「通信の秘密」制限、容認 能動的サイバー防御、条件付きで 有識者提言
重要インフラへのサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御(ACD)」導入をめぐり、憲法が定める「通信の秘密」の制限を一定の条件下で容認する提言を、政府の有識者会議がまとめたことが分かった。政府がネット上の通信情報を収集・分析し、攻撃元のサーバーに侵入して無害化することを可能にする法整備を促す内容だ。
複数の政府関係者が明らかにした。政府は、29日に開く有識者会議の提言を受けて、ACD導入の法案を来年1月開会の通常国会に提出する方針。
提言は、憲法21条で定める「通信の秘密」について、保護されなければならないとした上で、国民生活に不可欠な重要インフラをサイバー攻撃から守る「公共の福祉」のためであれば、必要かつ合理的な制限を受けるとの考えを示す。
ただ、政府による個人の通信情報の収集は、プライバシー侵害や情報漏洩(ろうえい)につながるとの懸念は根強い。提言では、メールの中身など「コミュニケーションの本質的内容」は必ずしも分析する必要がないと指摘。収集や分析の対象は原則、IPアドレスや送信日時などの付属情報(メタデータ)を想定した。
提言には、電力や通信などを運営する企業に対し、攻撃の標的となり得る通信機器やソフトウェアの情報を政府に登録することを求める制度の創設も盛り込む。(千葉卓朗、国吉美香)
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