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 仕事や会議の最中、周囲の雑音で集中力をそがれることがある。そんなときにノイズキャンセリング機能付きイヤホンがあれば、装着することで周囲の雑音を抑えられる。ただ、ノイズキャンセリングイヤホンは多くのメーカーが多種多様な製品を発売し、価格帯は数千円から数万円と幅広い。どれを選べばよいのか悩む人も多いだろう。

 そんな中、大手スマートフォンメーカーの中国Xiaomi(シャオミ)が2024年8月末、ノイズキャンセリングイヤホン「Redmi Buds 6 Lite」を2480円(メーカー直販サイトの価格、税込み)という破格の低価格で発売して話題になった。ノイズキャンセリングの機能が動作するのか不安になるほどの安さだが、大手ECサイトの口コミには「コスパ最強」や他メーカーが1万円弱で販売する別製品を引き合いに出し「それに匹敵する」といった声があるほどだった。

 そこで今回は、1万円弱のノイズキャンセリングイヤホンで人気を誇る中国EarFun(イヤーファン)の「EarFun Air Pro 4」とソニーの「WF-C510」を用意。オフィス環境や電車内、会議などのビジネスシーンで、3製品の音質やノイズキャンセリング機能、マイクを徹底比較する。

複数種類あるノイズキャンセリング機能

 本題に入る前に、ノイズキャンセリング機能の説明をしておこう。一口でノイズキャンセリングといっても、2つの種類がある。1つは耳孔に密着し雑音を遮るパッシブノイズキャンセリング(PNC)方式。もう1つは、マイクで周囲の雑音を集め、その雑音を打ち消す音(逆位相波)を発生させて雑音の影響を抑えるアクティブノイズキャンセリング(ANC)方式だ。

 ANC方式はさらに3種類に分けられる。イヤホンの外向きに配置されたマイクで雑音を判別するフィードフォワード型ANC、耳孔付近に配置された内向きのマイクで雑音を収集するフィードバック型ANC、そしてその両方を組み合わせた、外向きと内向きのマイクで外部音と内部音を比較し雑音を判断するハイブリッド型ANCだ。ANC方式のノイズキャンセリングイヤホンは仕組み上、どうしても高価になってしまう。

 ANC方式のイヤホンは安くても数千円、売れ筋は1万円前後、高価な製品は数万円もする。そんな中、Redmi Buds 6 Liteはハイブリッド型ANC方式を採用しながら、2480円と低価格だったことから話題になった。

「Redmi Buds 6 Lite」はハイブリッド型ANC方式のノイズキャンセリングイヤホン。色は写真のブラックのほかにブルーやホワイトもある
「Redmi Buds 6 Lite」はハイブリッド型ANC方式のノイズキャンセリングイヤホン。色は写真のブラックのほかにブルーやホワイトもある
(写真:田代 祥吾)
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