名古屋市政に保守党の影響「ない」 河村たかし氏後継の新市長
名古屋市長選で初当選した広沢一郎新市長が26日、朝日新聞の取材に応じた。選挙戦で公約として掲げた現状5%の市民税減税の「10%拡大」をめぐる経済効果などについて「しっかりエビデンス(根拠)を示す」と説明した。一方、推薦を受けた日本保守党はLGBT理解増進法の改正など保守色の強い政策を掲げるが、市政運営への影響は「ない」と語った。
広沢氏は河村たかし前市長の後継候補として出馬し、39万票あまりを獲得し、大差で勝利した。
広沢氏は市民税減税について、物価高を踏まえ、「手取りを増やすことが経済の回復には有効」と意義を語った。
減税をはじめ、0歳児からの保育料の無償化や敬老パスの値下げなど公約の実現には新たに約200億円の財源が必要だと見込む。行財政改革や市が将来の借金を返すために積み立てた「公債償還基金」から借り入れて捻出するとするが、財源をめぐっては市議会からの反発が予想される。
広沢氏は「(議会とは)最初からけんか腰では話し合いも始まらない」と強調。「議会が受け入れられる形で(議案や予算案を)持ち込むことが先決」と理解を得るために努力する姿勢を示した。
減税の「10%拡大」については、25日の報道陣の取材に対し、2026年度からの実施を目指す意向を示している。
一方で、市長としてまず取り組みたいことにあげたのが名古屋城天守の木造復元化。河村氏の看板政策だが、昨年6月にあった市民討論会での差別発言問題以降、復元計画は凍結状態が続いている。
課題のバリアフリー対策について広沢氏は「史実に忠実な本物性とバリアフリーは両立してやっていきたい」と述べた。市は車いすも利用できる小型昇降機を地階から1階まで設置する方針を示しているが天守の構造上、上階になるにつれて設置スペースが限られてくると指摘。障害者団体や市民と合意をはかっていくとし「解決の糸口があると確信している」と語った。
街づくりについては、名古屋市営地下鉄名古屋―伏見間で長年構想されてきた「柳橋駅」の実現に意欲を示した。
市長選ではLGBT理解増進法の改正などを掲げる日本保守党の推薦を受けた。同法には学校などに対し教育環境の整備を求める努力義務規定がある。
党の方針が市政や教育現場に影響するのかについて、広沢氏は「(議論は)国の方でやるべき」とし、「名古屋はインクルーシブ(包摂的)な都市を目指している。LGBTや外国人といった多文化共生を含めて保守党の影響を受けて路線を変えることはない」と明言した。
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