大全集無視の戦闘力考察⑪~フリーザ最終形態戦(20倍界王拳まで)~【ドラゴンボール考察】
*題画出典:ドラゴンボール完全版21巻
前回の記事
前提
ドラゴンボール大全集やその他設定資料、アニメ版、劇場版、ゲーム作品、超などの続編作品、鳥山先生の談話等は無視し、原作漫画版の描写のみを正とする。(ただし、作中に判断材料が無い場合は参考に用いる)
基準
全く手も足も出ず瞬殺される場合は1.8倍以上の差があるものとする。
ある程度戦えてはいるが勝ち目が薄いと思われる場合は1.4倍前後の差があるものとする。
引き続き、フリーザ最終形態戦の戦闘力について考察していきたい。
自傷復活ベジータの戦闘力
ベジータはあえてクリリンに自分を攻撃させ、瀕死から回復することで大幅なパワーアップを遂げる。
ベジータはピッコロに見えなかったフリーザの動きが見えるほど強くなっていた。
しかし、フリーザが「ちょっと本気でスピードを上げた」段階でついていけなくなり、全力のギャリック砲(っぽい気功波)は文字通り一蹴されてしまう。そして戦意を失ったベジータは一方的になぶり殺されることとなった。
ベジータの戦闘シーンはこれだけのため、実際にどのくらい強くなっていたかはわからない。ピッコロより上、最終形態より下は確実だが、フリーザ第3形態より上だったのか下だったのか?
描写では、ベジータは自分は最終形態フリーザに勝てる(=第3形態より上)と確信したような態度を取っている。
しかしこの時のベジータが全面的に自信があったのかというとそうとも言えなそうなのだ。
以下は戦闘前のやりとりである。
この時のベジータは少し緊張した表情で汗をかき、ピッコロの問いかけにも「まあな・・・」と断定は避けていた。
その後は吹っ切れたように強い態度でフリーザに臨むのだが、このやりとりには少しだけベジータの不安が見えないだろうか?
恐らくベジータは自分がフリーザに及ぶほどに強くなっていないことになんとなく気づいていたのではないだろうか。
しかしプライドの高さ故にそれを認められず、自分に思い込ませるように虚勢を張った。しかし、戦ってそれが事実であることを思い知らされ、恐怖と自分への絶望で涙を流したのである。
また別の観点として、ベジータは第3形態の本気を見ていないことも踏まえると、ここで強い態度を取ったこと自体はベジータが第3形態を上回っていた根拠にはならないだろう。
仮にベジータが第3形態を超えていなかったとすると、参考になるのは悟空の発言だろうか。
悟空は第3形態変身直後のフリーザに対して以下のように言及していた。
こ・・・これじゃオラのカラダが完全になおっても勝てねえかも・・・
悟空は第2形態の戦いもウォッチしていたが、そこでは勝てそうにない旨の発言は無く、むしろ自分が駆けつければ解決するようなスタンスだった。しかしこのタイミングで初めて「勝てねえかも」と発せられたのである。
つまり、回復前の悟空は第2形態までは勝てそうだったが、変身直後の第3形態には負けそうなくらいだったと推測できるだろう。
この変身直後の第3形態は、前回考察では190万程度と推測しているが、それに”もしかすると負けそうなくらい”とすると、回復前悟空の力は170万程度だったと考えられそうだ。
そしてその悟空はベジータに対し、以下のように言及していた。
ベジータの気が どんどん小さくなっていく・・・・・・・・あいつもとんでもなくつよくなってたはずなのに・・・・・・
悟空は負傷前、「じぶんでいうのもなんだがずいぶん強くなったとおもっている・・・」と発言するなどかなり自己評価が高かった。そのため、「あいつもとんでもなく強い」という評価には、自分の力に並ぶくらいという意味も含まれているような印象がある。
若干強引ではあるのだが、それに沿えばベジータは回復前の悟空とほぼ同じかやや強いくらいと推測できそうだ。
以上の理由から、自傷復活後ベジータは回復前悟空とほぼ同等、フリーザ第3形態の初期値より下と考えて、戦闘力は180万と推測したい。
ちょっとだけ本気のフリーザ
その180万のベジータにフリーザはスピードを見せつけた上で、全力の気功波を文字通り足蹴にし、ベジータを絶望させる。
その際、フリーザは以下のように発言していた。
ちょっと本気でスピードをあげたらついてこれないようだね・・・
それでも超サイヤ人なのかな・・・
「ちょっと本気で」つまり、この時のフリーザは全くの手加減状態というわけでは無かったと思われる。しかし一方で、むやみに力を見せつけたような印象も無く、ベジータを絶望させられる最低値くらいの力を出していたのではないか。
フリーザは180万のベジータに力の差を見せつけられる程度まで本気を出したとすると、「手も足も出ずに瞬殺される基準」の1.8倍より少し下、1.6倍の290万程度の力を出していたと推測したい。
なお、フリーザはベジータに攻撃を加える際は「こんどはこっちからやらせてもらうよ・・かるくね」と発言しており、実際にはもっと下の力で痛めつけていたとも推測できるだろう。
最終形態フリーザと悟空
傷が治った悟空は戦場に駆けつける。悟空は回復ポッドから出た際、自分の力について以下のように評していた。
強くなっている!! 力がどんどんとわきでてくるようだ・・・!! 信じられん・・・! いまがほとんど限界だとおもったのに・・・・・・・・じぶんでもこわいくれえだ・・・・・・
ニュアンス的には、「治療中の悟空は瀕死復活によるパワーアップを計算には入れていなかったものの、嬉しい誤算として本人が想定した以上のパワーアップを遂げた」という状況と考えられるだろう。
そしてその後、悟空は以下のようにも発言していた。
すまん いま行くぞ!!!!
なんとかなりそうだ!!!!
さっきは気を入れる前の第3形態に対して「勝てねえかも」と言っていたのだが、今度は最終形態に対しても「なんとかなりそう」と考えが変わっている。
悟空はずっと気を読んでウォッチしており、先程の「ちょっと本気」のフリーザの力も認識していたはずである。悟空はこの「ちょっと本気フリーザ」をなんとかできるくらいの力があると考えてよいだろう。
実際にフリーザとの戦いを追ってみよう。
当初は二人とも様子見で戦っていたが、「そろそろその気になろうかな」と宣言し、本格的に戦うこととなる。
この時の攻防では、フリーザは手を使わないサービス状態ではあるものの、悟空はやや優勢に戦えていた。仮に手を使ったとしても互角くらいの戦いだっただろう。
フリーザは「多少は本気を見せる」というスタンスで戦っていたことから、この時の力が、先程ベジータに見せた「ちょっと本気」の290万程度と推測したい。
そしてさらに悟空はまださらに「かなりのパワー」を隠していることが明かされている。
たいした自信だね だがボクは気づいているよ
キミは本気で戦うといっておきながらまだかなりのパワーを残していると・・・
恐らく悟空はこの隠している力で戦えば、290万のフリーザは「なんとかなりそう」と考えていたのだろう。
この時のフリーザ290万に対し、簡単ではないが勝てる差を1.2倍程度とすると、悟空の全力(界王拳10倍)は350万程度になる。
そしてそんな悟空に対し、フリーザは衝撃的な発言をする。
約50パーセント
つまりマックスパワーの半分も出せばキミを宇宙のチリにすることができるんだ・・・
フリーザは悟空の隠した力を差し引いても50%の力で勝てるというのである。
このセリフの印象としては、フリーザは50%の力で「圧倒して瞬殺できる」とまでは考えておらず、あくまでただ「勝てる」という程度のニュアンスのようにに思える。
350万の悟空にある程度確実に勝てる差が1.3倍くらいだとすると、50%フリーザの戦闘力は470万程度だろうか。
実際の戦闘描写としても、悟空は連続攻撃を食らったもののそこまで激烈なダメージではなく、すぐ起き上がれる程度のダメージに留まっていた。
本考察では地球での3倍界王拳とベジータの差が1.3倍程度だったと推測しているが、その時と同じくらいの描写に見えるため、このフリーザと悟空も1.3倍差くらいが妥当だと思われる。
フリーザに比肩する20倍界王拳
窮地に陥った悟空は体への負担を覚悟の上で界王拳20倍を使用、一時的にフリーザを上回る戦いを見せた。
先程、10倍界王拳悟空の戦闘力は350万と推測しているが、単純計算で2倍にすると、20倍界王拳悟空は700万となる。
フリーザはこの700万のかめはめ波を「たいして効いちゃいねえ」程度で耐えきったものの、本人はかなりの脅威に感じていたようだった。
「あぶなかった」と命の危険すら感じ、「すさまじいパワー」と非常に高い評価をしている。
このフリーザの危機感を考慮すると、この時のフリーザは半分の力ではなく全力で気を高めて防御していたと思われるが、後の描写で70%ほどの力ならば時間をかけずに即時発揮できることが証明されているため、この時も70%前後の力を出して防御したと考えられるだろう。
470万がフリーザの50%の力とすると、70%の力で660万になる。20倍界王拳の700万よりわずかに下の値だ。
以前の記事で、フリーザは界王拳と同質の気のコントロールを行っており、70%程度以上の力はしっぺ返しがある肉体限界超えの値であると考察しているが、
その理屈に基づくと、この時の20倍界王拳悟空はフリーザの本来の全力と同等以上だったと考えられる。
この後フリーザは怒り、さっさと殺して戦いを終わらせようとするのだが、それは悟空が一瞬でも自分と比肩し、わずかでも上回ったことによる悔しさがあったのかもしれない。
※なお大全集の公式値では、20倍悟空はフリーザ50%と同じ値(6000万)に設定されているのだが、さすがに自分の半分しかない力を「あんなすさまじいパワー」と評価するとは考えにくいため、20倍悟空はフリーザ50%を大きく上回っていたと考えたほうが適切なはずである。
まとめ
自傷復活後ベジータ 180万
回復前悟空(の全力) 170万
10倍界王拳悟空 350万
20倍界王拳悟空 700万
フリーザ(ちょっと本気) 290万
フリーザ(50%) 470万
フリーザ(70%) 660万 ※これが肉体限界内最大値
参考:大全集等の公式値
復活後悟空(界王拳未使用) 300万
界王拳10倍悟空 3000万
界王拳20倍悟空 6000万
フリーザ(50%) 6000万
ここからは大全集が超超超インフレを起こしていく。何故こんなインフレが起こったのか、どう解釈すればそれを防げたのかはこちらで詳しく述べているが、
大全集はやはりいくらなんでも・・な数値であり、本考察の値のほうが原作描写に即していると、その点は自信を持って主張したい。
ただそれを差し引いても相当なインフレではあるのだが、それ自体はドラゴンボールというマンガの醍醐味でもあるし、数字の整合性はマンガの面白さとは直結しない。
なのでこんな考察はただの蛇足なのだが、それでもここまで楽しんで読んでいただけたのなら幸いである。
余談
ベジータはクリリンに自傷攻撃を頼む際、「自ら死にかけても効果は無い」と言っていた。しかし悟空は修行中、自ら死にかけても効果が出ていたし、そもそものところで、意思の外にある自律作用が自傷かどうか判別できるのは不自然にも思う。それに説明が付くように考えると、実は自傷による瀕死復活はサイヤ人の社会でタブー視されていたのではないだろうか?調整失敗を防ぐため、自らやっても効果は無いという嘘が信じられていたのである。なのでサイヤ人社会で育っているベジータはそれを信じていたのではないだろうか。
フリーザは悟空と対峙した際、「ちょっとおどろいたよ、ギニュー隊長の上をいくヤツがこの世にいたなんてね」と発言していた。この時の悟空はギニュー隊長なんて何十倍も上回っているし、ピッコロ、ベジータ、さらには悟飯だって上回っているのだが、何故こんなことを言ったのだろうのか?メタ的には鳥山先生のミスだと思うのだが、辻褄が合うように考えると、単純に「こんなにたくさんいたなんてね」という意味だったのではないか。フリーザは「こんなにたくさん」を省略しちゃったのだろう。
次回、超サイヤ人編に続く



コメント
2この頃のベジータの自信がありそうだったり不安そうだったりする不思議な心理描写については、ベジータのスーパーサイヤ人への不理解が原因だと思っています。
「スーパーサイヤ人になったのだから(なっていない)フリーザに勝てて当然」vs.「感覚で感じる今の自分の強さでフリーザに勝てるのか?」の二つの感情が入り混じっている状態だったのではないでしょうか。
こちらもコメントありがとうございます。今でこそ超サイヤ人は変身してなるものとみな理解していますが、当時はどういうものか具体的にわかっていなかった頃ですし、ベジータの不安がそこからきていたというのはその通りなのではと思います!