広島大歯学部の解剖学実習を前に黙とうする学生(撮影・宮原滋)

 自らの遺体を医学のためにささげる「献体」の登録者が、広島県内で減っている。かつては希望者が多く抽選していたことから、足りていると誤認されているという。登録者はここ10年で約千人減り、1471人(1日時点)。2千人を切る状況が続けば学生の解剖学実習や医師による手術の訓練に支障が出かねず、関係者は「レッドゾーンに入った」とみる。

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 献体は、生前に登録した人の死後、遺族が医師や歯科医師の養成大学に遺体を無報酬で提供する仕組み。実習などに使われた後は、大学側が火葬し、23年のうちに遺骨を遺族に返している。