早朝の喫茶店で⑤

NEW!

テーマ:




時間まであと少しという時、彼は紙袋みたいなものを取り上げた。
そして はいこれ、とそのまま私に渡した。


予想もしてなかったことにキョトンとする私に


開けてみて


と言った。


開ける前に一瞬想像したのは
私が今回の事件でアイコンにしたこっそり写真を撮った彼の愛用の時計だった。

こんなことになったし、もう男女の仲には戻れない。
その代わりにその時計を思い出として下さいと伝えてあったから


でも中身は全く別のものだった。


娘に渡して欲しいという報酬のサイングッズだった。
かなり入手は困難だというレアもの。


でも正直なところ私はガッカリした。
でもなんとかありがとうと笑顔を見せる努力をした。


今日もし会えたら娘さんに渡そうと思って持って出た


らしい…

実は私の返信を見切り発車で出発していて、昨夜は付近に宿泊していたと。


娘と一緒だからさ


と、どういう趣旨か分からない言い訳をした。


娘さんと一緒だから昨夜は私を誘えなかった?
そうでなければ誘えたのにってと言いたいの?



いやいやと、また自惚れそうになる自分を制した。

こういうその気にさせるようなトークは彼の常套句だ。


謝りはしたけど
私はあのメールから彼を信じてはいない。




世の中の彼に関わる女性みんなに教えてあげたい



この人から名刺をもらっても自分一人だなんて思わない下さい(笑)


暑いよ
寒いよ
辛いよ
悩んでます
苦しんでます


は色んな女に言ってます!
 

一番伝えたいのは
出会った頃の私だ。

AD