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【独自】大阪公立大学医学部付属病院を提訴へ 明らかな医療ミスも病院側は当初公表せず11月26日 09:55

■遺族 病院が事故を公表するまで「地獄の3年間でした」
なぜ父親は命を落とさないといけなかったのか。
その理由を知りたいという家族の思いに司法はどう答えるのでしょうか。

大阪公立大学医学部附属病院で手術を受け意識不明となったまま3年後に死亡した患者の家族が、病院に対しおよそ1億4000万円の損害賠償を求めて提訴することが分かりました。

医療事故で意識不明となり、およそ3年後に意識が戻らないまま死亡した男性(当時83歳)がいます。

Qお父さんはビールが好きだった?
【亡くなった患者の長男】「大好きでしたね。こうやって1人の人間が亡くなって、悲しんでる遺族がいるということを皆さん、わかってほしいと思います」

家族は、事故について公表するよう病院に求めてきましたが会見が開かれたのは、事故から3年後でした。

【死亡した患者の長男】「ほんまにもやもやとした嫌な3年間。ほんまに地獄の3年間でした」

【死亡した患者の長男】「ここが、おやじがいてた事務所です。当時のままですね」

5年前まで、この部屋で仕事をしていた男性の父親。
大阪公立大学医学部付属病院で手首の骨折手術を受けたあと、意識不明となりました。

病院からは、翌日にも退院できると説明されていた簡単な手術だったといいます。
しかし…

【死亡した患者の長男】「(手術後、父親が)地響きみたいないびきかいてた。僕が看護師さんに『えらいいびきかいてるね』と質問したら、看護師さんが笑いながら、『ちょっと暴れたから鎮静剤打ったんですよ』と」

病院によると、手術後に男性の父親がカテーテルを抜こうとするなどしたため医師が鎮静剤を投与。その量は普段使用しないほど多い量でしたが、看護師に、リスクが伝えられず経過観察が行われませんでした。

すると…

【死亡した患者の長男】「『息子さん入ってよろしいよ』って言われて(病室に)入ったときに、親父の酸素マスク越しに喉仏見たら、息吸ってないんちゃうかなって思って」

父親は、容体が急変し、一時、心肺停止となりました。
しかし、看護師は、心拍数を計測する機械の接続を忘れるなどしたため男性が発見するまで気付かず、父親は一命はとりとめたものの低酸素脳症により意識不明となったのです。

病院側の明らかなミス。
家族は、事故について速やかに公表するよう病院に求めてきました。

■病院とのやり取りを記録した音声データを入手
関西テレビが入手した事故から1カ月後の病院と家族とのやり取りの音声では

【麻酔科医】「(鎮静剤の大量投与で)低酸素脳症のリスクはあります。それに関する認識を、どれぐらい呼吸が止まりやすいとか、そういうことまではっきり(看護師に)伝えきれていなかった」

【病院側】「(担当した看護師)3人は謝罪して、退席をさせていただきます」

【家族】「何があったかというのを私たち家族がしっかり本人から聞かないとダメなんで」

【病院側】「本人(看護師)たちが非常に気持ちも混乱しておりまして…」

(20年1月15日のやりとり。遺族提供音声データより)




■遺族「速やかに公表したほうが医療事故は減る。それが一番」
当時、病院には重大な医療事故について、報道機関などを通じて公表するとした内規がありました。

しかし、病院側は内規について家族に伝えずホームページでのみ公表。
家族の再三に渡る要望の末会見を開いたのは、事故から3年も後のことでした。

【大阪公立大学医学部付属病院 中村博亮病院長】「本来でしたら、我々の方からきちんと明示して公表基準があるということをお伝えするべきだったと反省しています」

病院側は、公表の遅れを謝罪。
病院の事故調査委員会は、業務手順のマニュアルがなかったことやリスク把握の問題などを指摘しました。

【死亡した患者の長男】「おとうちゃん…」

家族は回復を願い看病を続けましたが、父親は、意識を取り戻すことがないまま去年、肺炎で亡くなりました。

家族は、病院に対しおよそ1億4000万円の損害賠償を求め今週、大阪地裁に提訴します。
損害内容には意識不明の後遺障害をおったほか公表の遅れによる家族の精神的苦痛も含まれています。

【死亡した患者の長男】「その方(速やかな公表をした方)が医療事故減るでしょ、それが一番ですね」

「最初の弁護士の話し合いのときに(病院側が)お金の話をしてきたときに、ああ、世の中っていうのは結局こういうことで色々、闇に葬られている出来事がいっぱいあるんだなと」

「簡単な手術で人の命を奪うようなそういう事故がなくなってほしいと思う」

■関係した医師や看護師は書類送検も現在も病院で勤務
家族の代理人弁護士によると医療事故の公表をめぐる訴訟は全国でも珍しいということです。

【遺族の代理人 酒井孝浩弁護士】「この訴訟に至るまでにいろんな医療関係者にも協力いただいたりご意見いただいたが、やはり同じようなケースが起きないよう自分たちも気を付けたいという言葉はいただいているので、そういった意味ではいろんな影響を与えるものになるのかなとは考えている」

一方、病院側の対応を巡っては新たな動きも。鎮静剤を投与した麻酔科医と、術後の処置をした看護師3人は、先月、業務上過失致傷の疑いで書類送検されたのです。

病院側は取材に対し…

【病院側】「4人は、現在も勤務しています。関係機関の捜査に全面的に協力し進展を見守りたいと存じます」

医療事故のみながらず病院側のその後の対応も患者家族の不信感を招いた今回のケース。医療事故の公表の在り方が問われます。

(関西テレビ「newsランナー」2024年11月25日)

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