中国軍幹部にまた汚職疑惑 制服組ナンバー4の職務を停止、調査へ

北京=畑宗太郎
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 中国国防省は28日、中央軍事委員会委員で中央政治工作部主任の苗華氏に重大な規律違反の疑いがあるとして職務を停止し、調査を進めると発表した。汚職に関与した疑いとみられる。中国軍では2代続けて国防相が汚職で処分されており、上層部の深刻な腐敗問題が続いているもようだ。

 国防省ウェブサイトでは、軍の最高指導機関である中央軍事委の中で苗氏を制服組ナンバー4の序列で掲載している。従来は上位に国防相がいるが、現在の董軍国防相には中央軍事委のポストは与えられていない。同省は28日の定例会見で発表したが、呉謙報道官は苗氏の「規律違反」の詳しい内容は明らかにしなかった。

 共産党は今年6月の中央政治局会議で、昨年10月に国防相を解任された李尚福氏と、前任の魏鳳和氏の党籍や軍籍の剝奪(はくだつ)を決定していた。李氏は職務を利用して巨額の賄賂を受け取ったり、贈ったりした疑いがあり、魏氏にも収賄の疑いがある。

 この他にも昨夏にはミサイルを運用するロケット軍の司令官らが事実上解任されるなど、軍内の腐敗に対する調査が進んでいた。

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この記事を書いた人
畑宗太郎
中国総局
専門・関心分野
中国の外交、安全保障、社会、東南アジア情勢