再会のいきさつ〈続き〉

テーマ:
5年ぶりの再会
彼はかなり挙動不審だった。
待ち合わせ場所に早く着きすぎた私が
なんて会話を始めようかあれこれ考えていたところに登場した彼は、私を確認するや
ちょっとお辞儀をしただけでくるりと背を向けて歩きだした。
急いで小走りで着いて行く私。 

今はなかなかしたがらない外での食事デートを
初めての時だけは彼が考えてくれていた。
とは言ってもオシャレなレストランとかではない。
自分の滞在先に近い高層階のちょっといい感じの割烹料理屋。
予約もしてなかったので個室ではなく
窓際の普通のテーブル席だった。

人から顔が見えないように窓に向かって席を取る彼は、見たことのないメガネ姿だった。
彼は視力はいいのにメガネ。
注文を取る店員さんに顔を見られたくないらしく、かけたり外したりを繰り返す。

 ニコご飯を友達と食べるだけ。
          やましい事なんかしてないのに‥

と、思ったが言わなかった。
私は、年に一度くらいご飯を食べられるような関係になれたらいいな、と思っていた。

別の世界に住む素敵な男友達ほっこり音譜
お互い既婚者だからこそフランクに話せるし
同郷だから共通の話題も多いはず。

その時の食事中の会話はもっぱらお互いの家族の事や近況で、あくまで表面的な会話だった。
そこで2時間ほど過ごし、食事を終えて
    爆笑また頑張ってくださいね
と私は電車に向かった。

すると電車に乗った10分後📩

 戻ってきてほしい
 手も繋げなかった‥

そんな色っぽい会話の一つもなかったのにどうしたことか。

 ニコニコそんな事しないから先生は素敵なんですよ

そうかわして家路についた。

その後家に着くまでの間はメールの嵐。
このまま明日帰るのは名残惜しいという彼に
次の日、電車を見送ることになった。

元々憧れていた人との急な展開に気持ちがついていってなかったけど、拒絶はしたくはなかった。
なぜか自然に了解した。

そして
グリーン車で一区間だけ隣に座っている間に
手を握られ、無言で見つめあい
自然とキスをした。

そこから私達はやましい関係になりました。

もう二度と明るいおひさまの下で並んで歩く事は出来なくなったんだ。


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