(cache)特集 結城ショッピングセンターの現状 - 大規模小売店舗マニアのブログ

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特集 結城ショッピングセンターの現状

茨城県結城市に本社を構える株式会社結城ショッピングセンター。
結城市に2店舗と栃木県小山市に1店舗を展開していましたが、2024年5月31日をもって「うおとみ三和店」「スーパーフレッシュ小山店」は休業に入り、店頭には「本日より従業員不足により休業させて頂きます。」と記載された案内が貼り出されました。「うおとみ結城店」は営業を継続しているものの、店頭には同じく「5月31日をもって休業となりました。」という矛盾したお知らせが掲示されており、売場は品薄が目立っていました。今回はその3店舗を紹介いたします。

「うおとみ三和店」
茨城県古河市尾崎5307。1998年12月4日に「スーパー日の出」として開業した建物へ2009年6月29日居抜き出店。売場面積1302㎡。
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「本日より従業員不足により休業させて頂きます。」
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店舗裏手。
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屋上神社?があるようです。
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店舗裏手の駐車場。
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ガラス越しに中の様子を覗くことが出来ました。
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「店内商品全品10%割引」や「レジにて30%引き」というPOPも見られます。
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商品はきれいに売りつくされており、「休業」とは言ってもすぐに営業を再開することは不可能です。
倒産直前のスーパーが大幅値下げセールを開催して商品を現金化する事例は多く、地域住民にとっては一種の「祭り」となる訳ですが、ネット上には情報が広がらない傾向にあります。
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「スーパー日の出」の倉庫のような建物が残されていました。
「奉仕に明け 奉仕に暮れる」
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「スーパーフレッシュ小山店」
栃木県小山市城北6-5-6。1987年10月4日開業、1488㎡。(2000年版日本スーパー名鑑には10月5日開業と記載。オンライン版では10月4日)
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「スーパーマーケットセレクション」という表記も見られます。
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うおとみ三和店と同じお知らせが貼られていました。
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内部はわずかしか窺うことが出来ませんが、商品は売りつくされている様子でした。
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「うおとみ結城店」
1973年9月14日開業、1006㎡。
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店舗裏手。
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東口側のレジ休止に伴い、出入口も閉鎖する方針だったようですが、東側の住民に配慮し開放を続けています。
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「5月31日をもって休業となりました。」というお詫びが貼られている中、営業を継続しています。
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2023年8月に訪れた段階で2階の100円ショップ「シルク」は1階へ移転すると告知されており、9月以降は2階を閉鎖したようです。
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シルクは営業を終了。
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店内の様子。青果は品物が少なく、平台には2Lの紙パック焼酎など酒類が並べられていました。
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事務用品も現金化のため売り出します。こちらの椅子も商品です。
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和洋日配は品薄状態。
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精肉も一応商品が並びますが、牛肉は一切加工していませんでした。
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加工食品は十分な在庫を抱えています。
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東口レジは休止中。
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鮮魚売場。
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お造りや握り寿司が並びます。
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切身はほぼ並んでいませんが、「ネズミザメ(モウカザメ)」は販売していました。
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一風変わった激辛商品を販売。
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冷凍商材が以前と比べ強化されている印象でした。
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鮮魚に続いて惣菜売場。
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種類が少ないものの、製造は行われています。
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サービスカウンター前は休憩スペースのような空間で、値引きされた雑貨なども販売されていました。
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店舗裏手には株式会社結城ショッピングセンターの本部も立地しています。
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駐車場には冷蔵什器や空調設備が置かれていました。
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結城ショッピングセンターのトラック。
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特集 結城ショッピングセンターの現状

1953年に創業した株式会社結城ショッピングセンター。本店所在地の茨城県結城市を拠点に茨城県古河市、栃木県小山市や埼玉県栗橋町(現:久喜市)にまで店舗網を広げ、1999年2月期には店舗数11店、売上高110億7600万円の規模まで成長した地場スーパーでした。一方で近年は競争激化の煽りを受けて閉店が相次ぎ、2023年10月22日に「うおとみ小金井店」、 2023年10月25日に「スーパーフレッシュ古河鴻巣店」が閉店したことで、残る店舗は「うおとみ結城店」「うおとみ三和店」「スーパーフレッシュ小山店」の3店のみとなっていました。

2024年5月31日をもって「うおとみ三和店」「スーパーフレッシュ小山店」は休業に入り、店頭には「本日より従業員不足により休業させて頂きます。」と記載された案内が貼り出されました。休業という言葉が使われていますが、店内を覗くと商品は全て売りつくされており、すぐに営業を再開することは不可能です。また、「うおとみ結城店」は営業を継続しているものの、店頭には同じく「5月31日をもって休業となりました。」という矛盾したお知らせが掲示されており、売場は品薄が目立っていました。日本スーパー名鑑によると三和店、小山店は賃借物件の一方で結城店は自社物件となっているため、営業が継続できているのでしょうか。地元新聞や信用調査機関から倒産したという報道は無く、法的な手続きには移っていないと推測されますが、危機的な経営状況であることは明白で、結城店の先行きは不透明です。

結城店は3階建てですが、現在は1階のみ営業。一角にあった100円ショップ「シルク」は営業を終了していました。2023年8月にも訪れましたが、当時と比べて生鮮3品や惣菜は品揃えが乏しく、和洋日配は欠品も目立っていました。ただし加工食品や飲料・酒類は豊富なラインナップが見られ、在庫はまだ十分に確保しているようです。三和店と小山店の商品を現金化したことで、結城店を当面存続させるだけの運転資金は調達できたのでしょうか。

いま、地方の中小スーパーを取り巻く環境は厳しさを増しています。原材料やエネルギーコストの高騰、消費者の価格感度の高まり、さらにはコロナ前から慢性化していた人手不足の問題が顕著化。大手と価格競争を続ける体力のない中小スーパーはシェアを奪われ、業績が悪化しています。北関東では2022年から2023年にかけて、キッチンストアー(栃木県)、すーぱーこいけ(群馬県)、塩原屋(栃木県)、サンライズ(茨城県)といった中小スーパーが倒産。事前告知が行われず、破産申請の前日に突然閉店となるケースも見られました。地域住民の生活や従業員の雇用を守るためには、可能であれば事業売却や譲渡という形式が望まれます。北関東においては福島県地盤のリオン・ドールが栃木県の地場スーパーを買収する動きも見せており、今後生き残りをかけた提携やM&Aが進むことも想定されます。


最後に、2000年版日本スーパー名鑑に掲載されていた株式会社結城ショッピングセンターの運営店舗を紹介します。月商は1999年度の数値です。

・うおとみ本店(茨城県結城市大字結城550、1973年9月14日開業、1650㎡、月商1億3600万円)
・トミーマート結城店(茨城県結城市大字結城字公達9895-1、1980年11月9日開業、500㎡、月商6200万円)
・スーパーフレッシュ古河店(茨城県古河市大字鴻巣983-1、1988年12月9日開業、990㎡、月商9500万円)
・スーパーフレッシュ古河松並店(茨城県古河市松並2-16-40、1991年12月20日開業、1098㎡、月商9600万円)
・うおとみ小金井店(栃木県小山市羽川517-1、1995年12月28日開業、1320㎡、月商1億0500万円)
・うおとみパワーセンター(栃木県小山市神山町2-6-16、1995年1月14日開業、996㎡、月商9900万円)
・トミーマート小山南店(栃木県小山市大字小山字中山258-2、1985年8月4日開業、480㎡、月商4300万円)
・スーパーフレッシュ小山店(栃木県小山市大字稲葉郷296-3、1987年10月5日開業、1320㎡、月商1億1600万円)
・スーパーフレッシュ神鳥谷店(栃木県小山市神鳥谷5-4-25、1991年7月8日開業、686㎡、月商5600万円)
・ドラッグトミー間々田店(栃木県小山市乙女31-25、1991年1月17日開業、500㎡、月商2200万円)
・スーパーフレッシュ栗橋店(埼玉県北葛飾郡栗橋町北2-2-28、1998年4月1日開業、1300㎡、月商1億円)

うおとみ三和店(茨城県古河市尾崎5307、2009年6月29日開業、1302㎡)は「スーパー日の出」という単独スーパーの跡地に出店しています。2000年版日本スーパー名鑑に記載の情報は住所が異なっていますが、市町村合併に伴い変更された可能性が高いと考えられます。

・スーパー日の出(茨城県猿島郡三和町尾崎1295、1998年12月4日開業、1320㎡、月商1億円)



追記。
2024年6月18日をもってうおとみ結城店は完全閉店となりました。
最終日に訪れましたが、14時時点で既に営業は終了していました。
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大雨が降る中での最終日となりました。
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完全閉店売り尽くしセールを開催していました。
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裏手の入口から覗いた様子。
「半額」というPOPも見受けられ、全ての商品を売りつくしたようです。
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商品を現金化して事業を停止した結城ショッピングセンター。今後破産申請が行われるのか、特別清算手続きを取るのか不明ですが、1人でも多くの従業員に未払いなく給料が支払われ、再就職支援が行われることを祈っています。

コメント

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はじめまして。
コメント失礼いたします。

結城ショッピングセンターの現況についてネットで調べていたおり、こちらのブログに辿り着きました。

6/1にいつものように結城ショッピングセンターに買い物に行った際に、店内に掲示されていた告知張り紙を目にし 「5/31に閉業しました旨の告知がされているが6/1の本日開店しているのは何故なのか」、近くの女性店員の方に訊ねたところ 「私たちも昨日(5/31)に突然聞かされれました。」とのこと。

休業ではなく廃業になるのではないかとも仰っておりました。

とりあえず、結城SCはまだ店内に商品があるので以降も開店するが、いつまで開店するのかは上層部次第とのことでした。

その日にスーパーフレッシュにも行ってみたのですが、こちらは 「休業」 の張り紙がされており、休業したことを知らずに近所の歯科医院の女性看護師の方がお弁当を求めて店舗に訪れていました。

この方にもお話を訊いたところ 「昨日(5/31) は開店していたけど、野菜とかは全部なくなっていましたよ。」 とのこと。別のご高齢の女性の方の話では 「数日前から商品の一部は結城ショッピングセンターに運んでいるみたい」 とのことでした。

どちらの店舗も昔なじみのお店だったので残念で仕方ないのですが、商品価格や品数を多店舗と比較してしまうと 「わざわざここで購入する意味はないよな...」 となってしまいますよね。

しかも、ブログ主様が書かれている通り 「店舗で従業員が使用していたであろう椅子やファイル」 も店舗内一角に集めて売りに出されておりましたが、ファイルの背表紙には 「〇〇物産」 と書かれているものが取り外しもされずそのまま、椅子もボロボロの汚いもので、小汚いガスコンロも売りに出されており、私が最初目にした時には閉業直前で廃品を店内に集めているのかと思いました。(しかもそれらの品々には 「鮮魚 30円」 などのバーコードの値札が貼付されておりました。)

利用者の混乱するような告知文掲示や、ごみ同然の事務用品を店内で売りに出したりと、もう、とっとと閉業した方がいいのかも、と思いました。

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はじめまして
父が結城出身です。生前はよく家族でお祭りの時は必ず東海村から出掛けてました。
小さい時私の中では
結城=うおとみでした

店内は涼しいし、テーブルが少しあったので
うおとみでトイレを借りて、ホットドッグ、アイス、パック牛乳、焼きそばなどを買うのがなんだか楽しい思い出です
私は結婚して子供ができ、那珂市から今また結城の祭りに出掛けてます。昨日うおとみを目指してネットで検索しました
廃業となっていました
現地についてうおとみが真っ暗になっていて大ショックでした
昭和のよき思い出のスーパーでした


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プロフィール

daieisaison

Author:daieisaison
某コンビニエンスストア店長です。このブログでは訪れたスーパーマーケットを紹介しております。

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