■■■唐突に思い付いた『ベルセルク』のヨタ話。
 第一稿は、本編を確認せずにウロオボエのまま書き進めます。
(というか、これを書いているのは旅の空の下なので、手元に単行本が無い)
 また、イマイチ繋がっていない箇所も、第一稿ではあまり気にしない事とします。
 思考の精度を上げるのは次回以降で。

■…いや、次回があるのかは知りませんが。

■作品内容に記憶違いがありましたら、正直スマン。


■■■では以下、『ベルセルク』本編に関するネタバレや、わざとらしいギャグ的な記述がありますので、苦手な方は御注意下さい。


■■■『ベルセルク』はもうひとつ巨大なギミックが無いと終われないよなあ…と、先の展開を自分で考えていたら、髑髏の騎士の正体はグリフィスだった事にすればよいのではと思い付きまして。

■んー、グリフィスは(ほぼ)王になっても渇望は満たされておらず(絶筆回の台詞と行動)、また、昔の王は四人の天使によって討たれたとされるので、何らかのドラマの後でグリフィスはゴッド・ハンドとそのシステムに反逆して倒され、千年前に送られ、髑髏の騎士として復活したのではと。
 実は『ベルセルク』は千年単位のループものだった、とか。

■髑髏の騎士=グリフィス仮説、気になった点を殴り書き。

・髑髏の騎士が“蝕”からキャスカを助けなければ、現在の形でのグリフィス受肉は不可能。

・変身後のゾッドの片腕を剣で斬り落としたのは、髑髏の騎士とグリフィスのみ。

・髑髏の騎士は妙にガッツに馴れ馴れしく、元から知っていた風でもある。

・髑髏の騎士は、どの場面でもグリフィスとの会話を避けていた様な。

・髑髏の騎士は、既に覇王の卵を持っていたグリフィスを倒さず、“蝕”が起こる場所も知っていた。
 “蝕”に限らず、何かが起きる場所に的確に現れ、予言めいた事を言うのは、未来を知っていたからなのでは。

・ガイゼリックは最初にどこから現れたのか不明とされている。
 天使によって破壊されたというのも、ファルコニアだったのでは。(場所が違う?のはどうすんだ)

・ガイゼリック~髑髏の騎士が頑なに顔を見せないのは、読者が既に素顔を知っているから。

・拷問された賢者が天使を呼んだというのも、グリフィス絡みの話が正確に伝わらなかった結果とか。

・ボイドの切っ先転送を防御出来たのは、返されるのを知っていたから。

・ゴッド・ハンド達が髑髏の騎士に対して言った言葉も、頑張ればイイワケ出来るのかも。(頑張る所じゃあないのは置いといて)

・髑髏の騎士が割と何でも知っているのは、元ゴッド・ハンドだから。(これはグリフィスと無関係でも成立するが)

・髑髏の騎士が狂戦士の甲冑を着たガッツがどうなるか知っていたのは、前回の記憶も含めての事。
 以前の着用者だからだけだと読者に思わせたのはミスリード。

・狂戦士の甲冑は、ガッツの為にグリフィスが調整していた。
 内部から話しかけてくる存在も、グリフィスが用意した守護精霊か、魔の勇者。
 『デビルマン』永井豪漫画版のアレですよ、アレ。

・魔女の正体はシャルロット王女。
だから、髑髏の騎士が鎧を着る前を知っていた。
 フローラは偽名で、野に咲く花の名前をグリフィスに貰った。(狩りでの会話回収)
 グリフィスに愛されていないのに気付いているので、あの距離感。
 尽くす気持ちから、ゴッド・ハンドを倒す事への協力はしている。

・魔女が碌な掘り下げも無いまま死んだのは、元の王女が生きていて、まだそちらで様々な描写が可能だったから。

・魔女って、王女と同じで手芸が趣味じゃなかったかしら。(超ウロオボエだけど書いてしまえ。確認するまで楽しめるでしょ)

・髑髏の騎士は元ゴッド・ハンドなので、魔法や精霊とのコンタクトも容易で、王女に魔女の修行を積ませ、長命化させる事も出来た。

・「桜の姫巫女は髑髏の騎士の想い人」とは、実は他人が勝手に言っていただけ。
 或いは、グリフィスが利用する為に桜の姫巫女に近付いていたが、結局ああなってしまったとか。

・最大の元ネタであろう『青の騎士ベルゼルガ物語』には、超存在の恐怖の記憶が、洗脳された部下に流れ込んでくる箇所がある。
 グリフィスはボイドの恐怖の記憶から、倒す術のヒントを得たのでは。
(これも中身がグリフィスで無くても可能)

・髑髏の騎士の薔薇モチーフは、グリフィスの元ネタの一人、『ベルサイユのばら』のオスカルからか。

・髑髏の騎士の喋り方が大仰だったり、剣技が違ったりするのは、ガッツらに正体を悟らせない為。

・鷹都以降のグリフィスが馬で飛んだり空間跳躍したりしていたのは、後に髑髏の騎士になる伏線。

・(バカっぽくても一応書いておくが)両者とも白い。

・教会のシンボルが鷹っぽいのは、グリフィス本人が最初の教祖だったから。
 四人の天使の伝承を残した事や、教会や聖鉄鎖騎士団にも、ゴッド・ハンドと戦う為の何らかの仕掛けがあった?

・イーノック村で教会が精霊を封じていた云々も実は伏線で、教会は各地域の精霊を封じる為に、千年前のグリフィスが設立したものだった。
 髑髏の騎士は悪役側で、ゴッド・ハンドを倒す事の他に、自身がこの世界の永遠の王となる事も目的としている?

・台詞を信頼しない場合、髑髏の騎士が主人公側、善人側であるという証拠は無い。
 “信頼出来無い語り手”という、ミステリー定番の劇作技法。

・ソーニャのテレパシーは、髑髏の騎士とグリフィスが同一人物なのを説明するのに使える。
 また、テレパシーによる使徒への強制命令も可能。

・このアイデアがあれば、かなりシールケに注力してもダークファンタジーらしさは担保出来ると、三浦建太郎は考えていた?
 連載開始当初~2000年代位までは、ループものはまだ珍しかった筈だし。

・「流れの中の一個の石」等々だったか、ゴッド・ハンドが作中で最初に登場した際の台詞も、ループものかと疑いながら読めば、また違う印象になるやも?

・ループものの大ヒット作が複数出て、日本の創作市場にループものが定着して以降、連載速度が下がった?
 『ベルセルク』も早めにループものだと明かしていれば、もっと驚かれた筈なのにと。
 というか、某作品の第十話そのものみたいな事をやる予定だったとか。

・初代『ファイナルファンタジー』(1987)が既にファンタジー世界でループものをやっていて、ここではネタバレを避けるが、あのキャラがああなっているので、同系統の先行例が無い訳では無い。

・映画『エクスカリバー』(1981)に登場したランスロットが、自分の鎧の中だけが自分の領地だとか言っていたのに倣い、グリフィスも例え鎧の中だけでも真の王となれた事で渇望は充足したとする、とか。

・普通のループものだと整合性が取り難いので、髑髏の騎士と魔女が意識を過去の特定箇所に飛ばしているパターンかも。

・または、時間の逆転か。

・単純に考えるなら、ゴッド・ハンドに時間や空間の概念は無いとし、勝利した四人が千年前に追放したか、グリフィスが自力で王女と共に千年前に逃げ込んだかであろうか。

■…あれ?
 出先で急に暇になって、実験的な思考遊戯で書いてみた割には、結構上手くハマッている様な……??


■■■本編を再履修したら、「全然違うじゃあねーか」になるのかもしれませんが、今はあえて、胡散臭さを楽しんでみています。


■■■グリフィスが他のゴッド・ハンドに討たれ、髑髏の騎士になるのだったら、41巻の最後であんな事を言った上に涙を見せるも、それらをガッツとキャスカに拒絶された事が原因となる予定だったのでしょうな。
 作中で二番煎じなのを、ドラマ的に逆用して。

■もしも髑髏の騎士=グリフィスが正解だったとすると、新体制版はその最大の切っ掛けを描けなかった事になるし、妖精島で伏線を張らなかった事にもなるし、また各インタビューで髑髏の騎士には全く触れていないので、先の展開やラストを聞いていなかった可能性が、また高くなってしまいますぞ。

『ベルセルク』疑義短縮版。白泉社側の発表は、絶版書籍等に残る作者生前の言葉とは真逆である。
2024年11月01日
http://blog.livedoor.jp/gorovion/archives/10283713.html

■というか、新体制の連中は、髑髏の騎士に何の興味も無さそう。
 妖精島に居た髑髏の騎士がどうなったのか、具体的には何も描いていないし。


■■■今後、新体制版のグリフィスが、唐突かつ演出的に何の面白味も無くゴッド・ハンドに反逆し始めたら、「長期的な展開を見越した伏線や演出を入れられなかっただなんて、新体制の連中は続きがどうなっているかを知らなかったのでは…」「ひょっとして、連載を長期化出来れば何でもいいと思っているのかしらん…」等々と疑ってやって下さい。

■新体制が、これからグリフィスがゴッド・ハンドに反逆するルートに入りたいと思っても、妖精島でグリフィスとガッツに会話をさせられていないのだから、精神的転換の切っ掛けも発生させられない訳で、ここから面白い感じに路線変更するのは不可能なんじゃあないかしら。
(そりゃつまんなかったり、無理筋でもいいなら、今からでも路線変更は可能だけど)


■■■しかし、髑髏の騎士=グリフィスが外れだとすると、『ベルセルク』の最終局面は、何の捻りも無く終わる事になってしまうのでは?
 『青の騎士』が捻らず終わったのは、最初から四巻目での完結が決まっていて、そんなイベントを入れる余裕が無かったからですよ。

■髑髏の騎士がやっているのは、『青の騎士』のレトラという老人の役割そのまんまですが、尺の問題でありましょう、レトラには巨大なギミックは与えられていませんでした。


■■■英語圏のSNSで見掛けた情報によると、三浦建太郎は『大ベルセルク展』のどこかで、今後は髑髏の騎士を掘り下げると言っていたそうなので(当方未確認失礼)、長々とした過去回想の最後に髑髏の騎士の正体を明かして、登場人物と読者を驚愕させるつもりがあったのかもしれませぬが…。
 その正体がグリフィスだったのかどうかまでは、さて。

■「コイツの正体はグリフィス」は既に一回やっているので、もう一回やったらイマイチな感じになりそうではありますが、力業で何とかするつもりだったっぽくもあります。
 …いや、「全てはグリフィスの掌の上」感で押し通せば、何とかなるかも?


■■■髑髏の騎士=グリフィスを本当にやるとしたら、ギミック的には面白いかもしれませんが、登場人物の心情を描くのは何千倍も難しくなってしまいますね。
 そんなのを目前にしたら、どのキャラも単純な感情では居られないし、読者も困惑が先に立って、グリフィスの事をどう考えていいか判らなくなりそうだもの。
(見た側を様々な意味で混乱させるのが、グリフィスの魅力ではあるけれど)

■ふーむ。
 ガッツ、グリフィス、キャスカという三大スターが揃ってさえも碌に会話もさせられなかった新体制関係者に、そういう類の情報を明確に処理する事が必要になる、繊細な描写が出来るとは思えませんが。


■■■桜の姫巫女関連は、上では「周囲が勝手に想い人扱いしていただけ」と苦しいイイワケをしてみたけど、世間にループものが浸透して後出しが困難になった事と、早期完結を目的として、髑髏の騎士に普通の過去を与える方向に路線変更したのかも…とか思ってみたり。


■■■パックが髑髏の騎士からはエルフの匂いがするとか言っていたのは、ゴッド・ハンドとエルフは同系列の存在だという伏線であり、その事が、『画集ベルセルク』(1997)にあった、ガッツがパワーアップ無しでゴッド・ハンドを倒す鍵になる予定だったのかも。


■■■パターンとしては、正体を明かした時にグリフィスが老いさらばえていれば、ガッツの混乱も増し、前述の映画『エクスカリバー』のランスロット後半の姿や、モデルの一人とされるビョルン・アンドレセンの変化をも想起させて、別の面白げな方向へと振れるかも。
 まあ、老化に関してはどーにでも。


■■■名前や一部のエピソードから、覇王ガイゼリックのモデルであると思われる歴史上の人物は、『ベルセルク』本編の読み解きや、今回の仮説に使えるもんですかね。

ガイセリック
https://ja.wikipedia.org/wiki/ガイセリック


■■■うーむ。
 本当に髑髏の騎士=グリフィスが採用されていたのなら、登場人物や読者の感情をまとめる為に、もう一丁、何らかのイベントかギミックが準備されていた可能性がありますな。
 『デビルマン』永井豪漫画版という先達に倣い、あれをああしてああすれば…?
(別作品のネタバレをするのが嫌なので、ここでは書きませんが)

■誰に限らず、ゴッド・ハンドを超える存在を目指してもよいし、同じく永井豪の『黒の獅子』みたいな方向性でもよいかとも思えます。
(そんな予定は無かったと思いますが、一応書いておきましょう)

■後年描かれた『新デビルマン』では、主人公二人がタイムトラベルをしていたものです。

■そもそもグリフィスとガッツって、『デビルマン』永井豪漫画版の飛鳥了と不動明の…。


■■■『デビルマン』永井豪漫画版は、『ベルセルク』のルーツを知りたい方は必読だとは思いますが、何分、バージョンが幾つもあって、最大数百ページ単位で内容が異なり、こちらも全ての版を把握している訳では無いので、迂闊には紹介出来無い感じです。

■同じ「全五巻」表記でも、連載当時版と後年に大幅加筆された愛蔵版や完全版とで全然内容が違ったり、同じ出版社でも内容が違ったり、ほぼ同じ内容が出版社違いで出ているのも困りもの。
 電子版は改変されていたらイヤなので購入しておらず、何とも言えません。

■連載当時の形に近い程よいのですが、KC版全五巻は入手困難だし、『デビルマン-THE FIRST-』(こんなタイトルだが雑誌掲載時の再現版)全三巻は高価でデカイので未見の方には御勧めし難いしで、ダイナミック・プロの売り方には嘆息するばかりですよ。


■■■当記事の大半は、「間違ってるかもしんないけど面白ければいっか」という、大変ふざけた性根で書かれています。
 用法には御注意下さい。


■■■当ブログの解析能力とその結果?には、こちら等があります。

虚淵玄が『魔法少女まどか★マギカ』の脚本を書けたのは変だと思っている方は居ませんか??
2013年09月25日
http://blog.livedoor.jp/gorovion/archives/7333416.html

宇宙がテーマの『スター☆トゥィンクルプリキュア』に、弓を使う“まどか”と金髪の“えれな”が出ていますが。
2019年04月25日
http://blog.livedoor.jp/gorovion/archives/9304339.html


■■■何の事とは申しませんが。
 元からデキる人達が、どこかの情報を取り込んでも全然問題ありませんし、何も言いませんが、何もデキぬ所か有害だった可能性すらある人達が、どこかの情報を使って金儲けを企んだ場合、何かを飛ばさなければならなくなるかもしれません。


■■■…いや、思い付いたのでザッと書いておいただけで、本当に髑髏の騎士=グリフィスなのかは、全然判りませんのよ?
 ま、公式が選択可能なルートをひとつ減らして、『ベルセルク』完結までの速度を早める程度の役には立ったかもしれませんにゃーんという事で。

■当ブログは怪しいのが役目です。