、トルコは暮らしに値する国であり、迫害はないという証だ」
――難民該当性が低いことは産経新聞の現地取材でも裏づけられた
「その点は、まさにわれわれも共有しており、クルド人が経済的または社会的な理由で来日することはよくある。日本に長く滞在できるための一つの手段として難民申請が選ばれている」
――手段が問題なのか
「誤解してほしくないが、それぞれのクルド人が日本に住みたいと選択することを止めることはできない。問題は、彼らが日本の法令にのっとっていないことだ。違法な形で滞在し、難民認定制度を悪用して滞在を引き延ばしている。これこそが問題だ。トルコ共和国としてこの現実は決して後押しできるものではない」
――彼らは難民申請の際、「PKKを支持しているため、トルコ政府から迫害される」と主張すると聞く
「少し違うのは、難民申請者がPKKに利用されているということだ。申請の際、『迫害を受けている』などと、トルコ政府に反する立場を言わないといけない。これ自体が結果的にPKKの利益になる」
――どういうことか
「つまり、PKKはこのからくりによって、日本に滞在したいという彼らの弱みを利用しているのだ。PKKはこの手法を日本だけでなく一部の欧州諸国でも使っている」
――日本国内にはトルコとの査証(ビザ)相互免除措置を一時的に停止してはどうかという意見もある
「ビザ免除には、投資や観光など経済的なメリットはもちろん、互いを理解し合うという大きな意味がある。もし、ビザ免除を停止したら、日本とトルコの友好関係を引き裂くことになる。一番喜ぶのはPKKだろう。最も重要なことは日本の法令を順守することだ」
――トルコ政府は昨年11月、川口市内の「日本クルド文化協会」と代表者ら6人をPKKなどの「テロ組織支援者」と認定し、トルコ国内の資産を凍結した
「PKKは国際的なネットワークを持っており、あらゆる手段で組織への資金の流れを確保している。文化イベントを装った形もあるし、人道支援の姿もある。文化協会と同時に資産凍結されたもう一つの団体は、人道支援の看板の下で活動していた」
――両者は、どのような関係なのか
「幹部が同じだ。資産凍結は現在も続いており、われわれも注視している」
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