なぜナチュボンは生まれてしまうのか
バイサイドに新卒から行くと、一定の割合でナチュボンといわれる人種が爆誕します。
ナチュボンの定義については下記ツイートがわかりやすいかと。
解説しよう、ナチュボンとは。新卒で生保とか大手資産運用会社の仕事に就くと、最初から証券会社の偉いおっさんや若くてかわいい女子のセールスとかから接待されまくって、高級レストランやキャバクラとかタダで行きまくり、そういうのが当たり前になって、王子様的な人格に育った社会人のこと。
— Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) March 25, 2021
昔よりは減ったかなあというのが個人的な感覚ですが、今でもある程度の人数が、社会人年次を重ねていくにつれて、非社会人的な行動を日常的にかますようになってしまう印象です。
じゃあ何で私含めナチュボンみたいな存在が誕生してしまうのかという話ですけど、これには大きく3つの理由があると思ってます。
証券会社/投資先からちやほやされる
これが一番世間で言われていることだと思っていて、内部の人間からしてもその通りですね。
証券会社の人間が何でちやほやしてくるかというと、自社に落としてくれる手数料を増やしてほしいからです。
多くの運用会社や生保で証券会社の定性評価的なものを手数料の配分計算に組み込んでいます。
"定性評価"をしている以上、評価者の個人的感情が反映されるわけです。
そうなると手厚い対応をしてくれる業者に配分が多くいくと。
それで、そこそこ偉いおっさんから、若くて可愛い/イケメンな営業まで揃って良い待遇をしてくれるので、そこで勘違いしちゃう人が一定数いるというわけです。
投資先も投資家を無下にすることは当然できないわけで、彼らも懇切丁寧な対応をしてくれるわけです。
変な対応をして株を売られでもしたらたまったもんじゃないですからね。
そんなこんなで、仕事で接する人間のほとんどが好待遇で迎えてくれるということになります。
そんな生活を数年も送っていれば、立派な社会不適合者が誕生するということですね。
証券会社からの電話にタメ口で応対し、ちょっと忙しいときは「今忙しいから」の一言で電話をガチャ切りするような、、、そんな人間が誕生します。
客先に出向くことがほとんどない
あとは、自分が客としてしか扱われないっていうのも大きいです。
一部のファンマネとかは営業と一緒に出掛けることもありますけど、それでも数としては全然少ないと。
対外的なコミュニケーションをとる際に、相手がお客さんであるということがほとんどないので、「自分は偉い客なんだぞ」精神が徐々にしみついていくわけですね。
また、会社内部の人間としかコミュニケーションをとらなくなっていくので、正しい敬語の使い方というのをどんどん忘れていきます。
私なんかも全然忘れてますね。電話応対とかもかなり適当になってます。
営業系の部署に急に異動しろとか言われたら一週間でうつ病になる自信しかないです。
実際に、新卒から運用部門一筋でキャリアを10年以上形成してきた方が営業系の部署に飛ばされて、あえなくうつ病になったという事例を見たことがあります。怖いですね。そうなはりたくないですね。。
マーケットに詳しい自分=偉いと思い込む
これはあんまり言われることないんですけど、多くのナチュボンが思ってることかと。
マーケットとか経済に詳しい自分=カッコイイみたいに思っていて、逆に知らない人間のことを見下す的なマインドセットを持っている人間が一定数いるんですよね。
ナチュボンレベルが進化していくと、日経新聞を読んでいる人ですら見下し始めます。
「日経って別に大したこと書いてないよね」
こんな感じのスタンスです。Bloombergの記事読んでるのがカッコいいと思ってるんですかね。
しかも、別にそこまで詳しくない人もたくさんいます。証券会社の方が全然詳しいというのもザラにあります。ザラというか、そっちの方が普通ですね。
最後に
一応、弁明させてもらうとすべてのナチュボンがやばい人間という訳ではもちろんないです。
最初にも書きましたけど、昔よりはだいぶ減ったかなと思っています。
割合的にも7割以上の人間はマトモなんじゃないかなという感じです。
まあ、やばいやつが悪目立ちして業界全体やばいやつみたいに一括りにされてしまうのは、ナチュボンに限った話ではないと思いますが…
ちなみに、私は立派な社会不適合者の自覚がありますが、今のところ矯正するつもりもないです。
これからも会社から追い出されない程度には適当に働いていく所存です。
敬具
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