それでも今の仕事で兼業を続けるのは、自分の社会的立場への不安が理由だという。
「リーマンショック世代の人間で、正社員の立場を得るのに苦労した人間なので『次私はどこで雇ってもらえるんだろうか、何を武器にしたらいいんだろうか』と考えていました。あとは人に養ってもらう才能が絶望的にないので、どうにか一人で生きていかなきゃダメだって諦めがついたことも理由ではあります(笑)」
ヒット作があるにもかかわらず、就職と同時に活動をやめようと考えていたのも、同様の不安からだった。mikoさんは自身の性格を「作品のイメージからは想像できないかもしれないが、ビビリで不安症、リアリスト」と評す。
「将来の不安とお金の不安を抱えて活動するなんて無理だと思っていました。音楽で売れなくても、生活に困らない状況を作っておきたかった」
現実志向でSEを選んだというmikoさんだが、今の仕事は音楽・声優活動と両立しやすく、気に入っているところもあるという。例えば服装に規定がないため「週末にライブをして帰ってきて、そのまま寝てしまっても、ライブ用のキラキラのネイルをしたままでも何も言われない」
逆に、相性が悪い点もある。「私に限らず全てのエンジニアに当てはまると思うんですが、締め切りは変えられません。基本的には何があっても間に合わせなきゃいけないので、勤務時間が長くなることもあります。その期間は副業の仕事を受けられないし、ライブの予定を入れてしまっていたら、どんなに本業で体力を消耗していようとそのスケジュールは変えられない。ライブの練習も平日夜が多いんですが、その時間も削られます」
ただ、コロナ禍では二足のわらじが幸いしたとmikoさん。当時は外出やイベントの自粛により、ライブハウスやミュージシャンが大打撃を受けたが「当時はすでにITに足を突っ込んでおり、(当時)在宅勤務を支援する仕事をしていたので、むしろ本職の仕事が激増しました。出社したら、15人くらい(対応を待つ)待機列ができていたこともあります」
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