「よく見るテレビ番組」…?
先日、某所で「よく見るテレビ番組」を聞かれた。
これはあまり良くないクエリである気がする。
そこで、今回はこのクエリについて考えてみる。
テレビ番組の性質
多くのテレビ番組は、基本的に1週間に1回だけ放送される。
スポーツ中継を含む特番の影響や、もともと数番組を同じ枠で交代で放送しているなどの理由により、1週間に1回よりさらに頻度が少なくなることもある。
ある番組の大ファンや、お気に入りのコンテンツがある子供などは、録画・配信・円盤などで同じ番組を繰り返し見るかもしれない。
しかし、そのように自発的に繰り返し見ることがなれば、基本的にあるテレビ番組を見る頻度は放送の頻度以下になるだろう。
すなわち、見る頻度は1週間に1回以下となる番組が多いだろう。
1週間に複数回放送される番組
1週間に1回だけ放送される番組が多い印象があるが、もちろん例外もある。
1週間に複数回放送される番組は、大きく分けて以下のパターンがある。
同じ内容を複数回放送する番組
朝と昼など、同じ内容を1週間以内に複数回放送する番組がある。
これらの放送は、同じチャンネルで行われる場合も、違うチャンネル (地上波とBSなど) で行われる場合もある。
このパターンの場合は、どうせ同じ内容なので、番組の大ファンなどでなければ配信などと同じくわざわざ複数回見る意味は薄いだろう。
違う内容を放送する番組
1週間以内に違う内容 (完全に新規の内容、もしくは数週間~数ヶ月程度前に放送した内容) を放送する番組もある。
このパターンの場合は、1週間に1回だけ放送される番組を1週間に1回見るのと同じ感覚で、これらの (違う内容の) 番組をそれぞれ1回ずつ見て、番組全体では1週間に複数回見ることが考えられる。
具体例
民放地上波のバラエティー番組の多くは、1週間に1回以下しか放送していないと思う。(ちゃんと調べていないから知らないだけで、もしかしたらそうでない番組もあるかも?)
『チコちゃんに叱られる!』は、同じ内容を原則として金曜日の夜と翌日土曜日の朝の2回放送しているようである。
『マチスコープ』は、金曜日の朝と土曜日の朝に違う内容 (数週間ズレた内容) を放送している。
『0655』『2355』は、それぞれ月曜日~金曜日の週5回、それぞれ違う内容を放送している。
ニュース番組や情報番組なども、毎日に近い高頻度で放送されるものが多そうだ。
朝ドラ (連続テレビ小説) は、月曜日~土曜日の週6回、それぞれ違う内容を放送している。
さらに、月曜日~金曜日には、朝にBSと地上波、昼に地上波で、同じ内容を1日に3回放送している。
「よく見る」って?
ここまで、「よく見るテレビ番組」とは「見る頻度が高いテレビ番組」のことであると仮定して考えていた。
しかし、よく考えると他の解釈もありそうである。
まず、頻度を考えるとき、これまでは5分番組だろうが3時間番組だろうが同じ「1回」として考えていた。
しかし、時間も考慮に入れると、評価が変わってくるだろう。
たとえば、週6回違う内容を放送している朝ドラは回数での評価であればかなり有利であると考えられるが、1回の放送は15分であり、6回で90分なので、時間で評価すると週1回の2時間番組に負けることになる。
さらに、そもそも頻度ではなく、「集中して、細かい部分まで見る」ことを「よく見る」と言っている可能性も考えられる。
この場合、深く考えず、もしくは考えた場合でも勘違いしたなどの理由で「見る頻度が高いテレビ番組」を答えてしまうと、自分のことを誤解されてしまうだろう。
逆に、質問をする立場でも、見る頻度が高いテレビ番組を聞きたいのに集中して見るテレビ番組を答えられてしまったり、集中して見るテレビ番組を聞きたいのに見る頻度が高いテレビ番組を答えられてしまうリスクがありそうだ。
結論
「よく見るテレビ番組」という表現は、「見る頻度が高いテレビ番組」「集中して見るテレビ番組」という複数の解釈が考えられ、誤解される可能性があるためあまりよくない表現である。
また、「見る頻度が高いテレビ番組」は、そもそもそのテレビ番組 (特に違う内容) が放送される頻度に大きな影響を受ける可能性があり、質問をされる人の習慣を知るには役立つかもしれないが、好みを知るのには適さないと考えられる。
質問をされる人の好みを知りたい場合は、直球で「好きなテレビ番組」を聞いたほうが (少なくとも見る頻度が高いテレビ番組を聞くよりは) よいだろう。
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