看護師らによる入院患者への暴行事件があった東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」が、今月から「希望の丘八王子病院」に名称を変え、28日に報道陣に内部を公開した。院長と理事長も交代し、再生への姿勢を強調する。一方で、虐待の背景となった正規雇用の看護師の少なさは改善が道半ば。患者の支援団体は厳しい行政処分を求めている。(長竹祐子)
◆「希望の丘八王子病院」工藤龍彦氏が院長就任
看板に「滝山病院」の文字はなく、廊下には「虐待防止宣言」と書かれた貼り紙。「虐待が二度と起きないよう、外部委員を含む防止委員会で毎月、検討している」。今年9月1日付で就任した工藤龍彦・理事長兼院長(81)は説明した。
滝山病院では昨年2月以降、看護師ら5人が入院患者への暴行容疑で逮捕や書類送検された。病院が設置した第三者委員会の調査では、日常的な虐待行為があったことも指摘された。
事件を受け今年8月末に朝倉重延院長と、運営する医療法人社団「孝山会」の朝倉孝二理事長が辞任。今月から病院名だけでなく孝山会の名称も「新山会」に変えた。
同院によると、事件が発覚した昨年2月には145人が入院していたが、転院や退院、死亡が相次ぎ、今年10月末には約3分の1の50人にまで減った。このうち18人が退院を希望している。
◆看護職員は「非正規」ばかり…1月には50%程度に
第三者委が暴行事件の背景として指摘したのが、9割以上に上っていた非正規雇用の看護職員の多さ。経営上のメリットを優先するため、...
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