〈シリーズ 検証マイナ保険証〉
マイナ保険証のトラブル対応のために国が支出した額は、2024年度までに41億円に上ることが、東京新聞の取材で分かった。このうち24億円は、2023年春に問題化したひも付けミスで生じた費用だった。2021年にも同様のミスが起きていたが、対策が不十分で二重投資する結果となった。(福岡範行)
○主なトピック○
・「データは正確」と言っていたのに
・億単位の改修もチェックすり抜け
・健保に責任転嫁
◆最初のひも付けミス→6億円かけてチェック機能
最初のひも付けミスは、マイナ保険証の本格運用直前の2021年3月に明らかになった。マイナンバーの取り違えなどによって、他人の情報をひも付けていた誤登録は3万5000件に上った。
厚生労働省は本格運用を10月に延期。再発防止のため、6億円をかけてシステムを改修し、自動でチェックする機能を設けた。厚労省の審議会で当時、担当者は「データの正確性は担保されている」と説明していた。
◆2年後、またひも付けミス 誤登録は約9200件に
ところがミスは解消されていなかった。
本格運用が始まった後、2023年5月までに7553件の誤登録が判明した。
マイナンバーカードに対する国民の不信感が高まり、国会でも政府への非難が集中した。
当時の岸田文雄首相は、マイナンバーとひも付けた情報の総点検を指示。各健保組合や自治体がチェックに追われた。総点検で、さらに1142件の誤登録が見つかった。最終的に誤登録は約9200件にまで膨らんだ。
◆改修再び、15億6000万円
繰り返されたひも付けミス。2度目のトラブルを受け、国が投じた費用は24億円を超える。
厚労省は再発防止のため、6億円かけて改修したシステムに、15億6000万円かけて再改修した。さらに、誤登録があったとき素早く修正できるようにするためのシステム改修にも8億5000万円を計上した。
◆最初の改修 「住所」チェックしないままだった
億単位のカネをかけてシステムを改修したのに、なぜ再びミスが起きたのか。
最終的に30億円かかった誤登録の防止策について、厚労省医療介護連携政策課の担当者は「1度目のシステム改修では誤りを拾いきれていなかった」と釈明する。
最初のシステム改修で導入した自動チェックには、「住所」が項目に入っていなかった。そのために住所が違っていても、同姓同名で生年月日が同じならチェックをすり抜け...
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